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女神の箱庭I =カサナルセカイ=  作者: 山吹十波
第4章 森と王都と蟻の騎士団
34/307

ビリード街道事件 -04-04-

プリマの転移門からビリードへと移る。さっき来た時よりも人が増えている気がする。というかこっちに集まってくる気がする。


「ウルさん!森の攻略は終わったんですか!?」

「アンさーん!」

「そこの黒髪の子誰!?」

「あれもしかして掲示板で盛り上がってる子!?」

「ベルちゃん結婚してー!」

「もう誰でもいいから結婚してー!」


「姉さんたちのファン?」


「半分ぐらいあんたのよ」


「うそっ!?」


「ヨウ!お前、ベルちゃんに近づいたら消す!」


「ヨウって誰?」


「あー…あんたは気にしなくていいから」


「アン、落ち着いて。もう、行くよ?というかゼオンちゃん行っちゃったし」


「ええ!?」


周りの事を全く気にせず先に行ってしまうゼオンを追いかけて、東門から【ビリード街道】へ出る。ここのモンスターはホブゴブリンとゴブリンナイトとゴブリンロード、スライムにビッグアントと盛りだくさん。


「とりあえずリリー、モンスター集めて」


「そんなことできるの?」


「なんかモンスターを呼ぶアイテム拾ったらしくて。さっき森で使った時は群れ集めまくってえらいことになったけど」


「あれ人為的にやったの!?」


「ごめんウル。またやらしたかも」


「森の方から蟻の大群が…あと街道の奥からゴブリンの群れが…」


「なんか前にいたプレイヤーが群れに轢かれたんだけど!」


「仕方ない、とりあえず…リリー!ゼオン!ブリザードで足止め!3人で詠唱中の時間稼ぎ」


「わかった」「おっけー!」


勢いよく前に飛び出したアンさんは一薙ぎでゴブリンナイトを蹴散らしていく。一方姉さんはゴブリンロードの詠唱を止めるべくひたすらに詠唱を始めたゴブリンから順に解除していく。なるほどパーティープレイってこういうことか…。速さと力に物言わせて叩き伏すゲームじゃなかったんだなコレ。


