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ソラの研究室

はい、こちらは「ソラ」の研究室です。研究結果が、本編や番外編に使われることが多くて重複するかもしれませんが、ご勘弁下さい。それでは始まり始まりぃ~。

<ソラの研究>


化学に弱い私は、適当に新素材をでっち上げようかと。はい、小説もどきの話です。


そもそも重要アイテムであっても、こいつが主役じゃない訳です。いかにもありそうなら、似非化学でいいじゃないかと。

で取り敢えず思い付いたのが「ソラ」です。お空のソラ。からではないですよ。当方にとって都合のいい設定は、「極小電荷で無限の色を再現出来る、マイクロメートル単位から数十メートルまでの面積をカバー出来るもの。厚さは殆ど無視出来るくらいで、柔軟性がある。完全透過(透明)も無透過(漆黒)も表示出来る。液晶・プラズマ・有機EL等の既存の表示方式がぶっ飛んでしまうもの」です。あってもいいですよね。


「ソラ」の綴りは、断然「Sol-α」ですね。深い意味はないです。

イメージの大元は、「玉虫厨子」です。見る角度によって、色んな色に見える。此の逆の発想です。どの角度から見ても、ある動画として、ちゃんとした色で見える。最初は「視線」の検知を考えたんですが、こりゃ無理です。例えば競馬場のターフビジョンとかに使いたい訳ですよ。十万人からの視線を検知して対応なんて、いくら似非化学でも無理がありすぎます。そこで、今のTVでも使われている「残像」を利用するわけです。

マイクロ秒単位、もしくはそれ以下で特定の角度から見た色の変化が柔軟に出来るなら、どこから見ても無理なく同じ画像が見える、かも?ということです。そんだけ色んな色に見えるような色素の整列や方向転換が出来るか?・・・・そんなこと、私に判るわけないじゃないですか(苦笑)

それを、タカ(カナブン)にやって貰うということです。


光源が後ろに必要なら、液晶達と一緒ですよね。もし、「ソラ」自身に色変化だけでなく発光機能があったとしたら・・・・極小電荷でそこまで出来ますかね?タカにはやって貰いましょうか?


sol・・・太陽。 太陽光発電?発光色素体自身に発電能力があったら?

暗ければそれなりに、明るければ明るいほどきれいに映る。リミッタは設けないとね。ターフビジョンは、日差しが差し込んで見づらくならないように偏光フィルタが付いてたりしますが、この逆で偏光発電とかも補助にして。電源の要らないTV。電源の要らない広告塔。いいじゃないですか。

太陽光発電とも違うし。基本原理は同じなのかな?スカラーをベクトルに。ベクトルを収束する。エントロピーはこの際無視しましょう。

それなら従来の企業は警戒もするし、護ろうとも、漏れないようにしようともするでしょう。例えば月明かりの下でハロウィーンものの映画(題名忘れた)でも観られたら最高じゃないですか。

・・・・熱処理さえ何とか出来れば、光学迷彩もこれで出来そうな。(w

あ、だからぶっそうな人も絡んだりするのかな。善し悪しはさておき、新技術は軍事技術と共に歩むっていうし。


こういうアイデアだけ先に出てきて、本編が全然進みません(泣)


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system of lighting model α。

身も蓋もない、略称からの文字遊びです。


「ソラ」は、sol-β、sol-γ・・・・と進化していっても、愛称は「ソラ」のまま。そんな感じがいいですね。

タカ(カナブン)が、イマに研究室で見せようとしているものが、まさに最初の「sol-α」です。密閉漕にアルゴンガスを詰め込んで、その真ん中に2芯3極のコードが配線され、コードで宙に浮いているsol-α。角の丸くなった三角形、というよりも、ハート型に近いイメージです。

