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女神の箱庭I =カサナルセカイ=  作者: 山吹十波
第5章 墜天使と不死の森
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死霊の森 -05-05-

三度目になる霧の中をひたすら東に向かって歩いていく。


「これしか方法ないんだよねー明確な道もわからないし」


「あそこにたどり着いたのは偶然でしたから」


霧の奥に見えるのはただひたすらに暗い森。


「最初の一匹見つけるまではモンスターの片鱗もないんだけどなぁ」


「一匹倒したら30匹ぐらいになりますもんね」


「それゴキブリだから」


そんな話をしながら進むと、スケルトンがゆっくりとこちらにやってくるのが見えた。

無駄にリアルに作られているそれは、はっきり言って気持ち悪い。

迷わず光弾を打ち込む二人。合計4発で完全に消滅する。


「地味に耐久力あるからなぁコイツら」


「《二重起動》とかあんまり意味ないですし…」


「私、ゼオンさんと《二重起動》の研究したんだけどちょっと見てて」


30匹どころでなく、すごい勢いで集まりだした死霊共に向かい、魔法を準備する。


「《二重起動》紅蓮の彗星!黄金の十字架!「黄泉送りの炎クリメイション・フレイム」!」


あたり一面を聖なる炎が焼き尽くし、死霊共を黄泉へと送る。


「なるほど両手の魔法陣を重ねるんですか…」


「私は合成魔法って呼んでるけど」


「それって二人じゃできないんですか?わざわざ《二重起動》使わなくても」


「…考えたこともなかった」


「やってみましょう。ちょうど軽く100体ほど集まってきたことですし」


「そうね。…こいつらどこから湧いてくるんだろう…」


「とりあえず実験なので中級で」


「わかった」


シオンがセイクリッドレイン、私はトルネードを展開し、宙に描かれた魔法陣を操作し、一つに合わせる。


光を纏った竜巻は不死の群れを進み、次々と巻き込み浄化していく。7割ほどのモンスターが消えた。


「できましたね。ベルさんMP大丈夫ですか?」


「まだ半分はあるから大丈夫だと思う。いざとなったらポーションで回復するし」


「今の大量殺戮で私はMPが全快しましたけどね」


「MP吸収いいなぁやっぱり。ん?レベル上がった」


「おめでとうございます。私《二重起動》でやってみるんでスキル振ってていいですよ」


「じゃあお願い。光混ぜたらほぼ一撃だよ」


シオンはさっき私がやった黄泉送りの炎を成功させ、嬉しそうにしていた。


「そろそろレベル上がりそうです。ほとんど魔法しか撃ってないですけど」


「私もそろそろ上がりそう」


「はやくないですか?」


「70体も一気に倒せばそれなりの経験値になるからね?あといろいろな称号のせいでパーティー組んでもあんまり減ってない」


「羨ましいです。私は結構減ってしまうので」


「まあ数こなせばいいんだよ。もう一回ふたりでやる奴やってみよう」


「わかりました。今度はもっと大規模な奴を」


近づいてくるアンデッドたちとの間に光の障壁を作り出して光系統最大の威力を誇る魔法を展開するシオン。私も負けじと火系統の最強魔法を展開する。


熾天使の息吹(セラフィム・ブレス)!」「断罪の宝剣ジャッジメント・ソード!」


合わせた魔法陣によって起動した魔法からは、なぜか光の戦士(ウル●ラマンではない)の大群が召喚され、次々とアンデットたちを仕留めていった。というか1分もたたないうちに全滅させてまた魔法陣から戻って行った。


「えっと…。なんか出ましたね」


「なんだったんだろうねアレ」


「名づけるとしたらどういう魔法ですかね」


天界の師団ヘブンズ・ディヴィジュンとかでいいかな」


「次来ましたけど、もう一回師団呼んでみますか?」


「それよりレベル上がったでしょ。スキル割り振ってていいよ」


「ベルさんも上がってますよね?」


「ちょっとやってみたいことがあるだけだから」


紫色の毒々しいポーションを飲みながら答えるベル。


「じゃあお任せします」


「おっけー《三重起動》セイクリッドレイン!スピアレイン!トルネード!…」

聖なる大嵐セイクリッド・テンペスト!!」


初めてやってみた三重起動。さっきの割り振りの時に会得したものだ。回復したMPのほぼすべてを使って発動させた大規模魔法。私の周りすべての空に展開された魔法陣。強風に乗せてばらまかれる光の矢と水の矢。

荒れ狂う風に乗せて無差別に矢を吹き付け、次々と消滅させていく。

そう、無差別に。


自分の方に飛んでくる矢もあるので必死に光のバリアを張っている。被弾してもさほどダメージはないが地味に痛い。


「これいつ解けるんですか?」


「さあ?」


「すごい勢いで経験値が加算されていくんですけど…あ、解けた」


「私MP尽きたけどね」


「大分数も減りましたし、近接戦でも試してみますか?」


「ごめん。そろそろおちないとだめかも」


「そういえばもうこんな時間ですね。私もう一つぐらいレベル上げていくんで気にしないでください」


「いやいやそれぐらいなら手伝うよ」


そういいながら普通にセイクリッドレインを撃つ。10体ほど成仏する。


「じゃあこの一撃で終わらせますね」

天界の師団ヘブンズ・ディヴィジュン!!」


「それ気に入ったの?」


「割と。一人でやるには消費が大きすぎますけどね」


「じゃあ帰りますか」


「はい」


――――――――――――――――――――――――――

ベル

種族ワルキューレ**

LV38

HP451 (361)

MP517 (354)

STR255 (140)

CON203 (115)

INT180 (140)

AGI201 (133)

DEX157 (130)

スキルポイント6

所持金52314 G

――――――――――――――――――――――――――

シオン

種族グリゴリ*

LV39

HP400 (333)

MP645 (435)

STR165 (93)

CON97 (53)

INT224 (174)

AGI109 (104)

DEX91 (84)

スキルポイント0

所持金35841 G

――――――――――――――――――――――――――


グリゴリよりもワルキューレの方が上位種族なので全体的にステータスはベルの方が高くなります。


12/20 修正

12/31 訂正

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