第一話 その男、底辺に尽き
第一話投稿です!
大分短めです!
さぁ、始まるよ
イルム王国。準都市マタリアーー
人口凡そ、16万人。商業と農業で栄えた地。
商業区、工業区、居住区、兵団区、都市の片隅にある、貧民街の五つ区画に別れている。
そしてこの都市の周りを覆う様に、巨大な塀に囲まれている。所謂、城塞都市だ。城はないが。
夕暮れ時。商業区と居住区の間にある、少し寂れた酒場。その酒場のカウンターに彼はいた。
名工が打ったであろう剣を腰にさげ、誰が見ても一級品だとわかる装備、強さを感じさせる瞳、世の女性が一目で恋に落ちるだろうその顔、そして首からさがっている黒く輝いているアダマンタイトのS級冒険者の証ーー
が、あるはずもなく、そこにいたのは平民の格好をした白髪で髪を伸ばし後ろで結んでいる小汚い男であった。
彼の名はアルド。親もなく、幼い頃より貧民街で育ち、今日めでたくもない仮の22才の誕生日を迎えていた。
何故、めでたくないかと言うと、彼は娼館の雑用をして日銭を稼いでいたが、今日の朝に職場に出向いたところクビになったのだ。
それに孤児の為、誕生日や正確な年齢を知らなかった。
アルドは憂鬱な顔で今後の事を考えていた。
(はぁ…。クビになって無い金を叩いて酒飲んでても現実は変わらねぇか…。貧民街の出だと仕事には中々ありつけねぇし、いっその事、盗賊にでも成るか? でも、捕まったら打ち首は確定だしなぁ…。ホントにどうしよ)
などと、思いに耽ていると、外から大きな笑い声と共に2人の男と1人の女の3人が酒場へと、入って来た。
細く小柄で皮鎧を身に付け短剣を幾つか腰と脚にさげた者、肩までの青色の髪でローブを着込み杖を持った者、大柄で頭以外を金属鎧で包み背に大剣を背負った者、そして3人共に銀色に鈍く輝く小さなプレートをさげていた。彼らは所謂、冒険者と呼ばれる者達だ。
彼らの事はアルドも知っていた。
最近、一番勢いのある若手C級冒険者パーティー【紅蓮の一角馬】の面々だと。
【紅蓮の一角馬】の3人はテーブル席へ座り、今日の討伐依頼の話をして盛り上がっていた。
鋼鉄蜥蜴と言う、名前の通りに皮膚が鋼の硬度を持った巨大な蜥蜴の魔物を討伐したらしい。
剣での攻撃では刃が欠けたり、最悪の場合は折れてしまうという。
一見どうしようもない様に思うが、魔法での攻撃には滅法弱いらしく、土魔法で穴を掘り、穴に落としてから水魔法で溺死させて討伐したらしい。
アルドには関係ないが、酒の肴に聞き耳を立てて聞いていると、報酬金の話になりアルドは驚いた。
なんと、今回の鋼鉄蜥蜴討伐依頼と皮などの素材を売って金貨8枚になったと言う。
3人家族で一月に金貨2枚あれば、余程贅沢しない限り暮らして行ける。
冒険者は金にはなるが、一つ間違えると命を落とす職だ。
実際に名のある冒険者が幾人も死んだとの噂をアルドは耳にしている。
だが、仕事をしなければ野垂れ死ぬ運命にあるアルドにとって考える事などなかった。貧民に仕事などない。
死にたくは無いが、ただ野垂れ死ぬのを待つより命を使い切り死ぬ方がマシだった。
だから、アルドは残りの酒を一気に飲み干し、決意した。冒険者になる事を。
って事で、第一話でした!
展開が早いし、内容が分からない?
これから少しずつ修正加筆していくので、ご意見よろしくお願いします!
では、また明日、