最初は真っ黒です。タカがイマに、「何色がいい?」と訊き、「赤!」とイマが答えると、タカがおもむろに手元を操作して、真っ黒なsol-αが赤くなっていきます。そして、タカが小型ビデオカメラをイマの顔に向けて、「ちょっと待ってね。はい、笑顔!」というと、ゆっくりと、赤の単色変化だけですが、イマの顔が浮かび上がり、表情がぼんやりと映し出されます。タカがイマに、「ちょっと違った顔をしてみて」と、イマが怒った顔や変な顔(?)をやってみると、ゆっくりとですが追随してきます。

「これが私の研究内容です。イマさん。現在は此処までしか出来ませんが、フルカラーにしたり、反応速度を上げたりして、TVみたいに見えるようにするつもりなんですよ」「TVと何処が違うの?」「そうですね、まず使う電気の量が全然違います。今の実験では、丁度豆電球1つ分の電気しか使ってません。もっともっと減らせると思っているんですよ」「あのね、最初に見た真っ黒のとき、太陽光発電器のこと考えちゃった」「イマさんは勘が良いですね。こいつの原理の基は、まさに太陽光発電なんです。モーターと発電器の関係って知ってますか?電気で廻るモーターを、何か他の力で廻すと今度はモーターの電極に電気が戻ってきます。そういうことを、光で出来ないかなと思ったのが最初です」「じゃあ、ついでに発電もしちゃえばいいんじゃない?ソーラー発電からTVみたいなのになって、ついでに光で発電までしちゃえばいいんだ。あ、じゃあこの子の名前はソラ!決まり!」「これこれ、勝手に名前まで。・・・ソラ、そら、太陽はソル、・・・・sol-αって処ですね。こう書いて、これで「ソラ」と読む。どうですか?」「カナブンにしては良いセンスじゃない。これで確定ね!」「決まっちゃいましたか。sol-α、ソラですね。イマ、良い名前をありがとう」

タカはイマの頭をくしゃくしゃっとなでた。

「しかし、発電ですか。そこまで思いつきませんでした。出来なくはないですね。・・・・動力源の光は、ソラの外の光。出来たら、室内でも使いたいですよね。蛍光灯程度の明るさ・・・」「イマね、お月様やお星様の下でも見てみたい」「月明かりですか?そりゃまた大変だ。ソラの高分子を・・・・そうか、分子は最小に、面は大きくすれば何とかなるかもしれませんね。

イマ、あなたは天才です。いやすごいひらめきがある。これでまだこれから中学生なんてもったいない。一緒に研究して欲しいです」「えっとね、イマは、他にも色んな事を知ったり覚えたりしたいから、今はだぁ~め、でぇす」「そうですか。・・・・イマさん、今日は本当にありがとう。是非また此処に来て下さい」「うん、suicaも貰ったし、じゃあお父さんやお母さんに聞いてみて、例えば土曜日の午後とかに遊びに来るかも。それでいい?」「全然構いません。私からお父様やお母様にお口添えしましょうか?」「ううん、そういうの要らない。だって、私のお休みの日の事だもん。学校に行く日じゃなければきっと大丈夫!」



・・・・思わず手が進んでしまいました。こんな感じでどうでしょうか。

ちなみにこれ書いているのはタカでもイマでもなく、Giyaですから(苦笑)


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さて、タネ明かし(後付の理由)をしましょうか。

何故、イマは最初に真っ黒の「ソラ」を見たとき、太陽光発電器と思ったのか。そもそも黒は、光を全く反射しない、または全く発光しない状態を指します。でも、イマが「見た」のは、「ソラ」に吸い込まれる光達。

微少ですし、タカはこのとき未だ発電なんて考えても居なかったので、「ソラ」から電気が取り出せる事は実験してなかった、ってことにしときましょう。そしてイマは、「赤!」と色指定して赤くなった「ソラ」でも、少しずつではあるけれど「ソラ」に光が吸い込まれていくのを「見た」んです。もし、例えばタカが部屋を真っ暗にして、「ソラ」を真っ白の状態からイマに見せていたら、きっと違ったでしょう。そういう意味では、ちょっとした偶然と、イマの「目」の力があったからこそ、「ソラ」で発光も発電も、という話になった、ということで。どうでしょう?


