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女神の箱庭I =カサナルセカイ=  作者: 山吹十波
第8章 フロール王国とセカイの新参者
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グロリア城陥落事件 -08-07-

若干ブルーな気持ちになりながらオトハについて転移門へ向かう。

既に門の前ではシオンともう一人がスタンバイしていた。二人とも私と同じ顔をしている気がする。と言うか一人でテンション高いのはオトハだけな気がする。


「初めまして、お姉さん。3番隊副隊長のルイです」


「あー…妹がいつもご迷惑を…」


「ちょっとお姉ちゃん。早く行くよ!」


「え?マジで行くの?」


仕方がないので、先行したオトハ、ルイにづいて門を潜る。


目の前には何度か見た王都の景色が広がっている。幸い、門を潜った瞬間包囲されるなんてことはなかったが、


「制服じゃなかった方が良かったんじゃない?」


「私もそう思います」


「同じく」


「何言ってんの3人とも。正々堂々乗りこんでこそだよ」


いや私たちテロリストじゃん。ほぼ。

制服なんかできたもんだから、一般市民の目が痛い。と言うかそろそろ騎士呼ばれそう。


「もういいや。速攻で終わらせて速攻で帰る」


「カナデさん吹っ切れるの速いですね…」


既に走り出したオトハを追って、一気に城門までたどり着く。

…というかスキルのせいでシオンと私だけ早くたどり着いたのでとりあえず門にいた兵士を倒しておいた。


「おねーちゃんたち速いって」


倒し終えて少ししてからオトハたちが合流する。


「で、この門どうする?」


「私がやる!今近接戦できないから…」


どうやら戟はまだできてないようだった。


おそらく対魔法の結界が張ってあったのだろう。オトハの放った雷撃は一瞬弾かれたような気がしたが、その後は何事もなかったかのように重い門を吹き飛ばした。

爆音が響き、民衆から悲鳴が上がる。


「で、王様ってどこにいるの?」


オトハがつぶやく。


「もしかして無計画なの…?」


「…途中で近衛兵でも締め上げて吐かせましょう」


ルイさんが代替案を出す。門の奥には既に騎士が集結しつつあった。


「じゃあ、できるだけ痛くないように」


「痛くないように?」


「全員一撃で」


そう言った後、再び騎士の群れの中央に雷撃を落とす。


「オトハ。MP残量考えてますか?」


「……うん」


どうやら考えてなかったようなので、ブラックポーションをいくつか投げ渡す。


「このおぞましい色のポーションは……?」


「HP/MP 50%回復するから持ってなさい」


「ありがとうお姉ちゃん!」


正面の玄関を突破し、大階段を駆け上がる。どこからか溢れ出てくる近衛騎士を瞬殺しながらどんどん前に進む。


「結局どこに行けば勝ちなの?」


「勝ちとかそういう問題でしたっけ?」


「私に聞かないでよ、ルイ」


順当に奥に進んでいくと、隊列を組んだ部隊と出会った。


「私は近衛騎士隊隊長ウェルナー・スクルター。この先の王の元には何人たりとも通さん!」


「わざわざ教えてくれるなんて親切ですね」


「いや、たぶん教えてくれたんじゃないし。自分が負けると思ってない人種だと思うよこの人」


さらに何か言おうとしていたようだが、ルイに一瞬で床に沈められる。唖然としている兵士たちを、私とシオンの魔法で吹き飛ばす……扉ごと。


扉の向こうには王様と臣下数十名が居た。何人か扉ごと吹き飛んだけど。


「お姉ちゃんもシオンさんもやり過ぎだから」


「ごめん、つい」


「これでも加減したんですがね」


部屋の中を見渡す。正面の玉座に座っているのが王様だろうか…。


『カナデさん。ルイさんから報告受けたんだけど、王様のとこまでたどり着いた?』


「はい。で、この後どうしたらいいんですか?」


『とりあえず、交渉することは攻撃の停止ぐらいだけど。オトハに主導権与えないでね?交渉はカナデさんにお願いするよ?』


「えー……「貴様ら!何者だ!無礼であるぞ!」……まあとりあえずやってみます」


「スペーラ自治領副代表オトハ・ヒビキだ!」


「ギルド副代表カナデ・ヒビキです。本日は王サマに脅迫(おねがい)に参りました」


「貴様ら!侵略者の分際で…「黙れ、フレデリック・アジェール」…しかし!」


「願いとは?申してみよ」


「自治領への攻撃をやめていただきたく…」


「ほう……それを断ったら?」


後ろに控えているシオンに合図をする。爆系統の魔法・バーストショットで天井のほぼすべてを一撃で消し飛ばすシオン。バーストショット自体難しい魔法でもないのでこの間約10秒。それにしてもシオン……やり過ぎ。


「今の調子で5分以内に王都を落として差し上げますが。いかがなさいますか?」


「……脅迫かね?」


「いえ。交渉です」


『いや、脅迫だよ!やっぱりルイさんに任せればよかった!』




沈黙。




「……わかった。攻撃はもう行わない。」


「ありがとうございます。ではまた後日改めて伺います。その時に協定などしっかり書面で作らせてもらいます」


「………………うむ」


「お姉ちゃん。終わったの?」


「終わったよ。帰ろうか」


ルイを近くまで呼び寄せて転移を行う。

王都襲撃ツアー往路20分復路2秒。


――――――――――――――――――――――

カナデ

LV 46→48

《鷹の目》→《神眼》

《混乱耐性Ⅱ》→《混乱無効》*

《石化耐性Ⅱ》→《石化無効》*

《睡眠耐性Ⅰ》→《睡眠耐性Ⅱ》

称号〈神眼〉…INT、AGI、DEX +1%

〈テロリスト〉…STR、INT +3%

――――――――――――――――――――――

シオン

LV 42→44

《麻痺耐性Ⅰ》→《麻痺耐性Ⅱ》

称号〈テロリスト〉…STR、INT +3%

〈爆破魔〉…爆系統起動時間短縮

――――――――――――――――――――――


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