男たちの日常 -Hidden Story-04- After:-07-02-
ドアを開けて、すぐに閉めたエイダイにヨウが問う。
「おい、エンマは?」
「いや、無理だそうだ。行くぞ鵲、タロー」
「なんで無理なんですか?仕事ですか?それなら手伝いますよオレ」
カケルの質問にエイダイがはっきり真実を述べる。
「エンマはこれから女とデートなんだよ。わかったらキリキリ歩け鵲」
「鵲じゃなくて今はカケルですいい加減にしてください」
「相手は誰だ」
急にヨウが低い声を出す。
「は?」
「エンマの相手は誰だと聞いている」
「ああ、シズネだって」
「あの野郎ぶっ殺す!」
「落ち着けクソ隊長」
反転し走り出そうとしたように足かけをし、転ばせるタロウ。
「おい、キャラはがれてるぞ夜の王」
「もうなんか、こっちが現実になったらキャラ維持すんの疲れた」
「まあオレたちもあの状態のタローと付き合うの疲れてましたけどね。正直周囲の目痛いし」
「てめー副隊長!どういうつもりだコノヤロウ」
「日本語狂ってるぞヨウ。どっか適当な女の子でもナンパしてくればいいじゃん?」
「わかった!行ってくる!」
走り出したヨウを見送る3人。
「エイダイ隊長。それは勝ち組の言葉ですよ?」
「そうか?おっ、シオンじゃないか。カナデは一緒じゃないのか?」
前を横切ったシオンに声をかけるエイダイ。
「ああ、エイダイさん。カナデさんなら今組合の顔合わせに出てますよ」
「そうか。昼まだなら一緒にどう?」
「いえ、姉と待ち合わせしてるので、またの機会に」
「おう、わるかったな」
シオンを見送ったエイダイはカケルたちの方を振り向く。
「こんな感じだ。こんな感じでやってみ」
「思いっきり断られたじゃないか」
「うるせーぞタロー」
「ヨウさんも帰ってきませんし、もう3人でどっか入りましょうよ」
「そうだな」
適当な店…というか酒場に入る一行。
「あれ?エイダイさんエールとか頼まないんですか?」
「アホか。昼から酒なんて頼むかよ。月給取りなめんなよ」
食事向けの料理をいくつか頼んだ後水を飲んで落ち着く。
「しかし……ホントに帰れるんですかねぇ」
「別に帰れなくてもいいけどな。帰ったら翌日から会議漬けの毎日だ」
「今とやってる事変わらないじゃないか」
「そういわれればそうだけど……まあこのゲームをクリアしてから考えればいいよ。帰れるか帰れないかなんて」
「気楽ですね……」
「まあな。さあ飯も来たし食おうぜ」
「隊長の奢りですかね?」
「ないない」
顔の前で手を振りながら答える。
その時、酒場の入り口の方から声がした。
「エイダイ!いいところに一緒していい?」
アンリとシルヴィア、それとリリとクララ?が呼んでいた。
「いいけど、なんで酒場なんだ?」
「いっかい入ってみたかったんだよねー」
「なるほど。そういうわけか」
女子メンバー4人を加えての華やかな昼食を過ごした男子一行。
「ここは隊長の奢りでいいですかね?」
「お前、オレが女の子の前だと断らないと思ってるだろ」
「いいよ。オレが払うから」
ため息をつきながら、タロウが全額支払う。
「ありがとータロウ」
「ありがとうございます」「「ご馳走様です」」
「おう、ありがとうタロー」
「どうもです」
「お前ら二人は今すぐ払え!」




