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女神の箱庭I =カサナルセカイ=  作者: 山吹十波
第4章 森と王都と蟻の騎士団
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街道の掃除屋 -04-08-

予想していたよりもはるかに大きい。都の中央には大きな城が建ち、それを中心として8本の大通りが敷かれている。それに沿ってにぎわう店舗やところどころに出ている出店。

プレイヤーらしき姿も結構見かけられるが、まだまだプリマにいた人数の半分もいないように思える。さすがは王都というべきか、NPCにも露天商や屋台の売り子、行商人や冒険者らしきNPC、騎士や魔法使い(白い高そうなローブを着ているのでおそらく宮廷魔術師)さらには学生(制服らしき服を着た集団)までもが行きかっている。


「…すごいね」


「本当に住めそうでしょ?」


「ここの人たちはNPCがどーだって言ってもは?って顔するねー、たぶん」


「じゃあ解散ということでいい?」


「おねーちゃん私が服を買ってあげよう!というか買わせてください!」


「姉に貢ごうとするな。オレもついていこう」


「は?エイダン?何って言った?吹き飛ばすよ?」


「私も行きたいなー」


「えーと…今回は遠慮しておく」


「「「えー!?」」」


「ベル。私と一緒に騎士団の詰所までクエスト見に行こう」


「…報告ってそこでできる?」


「たぶん」


「じゃあ行く」


姉さんとゼオンさんに続いて詰所なる場所を目指す。


「なんでここだけ役所じゃないの?」


「なんか全部の町に騎士配置する予定だったけど間に合わなかったらしい。そのうちアップデートとかされるんじゃない?」


「へー」


建物の中に入ると騎士服?を着た人たちがうろうろしていた。管轄が違うからクエストの達成報告も無理かと思っていたけど、無事に報酬も受け取れた。追加で街道の討伐クエストを3つほど受け、先に用を済ませていた姉たちと合流する。


「あんたその装備じゃダメージくらった時きついと思うけど…」


「私もそう思う」


「基本的に避けれるから大丈夫かなぁ、と」


「…そこのNPCショップで適当に買ってきなさい。奢ってあげるから」


「ほんと?やったー」


容赦なく一番高かった魔導師のローブと魔導師のスカートを購入。何万Gかしたみたいだけど気にしない。


「…遠慮とかしても罰は当たらないのよ?」


全く気にしない。


「じゃあ私はいつも通りステージの端っこでレベル上げしてくる」


「あ、ちょっと待って。あんた転移石買ってないでしょ?買って行った方がいいよ便利だし」


「じゃあ買ってく」


ちょうど近くにあったNPCの雑貨屋?で転移石を3つ購入…3000G。高っ!?

こんなものを常時使っていたら財布が空になる。


入ってきた門で姉たちと別れ(プリマから別の街道を進むらしい)、順路を外れて茂みの奥へ入る。あんまり奥に行かなくてもそもそも人は少ないのだけど…。


謀ったかのようにわらわらとあらわれたゴブリンナイト(剣を使ってくる)とゴブリンロード(魔法を使ってくる)に囲まれた。こいつら作戦を立てるだけの頭があるのか…。


魔法を使えばおそらく一掃できるが、その前にタコ殴りにされそうなので、珍しく近接戦へ。

正面のゴブリンナイトの剣を刀で払い、詠唱を始めたゴブリンロードの方へ蹴り飛ばす。続けて襲い掛かってくるゴブリンを[旋風]で吹き飛ばす。やっと落ち着いて攻撃にまれると思ったところに打ち込まれる魔法。寸前で回避するが次々と襲い掛かる。


このまま逃げ続けてもきりがないので[崩し払い]で片っ端からスタン状態にしていく。とりあえず大半の敵を抑えたのち、魔法を打ち込む。

風系統上級魔法・鎌鼬。意味もなく《二重起動》で合わせていたが、単体でも十分強い。それは、周りにあるモンスターの命はおろか、草や木のオブジェクトを全て斬り飛ばすぐらいに。


予想外の大量破壊をやらかしたので、人目のつかないところまで移動せざる負えなくなった。

40ぐらいはいたはずのゴブリン達の一部を狩り損ねてしまったが、こんなトッププレイヤーしかいないようなところで派手な動きをすると余計なスカウトくらいそうなので、離れ、次の敵を探す。