「3人とも下がって!」


二人から氷系統上級魔法・ブリザードが放たれる。


「ちょっと!ベル!巻き込まれるよ!」


姉さんの制止を無視して群れに突っ込む私。刀スキル[重ね・清霜]を発動し、ブリザードから逃れたゴブリン達を氷の刃で討滅していく。


「すご…」


「武器スキルで属性付与?」


「いきなりやらないでよ!びっくりするじゃん!」


「だって姉さんが刀のスキル見たいっていうから」


「やるなら先に言いなさいよ…で、どういう技?」


「えっと…「二人とも!まだ蟻が残ってるから!30匹ぐらい」あ、はい」


「見なくて済むと思ったのになぁ…ベル何とかして」


「りょーかい。《二重詠唱》ファイヤーケージ!鎌鼬!「炎の千刃(フレイム・エッジ)」!!」


無数に生み出された風の刃は朱を纏い、くるくると自由に舞いながら火の粉を散らし、ビッグアントたちを切り裂いていく。


「…オーバーキルじゃない?」


「やっぱパーティー組むと経験値だいぶ減るね」


「あれだけの数瞬殺できることに驚きだわ」


「それよりあの技は?」


「あれは[重ね]っていう刀に魔法纏わせて斬りつける技。発動中の魔法しか重ねれないから一人じゃきついんだけど」


「じゃあ初めて使ったの?」


「いや、範囲魔法使ってダッシュで追いつけば使えないこともなかったし、というかゴーレムこれで倒したから」


「ゴーレム魔法無効じゃなかったっけ?」


「水属性の斬撃として処理されてたと思う。一撃でHP30%近く削れたし」


「無茶苦茶ね…次いきましょうか。目的はスライムゼリー100個!」


「ごめんまたミスった。スライムはスライムだけど40体強」


「そのアイテムもうちょっと調整できないの?」


「どういうアイテムなんですかそれ…」


「狂戦士の笛っていうアイテム」


「うわー、なんかそれっぽい名前」


「じゃあ、せっかくだから合体魔法試してみようか…《二重起動》トルネード!スピアレイン!「水槍の嵐(スピア・ストーム)」!!」


上空から降り注ぐ槍の雨が風に巻かれ、勢いを増してスライムたちに降り注ぐ。ゼオンさんの放った一撃はスライムたちのHPを削りつくし、一瞬で消滅させた。


「すごい威力だけど…どれぐらい消費した?」


「80ぐらい。乱発できる魔法じゃないよ…」


「これって範囲魔法しか使えないの?」


「試してみようか?《二重起動》ホーリーショット!シャドウスパイク!「混沌の光線(カオスビーム)」!!」


私の放った白と黒の光線は目の前にあった大きな岩を一撃で消し飛ばした。


「そんな大技しなくても…」


「スライムゼリー33個。あと67!」


「リリー!」


「もうやってみたけど…」


音に呼ばれて引き寄せられたのは…ホブゴブリン2匹。


「え?これだけ?」


「周りのモンスター絶滅とかしてないよね?」


「おかしいな…もういっかいやってみる。」


姉さんがサクサクゴブリンを倒している間に、リリーさんは音のならない笛を力いっぱい吹いた。



……


………ド


ドドドドドドドドド…


遠くからこちらに近づいてくる地響き。


「リリー。やってしまったな」


「逃げた方が良くない?」


「もう遅い。囲まれた」


「姉さん。大変申し上げにくいのですがMP切れです」


「私も」


「ベルもゼオンもアホかぁっ!もういい!私がやる!《二重起動》トルネード!サンダーボルト!「荒れ狂う嵐(テンペスト)」!!」


雷を放つ竜巻は地面をえぐりながら前方の敵を滅する。その間、私とゼオンさんはMP回復、アンさんは特攻、リリーさんはアンさんの回復をしている。


「そろそろいける?私もMP切れそうなんだけど」


「姉さん!トルネードもう一発撃てる?」


「それぐらいなら、トルネード!」


姉が生み出した竜巻に刀を構えて飛び込む。


「[重ね・辻風]!」


風を纏った一太刀は周りの敵すべてを吹き飛ばす…が余りダメージは与えられてないらしい…。

どうしたものか。

その間にもアンさんが地道に数を減らしている。


「蟻が混ざってるからか水系統が通りにくい…」


ゼオンさんが苦しんでいたので担当を代わる。


「《二重起動》イクスプロージョン!巨石飛来!「爆撃の雨(ボム・レイン)」!!」


魔法陣から生み出された石は着弾すると同時に火を噴き、地面ごとモンスターを吹き飛ばす。街道がえらいことになってるけど気にしない。


「今のうちに逃げよう!なんかスタンになってる奴もいるし!」


敵の間を縫って全力で門の方に走る。追いかけてきたモンスターたちに何人か飲まれたプレイヤーがいた気がするけど見なかったことにする。

こうして、何とか撤退することに成功した。


「はぁ…レベル上がってるけど…あれだけやれば上がるか…」


「スライムゼリーもいつの間にか結構集まってるけどベルちゃんに渡しとけばいい?」


「明日までに作っておきます」


「よろしくー」


「ベル。音…じゃなくて、スクルドからおなかすいたと抗議文が来てるからいったん落ちよう」


「わかった」


「じゃあ今日はここで」


――――――――――――――――――――――――――

ベル

種族ワルキューレ**

LV26

HP384 (307)

MP481 (382)

STR205 (98)

CON114 (77)

INT114 (98)

AGI117 (88)

DEX105 (87)

スキルポイント2

所持金35892 G

――――――――――――――――――――――――――

《剣士》LV 50

《剣客》LV 175

《武闘術》LV 50

《魔法術》LV 105

《魔法:系統・爆》LV 50

《魔法:系統・氷》LV 50

《魔法:系統・雷》LV 50

《魔法:系統・樹》LV 10

《魔法:系統・無》LV 15

《魔法:系統・癒 》LV 10

《自動MP回復 》LV 10

《消費魔力削減Ⅰ》LV 10

《二重起動》LV 20

《広域化Ⅰ》LV 10

《神速》LV 20

《鷹の目》LV 20

《隠密》LV 30

《舞》LV 30

《錬金術》LV 30

《気絶耐性Ⅰ》LV 20

《毒耐性Ⅰ》LV 20

《麻痺耐性Ⅰ》LV 30

《調理 》LV 1


クリスタル(未取得状態)

《生産:武器 》LV 1

《生産:防具 》LV 1

《生産:装飾 》LV 1

――――――――――――――――――――――――――


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