光を吸収する、で思い出しました。ブラックホールは、とても重たいから光まで吸い込んでしまう。吸い込まれなくても、レンズの役割をして、光が曲がってしまう。

「ソラ」は、正確にはsol-αは、電気を通さなければ「真っ黒」です。そして、イマが「見た」ように光を吸収する。そのままだったら、吸収された光は電気に変換される、というのが「正しい使い道」です。

では、ひねくれて軍事目的で考えてみましょう。無理矢理電気を引き出そうとしたら?「ソラ」は、周りの光を吸収する?今のままでは無理でしょう。でも、そういう開発の方向もあるわけです。ステルス。光も反射どころか吸い取ってしまえば、それもある範囲まで広げられるならば、例えば前線基地の隠蔽なんて簡単になってしまいます。それから個人装備。先に光学迷彩を例に挙げましたが、真っ黒になる=サーチライトなんかじゃ全然判らない、ってなりません?まぁ間近で見れば違和感たっぷりでしょうが。レーザー兵器なんてものは既に一部実用化されてますが、これも無力化されてしまうでしょう。SFで言うところのマイクロブラックホールみたいに、取り扱いが物騒なものにもなりそうもありませんし。こりゃ軍事産業や政治関係者は黙っちゃ無いでしょう。なんかこの先も平和な恋物語にはなりそうもありません(苦笑)


-----


「ねぇ、カナブン。特許よ、とっきょ」

いきなりイマがタカに話しかけた。

イマ「ソラはね、今まで誰もやれなかった事をやってくれるものだと思う。だから、今のうちに特許申請しようよ」

ソラ「特許申請ですか?かなり面倒な書類を作らなきゃならないですし、申請すればその内容が公開されますからね。先にモノにされたら、私たちの研究はパァですよ」

イマ「だからぁ、何だっけ、ソラの技術は全く新しいものなんでしょ?え~っと、そう基本特許!それを取るの!」

タカ「発想の元が太陽光発電ですから・・・」

イマ「関係なぁ~い!カナブンが書類作るの面倒だったら、イマが勉強して書類揃えて、申請してあげる。決まり!」

タカ「例によって決まりですか。・・・判りました。イマ、書類を作成することは並大抵のことではありませんよ。未だ私の頭の中にしか無いこともありますから、この研究室に散らばってるメモの類を全部整理して、理解して、その上で私に質問して、作成してみて下さい。出来れば、そうですね、今年中に。お願いしていいですか?」

イマ「りょ~かぁい!イマ、頑張ります!」

タカは、中学生のイマに果たして何処まで出来るものやら、と思った。

イマは、本気だった。ソラを大事にしなくちゃ。狙うは大金持ち! 中学生らしい発想であった。


イマは本当に勉強した。母親に相談して、暫くは毎週末研究所に通い詰めることにした。メモを整理して、自分なりの理解で順番を整え、タカのパソコンにあるメモと摺り合わせて、ダウンロードしてきた特許申請用紙に必要事項を書き込んだ。それから先は、時にタカと相談しながら書いていった。図面は、CADソフトを独学で覚えた。記号端子も、Webで検索した他の特許書類等から覚えた。ついでに書き方も。データは慎重にセーブした。タカのパソコンの他に、研究所のメインサーバにも保存した。


所長は、サーバの記録から、タカの研究内容と、特許申請準備をしていることを知った。しかし、タカがここまでまめにやるわけもない。きっと彼女がやっているんだな。しかし中学生にしては凄いもんだ、と思った。

一瞬、所員として迎えることが頭をよぎったが、馬鹿言っちゃいけない、彼女は未だ中学生だ、とその考えを振り払った。

タカは、いいパートナーが出来たな。年は離れすぎてるが。

しかし、本当に特許を取ってくれれば、また我が研究所に箔が付く。

所長は満足げだった。


その年の暮れ。

イマ「出来たぁ!出来たよ、カナブン。基本特許申請書類。印鑑持ってる?それを此処に押して。それから表紙の処と、此処に署名して。はい、申請出来ます。・・・・でもね、イマが持って行っても受け付けてくれるかな?」

