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女神の箱庭I =カサナルセカイ=  作者: 山吹十波
第7章 自治領とその役割
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忙しい一日【自警団編】 -07-02-

ストーリーの流れ的にも途中で切りたくないので

書きあがり次第続きを投稿していきます。

朝。何故か集合は7時。例の如く現在地はギルドの会議室。

今日は各組織の顔合わせがあるようで、すべての組織でよくわからない役職を持っている私にとっては、かなりのハードスケジュールだ。

そして何よりも、さっきから満面の笑みでこちらを見ているレイさんが怖い。


「さて、まずは自警団の顔合わせだね。とりあえず本部に移動しようか」


「まあ、その前に着替えてもらいますけどね」


やっぱり来たか。かなりご機嫌なレイさんが、エンマさん、姉さん、エイダイ、オトハ、ハルト、そして私を集める。

同じ組合のヨウジさんは苦笑いでこちらを見ている。


「まあ、モデルもかねて着ていってほしいな」


もちろん拒否権はないので、おとなしく手渡された服をメニューで登録し、一括で装備する。

まず青色のシャツを着、その上に黒をベースに青の刺繍が入った裾の長い上着を着る。上着の上半身は釦で止まるが、膝より長い裾はロングコートのようにも見える。襟には銀色のバッジが光っている。どうやら階級章か何かのようで、エンマさんと姉さんの物は金色だった。そして下はスカート。男子用は普通にズボンなのにわざわざ分ける意味があるのか…。


「女子のスカート長くて動きにくいかなと思って…横にスリット入れといたから!」


「「「なっ!」」」


確認してみると、もはやスカートと言い難いぐらいサイドが切れていた。というかスカートと言うよりチャイナドレスのそれっぽい。


「ここまでするならスラックスでいいんじゃ…というか恥ずかしいし…」


「せっかくだから少し露出しないと面白くないし…男性陣には好評だけど?」


動きやすさとかではなく、レイさんの趣味だった。


「さあ行こうか」


「ホントにこの格好でいくの?」


「お姉ちゃんたちはまだいいよ…私は胸無いからあんまり格好つかないなぁ…」


「大丈夫大丈夫。似合ってるから」


なんか落ち込んでいる、オトハを姉さんが励ましながら連れ出す。あんなに堂々と歩けるわけもない、私はエイダイの陰に隠れて移動する。


「カナデ…何やってんの?」


エイダイに不審がられた。


「隠れてるの!あんまり注目浴びたくないから」


「いやそっちの方が目を引くと思う…」


確かに視線を集めているような気がするが、それは、私じゃないと信じたい。


「え…カナデさん…また新しい制服ですか」


シオンに発見された。


「やっぱり断れなかった…」


「なんというか…前から見たら、すごい脚出してますね…」


「…いいこと教えてあげよう。シオンも着るんだよ、今から」


「…え?」


「レイさんたち組合・防具Ⅱ種部門が2日徹夜で全員分用意したらしいから」


「…私そんなに露出できるほど脚キレイじゃないデスヨ?」


「そろそろ集合時間だから行くよー副隊長さん」


「えっ、ちょっと待って…」


抵抗するシオンを引きずって自警団の本部に入る。

いまだに抵抗を続けるシオンを笑顔の何かつやつやしてるレイさんに引き渡す。これでどんなに抵抗しても着せられるだろう。


「さて、全体の顔合わせをとりあえず始めたいと思う。各隊隊長は次の通りだよ」


どうやっているのかわからないが、およそ100人ほどが入った会議室の壁に大きな表示枠が現れる。


精鋭部隊

団長/1番隊隊長エンマ

副団長/1番隊副隊長シズネ

2番隊隊長エイダイ

2番隊副隊長カケル

3番隊隊長オトハ

3番隊副隊長ルイ

実動部隊

4番隊隊長ヨウ

4番隊副隊長タロウ

5番隊隊長アンリ

5番隊副隊長シルヴィア

港、海運

6番隊隊長ハルト

6番隊副隊長ゼオン

対魔術師部隊

7番隊隊長カナデ

7番隊副隊長シオン

救護部隊

8番隊隊長リリ

8番隊副隊長クララ


「各隊の隊長・副隊長は前に来てくれ」


なんだって…恥ずかしいから後ろの方で見てたのに、前まで歩いたら意味もなく目立つじゃん…。ただ、すでに前に出ているシオンが顔を赤くしてにらんでいるので、逃げることはできなさそうだ。

