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女神の箱庭I =カサナルセカイ=  作者: 山吹十波
第6章 繋がるセカイと囚われの冒険者
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ギルド始動 -06-05-

翌日。昨日と同じメンバーが会議室に呼ばれる。時刻は朝7時。なぜこんな早くから…。

ハルトの横に座るオトハは欠伸をかみ殺している。レイさんは欠席で、魔研の二人もかなり眠そうだ。


「今日の段階で30万人ぐらいが集まったかな?僕みたいにログインと同時にこの街に飛ばされた人はいなかったし、歩いてきたにしてはすごい集合率だ」


「逆にまだ着いてない人たちはなんなの?」


オトハが手を上げて発言する。


「派手に動きすぎたから順路を通れないんじゃないかな?道を通らずに山越えと化してると思うけど…まあ、もう一つ話しておくべきことがあるとしたらそのことなんだけど」


ハルトがさらに続ける。


「たぶん近いうちにフロール王国から軍なりなんなりが派遣されてくると思う。まあ勝手に街建てて自治領名乗ったら怒るよね普通。まあそれと戦わないといけないわけで。

フロール王国の封鎖が解けないと残りの20万人ほどもうかつに出てこれないし」


50万なんて大きな数の人が一斉に動いたのだから、国中で問題なるのは必然だ。


「そのためにも自警団には早急に動いてもらわないと。とくに第7番隊には。あと魔研の第6研究室だっけ?結界作れそう?」


ハルトの声にキクロが答える。


「すでに魔法陣を書き始めています。これが終わりましたら私も作業に加わります」


「うん。頼むね。じゃあこれで解散するけど、エイダイとカナデさんはギルドの立ち上げよろしく。なんかほかの従業員たちはいつでも働ける状態らしいし」


「どうやって集合かけんの?」


エイダイが問う。


「代表権限で全員に念話(コール)かけたらいいよ」


「なるほど」


「じゃあ解散。明後日に一回各組織の顔合わせするからよろしく」


代表陣は各組織の準備に向かうべくギルドを去って行った。横ではエイダイが集合を呼び掛けている。カナデはさきに1階のロビーに向かうとそこに人影を見つけた。


「あなたが副代表ね。オトハちゃんから聞いてるよ。アイツのお姉さんなんだって?」


「そうだけど…あなたは?」


「私はシェリー。組合の金融部門部長。今日からギルド動かすって聞いたから銀行しに来たの」


「そうなんだ。よろしくシェリー。でも一人で大丈夫?」


異世界人(身内)は銀行必要ないからこっちの人専用だけどね。だから一人でも大丈夫」


「まあ、一応挨拶もしたし、カウンターの奥で準備してるから。代表が来たらよろしく言っといてね」


奥に引っ込んだシェリーと入れ替わるようにエイダイが2階から降りてきた。


「今誰かいなかった?」


「金融担当の人。奥で準備してくるって」


「へー。じゃあオレたちは仕事すっか。ハルトにコレ張り出せって」


渡された紙の束は…依頼書?


「そこのクエストボードに張るの?」


「そうそう。まあ全部この辺のモンスター掃除だけどな」


「そういえばエイダイ。あのゆるい感じの喋り方やめたの?」


「あー…あれは、なんていうの?気の迷い?」


「そうなの?」


黙々とクエストボードに依頼書を張り付けていく。モンスター討伐だけでなく、屋台の店主たちからの食材調達の依頼や組合からの素材調達の依頼も出ている。


「討伐系ほとんどギルドから報酬出るみたいだけど…そんな余裕あるの?」


「なんか結構あるみたいだぜ?食料なんかもほぼ無限にあるみたいだし、一応カミサマも飢えないようにしてくれたんじゃないの?」


そんな会話をしていると、ドアが開きぞろぞろと従業員が入ってきた。


「これで全員か?」


「はい、そうです。私たちは一応経験者なので一通りのことはできますので安心して任せてください」


エイダイの問に答えたのはアイリスさん。


「じゃあ今日からギルドを開くことになるので、急いで準備頼む。処理できない問題があったらすぐオレかカナデを呼んでくれ」


「わかりました」


「じゃあ一度部屋に戻るわ。なんかいろいろ書類見とけって言われたし」


そのままエイダイを見送ろうとしたら、お前はこっちだと引っ張られた。

2階の執務室の無駄にふかふかの椅子に座って、ギルド規定に関する書類を読みながら話しかける。


「どうして急に呼び捨てになったの?」


「いや、もうこっちが現実になったいみたいだからロールプレイする必要もないかなと思って」


「若干喋り方がウザい「エイダン」をロールプレイしててもいいんだよ?」


エイダイは苦笑いをする。

時計はなんやかんやで9時過ぎを指していた。


「ギルドの営業時間は10時~18時?短くない?」


「まあ1日でできるような依頼も少ないしいいだろ。オレたちは何にもできないから彼女たちに任せるしかないし。まあ自警団の方が本格化したらあまり代表として動けないかもしれないけど」


「攻略もしないとダメだしね…神殿の情報求!て張りだしとく?」


「やってみるか?…?…誰だ?」


ノックが鳴り、扉が開く。


「失礼します。レイです」


「ああ、おはようございます。どうかしましたか?」


「いえ、御二人の制服ができたので届けに来ました」


「「え゛!?」」


予想外の事に驚く。というか、予想したくなかった。これ作ってたからっ先の会議いなかったのか…。

断る間もなく、手渡される。


「メニューで登録しとけばすぐ着替えられますよ。脱ぐ必要もありません」


どうやらすぐ着ろと言っているらしい。性能を見る限りでは素晴らしい物なんだけど…。


エイダイの服は赤の上着に黒のスラックス、白に金のライン入りのマントだった。それなりに似合ってはいるが、本人は複雑なのようだ。

私のは基本的にエイダイと同じ配色で、マントではなく長衣のローブになっていた。あまり露出がないのでありがたい。髪はレイさんがいつの間にか回り込んで勝手に結い上げた。


「ふたりともよく似合ってますよ」


「そうか?」「そう?」


「ほかの制服も楽しみにしててくださいね。特にカナデさんは全部の制服着るんですから」


レイさんの目が光った気がした。あーやっぱり全部着ないとだめなのか私…。


「すいません失礼します…おや、着替えられたんですか?素敵ですよ」


アイリスさんが部屋を訪れた。


「準備全て終わりました」


「よし、じゃあ開こう」


『スペーラ冒険者ギルドから、この町に住むすべての人へ


これより、ギルドの運営を開始する。


あまり依頼の数は多くないが、是非利用してくれ』


人で込み合い始めたロビーを階段の上から

眺めていると、何をしに来たのかシオンの姿を見かけた。


「シオン。なにやってるの?」


思わず声を出してしまってから後悔したが、すごい勢いで注目を集めた。


「カナデさん着替えたんですか。似合ってますよ?かっこいいです」


軽く凹んでいたところ、シオンが2階まで上がってきて慰める。


結局この日エイダイは執務室から出てこなかった。


12/31 訂正

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