青年だった頃。
○目次○
○アノ花・・・・・・・・・・・・・・・・・・・作成日不明
○継続・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・五月七日作成
○明日を見つめて・・・・・・・・・・・・・・・五月七日作成
○雫、雫、雫・・・・・作成日不明
○目的地・・・・・・・・・・・・・・・・・・・七月三十日作成
○あなたは今、笑っていますか? ・・・・・・・・作成日不明
※本誌掲載作品の著作権は
全て著者・聖天三月にございます。
「アノ花」
忘れちゃいけない
君と出逢ったあの季節
揺れている
アノ花
揺れている
アノ心
忘れたくない
忘れちゃいけない
私が出逢えたこの季節
揺れている
今も
揺れている
アノ花
毎日が早くて早くて
どうにもならないから
いっそ
アノ花の如く
君を想うけど
「継続」
小鳥のさえずり
思わしくない天気
古すぎる駅
風は何も知らないふりして
穏やかで
人は何かを感じて今を過ごす
どんなに心の中で叫んでも
孤独の闇に
誰かの空気と混ざって
この過ぎる風に
何も言わないこの世に
塵となって消えるのでしょうか
あの頃は幸せでしたか
あの頃は笑っていましたか
あの頃は正しかったのでしょうか
・・・私が望んできたことは。
「明日を見つめて」
もう悩まないで
塞ぐ心開かせて
あの明日に飛ばそう
続く雲の切れ目に
何か浮かばせて
また今日に帰ろう
この世の果てが何だとしても
きっと君を見つめてる
何気なくて
あどけなくて
懐かしいその笑顔
木の葉がゆれる
心ざわめく
そして何かが目覚める
夜明けに覗く花よ
もう苦しまないで
塞ぐ心見つけて
また今日に歩こう
続く雲のかたまりに
誰か描かせて
さあ明日に届けよう
この世の初めが何だとしても
きっと君を見つめてる
さり気なくて
あじけなくて
懐かしいこの心
木の葉がゆれる
笑顔が開く
そして何かが芽吹く
朝焼けに光る花よ
木の葉がゆれる
心ざわめく
そして何かが目覚める
夜明けに覗く花よ
「雫、雫、雫」
あれからもうすぐ一年です
女々しいこの暑さも
表情を彩るこの空も
雑草の中で美しく咲いていたあの花も
名も無き立派な木も
遠くから聞こえる演奏も
子どもたちの笑い声も
頭をのぞかせた山も
ひっそりと佇むこの神社も
ぬるい風を残す車も
少しずつ動き始める町も
あの日
あなたを想っていた私も
今の私は忘れてしまうのでしょうか
幾度となく流した涙とともに
「目的地」
悲しかった 悲しかった
何故こんなにも無知で
今日まで精一杯だった私は
美しく描きすぎたこの世界は
何か一つ足りなくて
いったい何を見て
何を創っていたのだろう
それを知るには まだ幼くて
それを知るには まだ青くて
真っ暗な夜には 優しい夢を
光射す朝には 懐かしい歌を
知らなかった 哀しかった
何故こんなにも無関心で
今日まで何を求めていたの
まだその名を知らない世界は
何か一つ変える種で
また彩りを加えて
何かを紡いでゆくのだろう
それを知るまで まだ幼くて
それを受けるには まだ青くて
真っ暗な心に 涙の泉を
光射す時には 喜びの音を
悲しかった 哀しかった
何故こんなにも無知か
今日やっと分かった気がした
「あなたは今、笑っていますか?」
「あなたにはいつでも
笑っていてほしい。」
__そんな言葉がわたしに届いた。
もうすぐ
大好きな季節がやって来る
でも
いつも過ぎてから感じるから
__先生、
わたしは確かに笑っていましたね
憧れの季節は
静かに音を立てずにやって来る
__先生、
わたしを見てくれる人がいた。
たとえ、わたしの目に前にいなくても
わたしは笑っていたい。
・・・あなたは今、笑っていますか?
ずっと忘れません。
○作成日○平成二十六年六月二十一日