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女神の箱庭I =カサナルセカイ=  作者: 山吹十波
第8章 フロール王国とセカイの新参者
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代表会議II -08-03-

今年もよろしくお願いします。

「まずは敵戦力の情報だけど」


例のごとく会議室に集められ、ハルトが進行していく。


「今回は282人で魔術師は無し。強さ的にはゴブリンより少し強いぐらいですかね」


「何気に酷いなお前」


エイダイが何か言った気がしたので、そちらを見ると目を逸らされた。


「戦力とはあまり関係ないですが、指揮を執るのに拡声器?みたいなアイテム使ってたんで鹵獲してきました」


これです、と直径五センチほどの珠を取り出し、ハルトに渡す。しばらくいじって使い方を確認する。


『なるほど。魔力を流すと発動するのか』


「ハルト、うるさい」


隣に座っているオトハに睨まれる。


「たぶん魔法を封じ込めてるんだと思うんですけど……キクロさんにあとはお任せします」


「まかせてくれ。きっと良い結果を出してみよう」


ハルトから魔法珠(仮称)を受け取ったキクロさんは、おもちゃを貰った子供の様に目を輝かせていた。


「まあこれだけ思いっきり潰しとけばもう来ないと思うんだけど…」


「もし来たらまたカナデが何とかするって」


シズネが笑いながらこっちを見る。


「姉さんのやるべき仕事だったと思うんだけど」


「気のせいじゃない?まあ次はエンマと二人で何とかするって」


「任せろ」


この言葉をしっかりと覚えておこう。次、呼ばれても絶対に行かない。


「武器とか防具とかはどんな感じ?」


ヨウジが珍しく発言する。


「さすがは騎士団と言うべきか、剣も鎧もミスリル製でしたね。ただ、職人が大したことないのか、それともヨウジさんの腕が良すぎるのか同じミスリル製の刀で普通に斬れました」


腰に差した黒啓刀を撫でながら言う。ヨウジさんは満足気にうなずいている。


「カナデ。その黒い方の刀ってヨウジの作なのか」


「そうだけど」


「…昔は大剣も打ってくれたのに。頼むからもう一回大剣作ってくれよ」


エイダイに懇願されるヨウジ。


「嫌だよ。大剣メジャーになり過ぎたじゃん。……エンマ君も睨んでも打たないからね?大体エイダイには断罪剣があるじゃないか」


「カナデだって白奏刀があるだろう」


「だって刀打ちたかったし。それにカナデさんは2振り使うみたいだし」


一同久しぶりの何言ってんのコイツ?の顔をする。


「スキル《二刀流》っていうの持ってるんだ、実は」


「なんでお姉ちゃんばっかりそんな主役級のスキル持ってるの!?」


オトハが頬を膨らませながら講義する


「そんなこと言われても…」


「もしかしてクリスタルでもっといろんな奴持ってる?」


姉が目を輝かせている。


「えっと…生産の武具・防具・装飾、あと水泳と…戟使い」


「戟!!」


オブジェクト化して机の上にクリスタルを並べていく私。テンションがいっきに上ったのはヨウジさん。珍しい武器に目が無いようで。


「それは習得しないの?」


「もう少し余裕ができたら…」


「そうかその時は是非作らせてくれ」


勝手に自己完結してしまった。


「あれ…カナデ、クリスタルってオブジェクト化できたっけ?」


「……できてるけど」


もしかして、とつぶやくと私が並べたクリスタルのひとつを手に取る。


「他人に譲渡できるんじゃない?」


マジか!と盛り上がる一同。


「お姉ちゃん!私戟使いたいんだけど…クリスタル頂戴!」


「ええー…いいけど、タダで?」


「んー…じゃあ私が持ってる《睡眠耐性Ⅰ》と交換で」


「いいでしょう」


「え!?いいの!?」


睡眠耐性は唯一持ってない耐性スキルなのでかなり欲しい。というかたぶんスキルを進化させるのにいるし。

オトハから透明のクリスタルを受け取り、机の上から青いクリスタルを取ってオトハに渡す。早速使用するようだ。


「え!?使えたけど、槍スキル消えたんだけど!?」


「槍スキルからの派生だったんじゃね?」


焦るオトハにエイダイが冷静にツッコむ。


「えええ…しばらく武器なしかぁ…」


「大丈夫。僕が明日の朝までに創るから」


凹むオトハと宥める?ヨウジさん。


「そうだ!忘れてた。今回の戦闘で鹵獲した剣と鎧全部インゴットに加工したので…ヨウジさん買取お願いします」


「いくつあるの?1つ50KGで買い取るけど」


「軽く400個ほど」


「……ずいぶん多いね。ごめんレイさん。お金貸して」


「ごめんなさい持ち合わせがないです」


「はぁ……分割払いでいい?」


「男なら一括でしょ!」


いつの間にか部屋に侵入してきたシェリーさんに驚く一同。


「シェリー!?いつの間に!?」


「お金の気配がしたから。カナデ。そのミスリル1つ60KGで私が全部買い取るわ」


「ほんと?じゃあよろしく」


12人で分けても一人2GG…大きすぎる利益だ。


「商談成立!私はこれを1つ100KGで組合に卸すから」


口元を引き攣らせているヨウジさん。


「相変わらずえぐい儲け方してるねシェリー…」


「オトハ。新しい武器創ってもらうんでしょ?3つで250KGに負けてあげようか?友情割引」


「…お姉ちゃんから直接買えばよかった。まさか守銭奴を通されるとは…」


「カナデ。また仕入れたら私の所によろしく」


「りょーかい」


この会議のあと、ミスリル製の武具の流通量は増えたが、値段は以前の1.5倍ほどに上がっていたという。


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