表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女神の箱庭I =カサナルセカイ=  作者: 山吹十波
第7章 自治領とその役割
57/307

隊長不在の7番隊 -07-03-

「副隊長に質問があるんですが」


カナデが出て行った後の部屋で、シオンへの質問を浴びせたのはアスカと名乗った隊員だった。


「私にこたえられる範囲なら答えますが…」


「隊長はいったい何者ですか?」


「は?」


一瞬どういう意味か分からず首をかしげるシオン。さらに、カイトと名乗った隊員が続ける。


「オレたちは結構前線で活躍してましたが、あの人のうわさなんて聞いたことないんですが。隊長に選ばれるほど強いんだったら、耳にしないわけないんですが」


ああ、そういうことか。と、理解する。


「まあそれはあたりまえでしょう。カナデさんは第二陣ですから、貴方たちとは時期が違いますし…掲示板なんかでもかなりトップの間でしか話題になってなかったようですし」


「第二陣!?そんな奴が隊長で大丈夫なんですか!?」


タツヤが口を開く。シオンは若干イラッとしながら答える。


「ゴーレム単独撃破できる人ですから…そもそもレベルは私と同じですし」


「「「「「「「「「「は?」」」」」」」」」」」


全員の声が重なった。美しいですね。


「ゴーレムってあのゴーレムですか!?」


ツバサが食いつく。さっきからコイツら他の女の子が若干引いてるのに気づかないんでしょうか…。


「他にどのゴーレムがあると?」


ツバサがまさに絶句という顔で固まる。


「えっと質問いいですか?」


言葉を投げかけたのはリゼット。


「どうやってたった5日(短期間)でそこまで行けるんでしょう」


「詳しくはわかりませんが、一緒に戦った感じからするにソロでモンスターの群れを壊滅させてたかんじですね」


今度は全員固まった。


「えっと…私もそれぐらいできますよ?」


さらに固まった。


彼ら曰く、ただでさえパーティーとして戦う専用に5体以上の同時に出て来ることが多いこのゲームでそんなことができるのか、とのことで。


「範囲魔法撃ったら一発じゃないですか」


「いやいや、その前に攻撃されるでしょ!」


シオンに食いつくマナミ。


「隠密を使えばいいじゃないですか。それとも攻撃を避け続けるとか」


無理だよ!と抗議の声。


「それに、ただの広範囲魔法では一撃は難しいかと…」


イーリスの疑問にシオンが答える。


「合成魔法って勝手に呼んでる…というかカナデさんがうちの姉と私とで開発したんですが…それを使えば一撃で十分です。たぶん使い方は明日説明されると思いますが」


「副隊長のお姉さんってウンディーネのゼオンさんですよね?」


「ええ、そうですが」


その話は特に話すこともないのでいいでしょう、と話を切り、カナデさんの話に戻す。


「そもそもギルドの代表に選ばれるような人が弱いわけがないじゃないですか」


「え…そうでしたっけ?」


驚くカイトにロード画面見てねーのかよとツッコむタツヤ。


「それに何にも選ばれなくても、あの人のお姉さんも、妹さんも有名人ですから、あの容姿も合わせてすぐに名は売れていたでしょうし」


姉?妹?と疑問が上がる。


「お姉さんはシズネさんで、妹はオトハさんです」


3姉妹揃って幹部入り…と誰かが言った気がした。


「まあ、あとのことは明日本人に聞いてください」


あ、それと、と続ける。


「明日の親睦会はちゃんと本気装備…というかたぶん悔しいことにこの制服が一番強いでしょうが…できてください。ちゃんとポーションとか補給しといてくださいね?手抜いたら死にますよ?」


笑顔での死にますよ?宣言に固まる一同。では明日10時にと去るシオン。


シオンだ去った後の部屋では残された部下たちが、言葉の真意を測りかねていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