タカ「よく此処まで頑張りましたね。イマさんは偉いです。一応、内容をもう一度点検して、私が来週申請してきます。本当にどうもありがとう、イマ」

そういってタカはイマの頭をくしゃくしゃなでた。

イマは、タカが時々そうやってなでてくれるのはうれしかったが、後で髪型を直すがちょっと面倒なんだけど、と思っていた。


タカは、イマとの約束通り、週明けに特許庁へ申請に行った。

受付自体はそれほど難しいものではない。問題は、特許として認められるかどうかの審査の方である。


審査結果は、異例の速さで2月に届いた。特許取得である。通常、基本特許の審査はもっと時間がかかるものである。明らかに他とは違う事が明確であったのか、それとも何か他の要因か。タカは、後者であることをほぼ確信していた。


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後日。

イマ「ねぇ、今度は応用特許とか、実用新案とかも取ろうよ。電源の要らないTVなんて素敵じゃない?取っちゃおう」

タカ「これこれ、先走ってはいけませんよ。もう基本特許は取れたんですから、応用特許は研究がもっと進んでからにしましょう」

イマ「はぁい。でもね、イマの頭の中には、タカの研究がぜぇ~んぶ入ってますからね。未だ実験とかのお手伝いは出来ないかもしれないけど、事務とか、研究が進んだら応用特許申請とか、全部私に任せて」

タカ「確かに、イマさんの理解力は凄いです。基本特許の申請書類も、間違いはありませんでしたからね。でも、学校の勉強もちゃんとやって下さいね」

イマは、タカが否定しなかった事に気づいた。やらせて貰える。嬉しかった。

ふと、タカを見ると、既に何かぼーっと考え始めていた。

イマは思った。タカは私が助ける。私が支える。イマは、決めたことは守る。それが恋であったのかどうか、未だ自分でも判っていなかった。


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半年以上間が空いている「カナブンといま」ですが、推敲中ということでご勘弁下さいm(__)m


んで、ですね。重要アイテム「ソラ」の最大の秘密を教えちゃいましょう。

ゲラをまともに読んでくれているような奇特な方は気がついていらっしゃるかもしれませんが、「ソラ」とイマの目の間には、重要な関係があります。それは、「ソラ」には発光・発電機能の他に、「目」の機能があることです。カメラとして使えるってことですね。この原理が、イマの目の秘密とほぼ同じなんです。だからタカは、そのことに気がついたとき、動揺もし、慎重になりました。

カメラ機能については、イマが放浪している間に、タカが追加特許を各国に申請しています。但し、その際、慎重に偽装もしています。偽装というのは変かもしれません。嘘はついてないですから。具体的には、カメラ機能を使おうと思ったら発光・発電機能と排他であるように。ちなみにそうでないとイマちゃん死んじゃいますから(^^;シールドしないと安定しないってとこですかね。ですから、「ソラ」を使ったTV等で盗撮して反転信号を送るってのは、出来ないことになってます。・・・・はい、ここが「偽装」ポイントです。安定化を無視すれば、出来ちゃうんですね。但し、商業利用するには安定化の部分だけで「ソラ」数百枚分の手間暇費用がかかるので、やれないって感じです。でも、いずれ軍事利用されそうですよね。だから、タカはそれを特許で縛っています。

ちなみにイマの目は、体で自然と安定化させてますから、自分の目に「再生」させることも出来ます。小説のさわりの部分でさりげなく書いてますが、気がつきましたでしょうか。ついでに、興味があることに対して目が(普通の人よりさらに)キラキラとするのは、やっぱりこの関係です。フィードバックがあるんですね。


現在のデジカメ相当のものも、「ソラ」で出来ます。上で言えば、本当は1つの「ソラ」でも出来るのですが、撮影用の「ソラ」と、表示・再生用の「ソラ」の2つを組み合わせて作られることになります。


とりあえず、こんなとこでしょうか。

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