幸いビッグアントが15匹集まっている(このモンスターは基本的に10体以上でしか行動しないらしい)場所を見つけたので、軽く焼き払い、探索を続けていると懐かしい姿を見かけた。


赤ウサギことラピッドラビット…5匹。


《神速》や各種称号をフル活用することで逃げ惑うウサギたちを一匹ずつ確実に(遠くに逃げた個体も《鷹の目》で探し出した)倒して行った。ウサギ自体、一撃で倒せるほど弱いので、早さで勝ってしまえばこちらの物。経験値もかなりおいしいのでコイツ中心に探して行こうかな、と考えている。

既に一つ持っている疾風のブーツをドロップしたので《錬金術》の実験台にすることにした。

街道から外れた草の上でごそごそと何かをしてる魔導師…というか錬金術師。この上なく怪しい。


今装備している疾風のブーツを一度脱ぎ今入手したものと合わせて《錬金術》で合成してみる。今、MPが50ぐらい減った気がする…。


――――――――――――――――――――――――――

合成成功!

疾風のブーツ→ヘラ・マトゥラーテブーツ

――――――――――――――――――――――――――


名前長っ。そして発音しづらい。ただ強いのはわかった。


――――――――――――――――――――――――――

称号獲得

〈ヘラの加護〉

風の女神ヘラの加護。

AGI +10%

――――――――――――――――――――――――――


たぶん女神の名前入りの装備を入手したから得たんだろうけど、そんな簡単でいいのか…。

早速装備したところINT<AGIという異常事態が起きた。装備するだけでAGIが20も上がる…現実的に考えると怖いわ。


「うおおおおおおお!ちょっとそこの娘!避けろおおおお」


奇声を発しながらこちらに走ってくる男。

なんかさっきも見た気がするぞ…。今と同じように大量のモンスターをトレインして。


もちろん諸々あったせいで走れば余裕で逃げられるのだが、あえて向かえ撃つ。


「《二重起動》紅蓮の彗星!イクスプロージョン!「女神の愛(ヘスティア・ラヴァー)」!!」


着弾するだけで十分周囲を焼き尽くす効果のある紅蓮の彗星に爆散効果を付与することでより凶悪な魔法となるのだ!

打ち出された炎の塊はこちらに走ってくる男にまっすぐ進み、


「ええ!?またこのパターン!?ちょっ…まっ…ぎゃああああああああ」


着弾し、後ろのモンスターともども焼き払った。


なんであの人は追われていたのか…(後で姉に聞いたところ、称号〈女の敵〉によってあらゆるモンスター(♀)に追われるらしい)。まあやってしまったものは仕方ないし、何やらすごい経験値も入ったので転移石で王都に戻り、クエストの報酬をもらうことにした。

――――――――――――――――――――――――――

称号獲得

〈孤高の戦士〉

モンスターだろうとプレイヤーだろうと敵とみなせば容赦なく葬るあなたに

EXP取得量上昇 10%up

――――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――――――――

ベル

種族ワルキューレ**

LV29

HP409 (327)

MP381 (302)

STR215 (107)

CON168 (84)

INT130 (109)

AGI156 (101)

DEX117 (97)

スキルポイント8

所持金63892 G

――――――――――――――――――――――――――

《剣士》LV 50

《剣客》LV 210

《武闘術》LV 60

《魔法術》LV 105

《魔法:系統・爆》LV 50

《魔法:系統・氷》LV 50

《魔法:系統・雷》LV 50

《魔法:系統・樹》LV 30

《魔法:系統・無》LV 50

《魔法:系統・癒 》LV 10

《自動MP回復 》LV 20

《消費魔力削減Ⅰ》LV 30

《二重起動》LV 60

《広域化Ⅰ》LV 60

《神速》LV 20

《鷹の目》LV 30

《隠密》LV 40

《舞》LV 30

《錬金術》LV 40

《気絶耐性Ⅰ》LV 40

《毒耐性Ⅰ》LV 30

《麻痺耐性Ⅰ》LV 40

《調理 》LV 1


クリスタル(未取得状態)

《生産:武器 》LV 1

《生産:防具 》LV 1

《生産:装飾 》LV 1

――――――――――――――――――――――――――



参考までに

紅蓮の彗星(消費45)+イクスプロージョン(消費35)+《二重起動》(消費10)-《消費魔力削減Ⅰ》(10%)で消費MPは81です。

そりゃMP切れにすぐなるわ…

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