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第一話

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「なんだここは」


 彼はそう呟く。辺りを見渡せば木、木、木etc...。所謂森の中ということだろう。


「・・・ふむ。気がついたら知らない世界、と」


 物語の一員になったような気分だ。森の中では生活したこともないし、ここに来る前はただの一般人だったような気がする。


「服装も普通」


 シャツにジーパン。どっからどう見ても普通の人だが今居る場所で見るとアウェーな感じだ。はて。どうしたものか。考えるがとりあえず出口を探し進んでみる。


「グルルルル・・・」


 歩いていると目の前には大きなオオカミが居た。獲物を見つけたかのような鋭い表情で彼を見る。


「オオカミにしては体が大きい。ふむ。見たことないな」


 ここは自分が知っている場所ではないなと考えているとしびれを切らしたオオカミが襲ってきた。一直線に飛んでくるのを反らし、落ちていた短剣二本を拾い上げる。


「体が軽くなっている。この世界の影響、か?」


 短剣を拾い上げオオカミの攻撃を避けた時に確信に変わった。この世界の影響か、身体能力が格段に上がっていた。短剣を両手で逆手に持ち、腰を低く落とす。オオカミが次の攻撃に移る前に一気に駆け出した。オオカミの目の前にたどり着いたと同時に、地面を蹴り飛び上がる。逆さまに中に浮いた体を捻り、勢いを付け二振りの短剣で狼の首を刈り取る。


「そらよっと」


 うまい具合に攻撃が入ったのか。短い悲鳴を上げたあとオオカミは消滅した。

まるでゲームの敵のようだと呟き二つの短剣、双剣を腰のホルダーに収める。


「落ちてたものだからサイズ合わないかなと思ったけどなんとか収められてよかった」


 オオカミが消失したところには金貨が落ちていた。不思議に思うが取っておくに越したことはないと考えポケットにしまう。気を取り直し奥へと進んでいく。道中魔物と遭遇するが難なく撃退し、ついに村についた。


「やっと着いた!・・・ん?なんか物々しいな」


 村では民衆がざわめいている。豪華な衣装を身にまとっているまさに姫というような人も居た。


「お祭り、ってことはないよな」


 さて、どうしたものかと考える。下手に行動し変な印象を与えると後々大変なことになるだろう。なんとか話しやすそうな人を探しているとフードを深く被った人を見つけた。


「あの、すみません」


「・・・はい?」


 日本語は通じるようだ。そうとわかれば情報を集めることにする。


「えっと、自分この村に来たの初めてで、一体何があったんですか?」


「あ、はい。私が説明しますね」


 フードを被った人の傍に飛んでいた妖精、エインセールが話す。聖女ルクレティアという女性が呪いで倒れ、それと同時に謎の呪いが世界各地に広がり、今後どうするのか各地の姫たちが話し合っているとのことだった。フードを被っている人(彼女)ルシアは使える姫を決めている最中だそうだ。


「・・・はぁ。なるほど」


「アナタは?」


「来たばかりだから目的はないんだよな。ちょっとこの村を見てくよ。ごめんね時間とらせちゃって」


 二人と別れた後、とりあえず今日の宿を探すため、人ごみを避けながら歩いていく。すると運良く宿を見つけ、部屋に入る。狭いがベットと机があり部屋も値段のわりに綺麗だったので良しとする。


「ではこちらが部屋の鍵となります。出かける際は鍵をフロントにおあずけください」


「はいはーい・・・金貨拾っておいて良かった」


 係員が出て行ったあと今の現状を確認する。この世界の人たちはまるで物語の人物が着ているような服装をしており、間違いなくここは地球じゃないと分かる。


「コスプレにしたとしてもあんな派手な衣装は身につけないだろう」


 村で見かけた姫のような人たちを思い出す。現代日本では間違いなく着ない衣装だった。


「石畳の家も見たことがない。ふむ。他にもいろいろありそうだ」


 日もまだ傾いていないので村を散策することにした。鍵をフロントに預け、村を散策する。いろいろなお店を見ながら歩いていると不思議な雰囲気を纏っている男を見つけた。


「こんにちわ」


「うわ、こんにちわ」


 いきなり目が合い挨拶をしてきたことに驚きつつ挨拶を返す。


「ここでは見ない格好だけど、どこからきたんだい?」


「えっと・・・覚えてないです」


 ここで変なことを言うと辻褄が合わなかったり不審に思われる可能性があるので無難に覚えていない事にした。


「覚えていない?」


「えぇ。気づいたら森の中でした」


「記憶喪失・・・?あ、ごめん。無神経だったね」


「いえ。別に大丈夫です」


 男は考え、直ぐに話し始めた。


「君はこれからどうするか考えているのかい?」


「いえ。これからどうしようかなと考えていたところです」


「ふむ。ならそうだな、姫に使える騎士になるという手があるんだが」


「姫の騎士、ですか」


 あの派手な衣装を着ていたのが姫だったのかと呟く。まさか本当に姫だとは思っていなかった。で、これもまた驚いたのが姫たちが白雪姫やシンデレラなど、昔聞いたことのある名前だった。


「姫様たちは明日までこの村に滞在する予定だからもし騎士になるのならば僕に話しかけてね。ここにいるから」


 色々話してくれたオズヴァルトに礼を言い、宿に戻った。


「さて、どうしようかなぁ」



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