後ろから見られるのは、裾の長い上着のおかげで特に問題ないが、振り返って前から見るのはやめてほしい…。

とりあえず、前までたどり着くと、ハルトがしゃべり始めた。


「僕と何人かの隊長には着て貰ってるんだけど、これが正式な制服になる。組合の協力で全員分用意してある。性能はいいからちゃんと使ってね?この後全員に配布するから、それを着て各隊の部屋に集合してくれ…じゃあ、ここからは団長のエンマに任せるよ」


そういうと、6番隊隊長・ハルトは前の列に加わった。エンマさんが軽く、テンプレまがいのことを言った後、各部隊での顔合わせとなる。


自警団はかなり少数精鋭で隊長・副隊長と10人のメンバーで一部隊が作られている。

ホールを出る前に、エンマから隊の名簿(データでくれるのかと思ったら紙媒体だった)を受け取り、一階にある7番隊と刻まれたドアを開ける。

中には既にシオンが待機していて、なぜか私の椅子に座っていた。


「シオン…なにやってんの?」


「あ、遅かったですねカナデさん」


椅子から降りて、自分の席に戻る。


「その制服似合ってるじゃん」


「…これ本当にずっと着てないとだめですか?」


「まあ上?からの命令だから…それに私はもう慣れたし、というか諦めたし」


ドアのノックされる音…誰か来たのか。


「はい、どうぞ」


返事をすると「失礼します」と、ぞろぞろと10人の部下が入ってきた。名前覚えられるだろうか。ゲームの時みたいに頭の上に名前浮いてたらよかったのに。

私の部隊は男子3人、女子9人と言うとてつもなくアンバランスな比率になった。というか、そもそも女子の方が少ないのでここ以外の隊は比率が逆になっているだろう。


「これで全員だよね?じゃあ始めるけど…まず私は隊長のカナデ、得物は刀、系統は全て。で、横の副隊長はシオン。得物は大鎌で系統は全て…ここまでで何か質問は?この部隊についての質問でもいいよ?」


はい、と一人の男が手を上げ、立ち上がる。私よりも少し年上ぐらいの男性だ。名前は…


「ツバサです。得物は剣、系統は火風地爆雷です。質問ですが、対魔術師部隊とは具体的に何をするんですか?」


「簡単に説明すると、どこかしらの国から襲撃を受けて、敵として魔術師が侵入してきたとき対抗するための部隊だね」


「そんなことは頻繁に起こらないと思いますので、基本的に私たちの仕事はありません。しいて言うなら書類整理などの雑務、他の隊の応援などがあるかもしれません」


わかりました。ありがとうございます、と礼を述べ、座るツバサ。戦うことが少ないのが、不満なのかな?次に手を挙げたのは女の子。


「モエと言います。得物はショートソードで系統は火水氷光闇です。よければ隊長の種族なんかを教えて貰ませんか。副隊長はグリゴリですよね?話題になってましたし」


「他の隊には言わないでね?目立つの苦手だから。私はワルキューレっていう種族。って言ってもそれだけだけどね。ほかに質問ないならとりあえず自己紹介してない8人、短くでいいからお願い」


残り二人の男子はカイトとタツヤ、アスカ・ミサキ・ナナミ・マナミ・イーリス・リゼットの6人の女子。イーリスはイギリス、リゼットはフランス出身らしい。


「みんなそれぞれレベル高めだから、基本訓練とかいらないと思うけど…」


「と言うか基本訓練って何するんですか?」


「走り込みとか?体力ない人は各自でつけといてね?有事の時きついよ?」


はーい、と女子メンバーが声が上がる。


「で、この後だけど、本当なら親睦会をかねて狩り…みたいな感じなんだけど、私組合の顔合わせ行かなきゃいけないんだ…だから親睦会は明日で」


了解。と声が上がる。文句言われたらどうしようかと思ってた。


「カナデさん。そろそろ時間が…」


「ホントだ…ごめん先行くね」


隊員たちは忙しい隊長の後姿を見送った。


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