代表会議IV -09-04-
「さて、欠員も多いけどとりあえず今日のまとめをしよう。その前に一言。君たち自由すぎるよ!」
一応反省の意志を見せる。
「……とりあえずエンマ。今日一日変わったことは?」
「フロールのスパイを見つけたから締め上げたぐらいだな」
「やっぱ来てるのか……職人街は特に警戒してね?」
「いえ、たぶん技術なんて盗めないと思いますよ?だって私たちは基本的にスキルで製造しますが、彼らは手で作ってるわけですから。まあ私のデザインしたものは全て手作りですが」
珍しくレイさんが発言する。
「なるほどね。まあ怪しい奴はとりあえず捕まえといてね」
「了解」
「次、ギルドだけど」
エイダイがいないので代わりに私が答える。
「メンシス周辺のアンデッド討伐の依頼を張りだしました。ある程度アンデッドの数が減ったら神殿に向かうのでよろしくお願いします」
「魔研は何か報告ある?」
「少し王都の研究施設に忍び込んでいろいろ見てきたんですが、古代の文化をなんとか使ってるような感じで新しい発見はなかったです」
「君も少し自由すぎるね……」
「あ、そうだ学園についてだけど、ある程度講師を決めといたから」
「私たちの名前は特に入ってませんね」
「さすがに忙しいかなと思って」
「やっとわかったかこのメガネ!」
「そういえばハルト今日なんでメガネ?」
「真面目アピール?」
「リアルではずっとかけてたから落ち着かなくて。レイさんに作ってもらった」
「私にも作って!伊達メガネー」
オトハがレイさんにじゃれ付いている。
「それで、王都組は特に何もなかった?」
「ああ、なんか代表者連れて記念式典?みたいなのに来いと」
「……もしかして行くって言ったの?」
「言ったけど」
「今シズネさんとエイダイ出てるのに……どうするかなぁ」
いつも通り困っているハルト。
「私とハルトがいけばいいんじゃないの?」
「それだけじゃさすがに……シズネさんとエイダイに行ってもらって、エンマとカナデさんは置いておきたかったのに、戦力的に」
大戦力としてカウントされてもあんまりうれしくない。
「キクロもつれていかないとだめだろうし、まあヨウジは戦力にはならないからいいけど」
「ハルト、最近親友の扱いがぞんざいなんだけど。気のせい?」
「気のせいだよ。まあ仕方ないか。その日狂った貴族とかが攻めてくるかもしれないからしっかり警備しないと。で式典はいつ?」
「明後日」
「……絶対攻めてくるわ。カナデさん悪いけど明後日の午後から7番隊全員出して」
「わかりました」
すぐにシオンに連絡を取り、明日ミーティングを設定する。
「無理だと思うけどシズネさんとエイダイにも帰れるか聞いてみるか」
「それよりお祭りの話はどうなったんですか?」
クロエが発言する。
「どうやったらそんな楽しそうな外交に発展するの?」
オトハが不審なものを見る目でこちらを見る。
「カナデさんのおかげでステラさんと仲良くなったので、是非スペーラを見てみたいと」
「なるほど。さすが私のお姉ちゃん」
褒められてる?
「その件もあったかー…」
「ハルト、大変だな」
エンマさんがハルトさんを慰めていた。
「なるべく早くって念を押されましたけど」
「この世界の国のトップは同盟結びたいのかうちを潰したいのかわかんないね、ホントに」
オトハが手を上げて意見を述べる。
「せっかく闘技場あるんだし……自警団の隊長で戦ってみる?諸外国に戦力見せつける意味も込めて」
「なるほど一口100Gぐらいで賭けでもやったら儲けられそうね。主に私が」
「シェリー!?いつの間に!?」
私のとなり (現在欠席中のエイダイの席)にはいつの間にかシェリーが着席し、何かを計算していた。
「お金の話になりそうだからーってカナデに呼ばれた」
「お金の話になりそうなので専門家を呼んどきました」
「君らなんで仲良いの?ちょっと理解できないんだけど。シェリー、闘技場に入るのに入場料とるとしたらどれぐらいなら売れる?」
「冒険者相手だと全試合の入出場フリーパスで5000ぐらいとっても大丈夫そうだけど、市民の財布を考えると厳しいかもしれない」
「そうか一般の観戦者もいるのか」
あれ?隊長が戦うのは決定なの?
「まあその辺は調整していくとして、他に企画とかは」
「学園の施設公開とか魔研の研究発表とかしましょうか?」
「さすが副所長クロエ。いい案だ」
自分の手柄でもないのにテンション上がり気味のキクロ。
「たしかに技術レベルを示すのも必要だし、組合でも同じようなことできない?」
「いつも通り売ってたらいいんじゃ?」
ハルトの質問にヨウジがさらっと答える。
「……それもそうだね。じゃあ日取りは、フロールの王様が準備に困るように来週とかにしようか」
「仕返し方が陰湿だよメガネ」
「メガネって言うな」




