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女神の箱庭I =カサナルセカイ=  作者: 山吹十波
第25章 変革者たちの狂詩曲
278/307

女神の娘 -25-07-

街へと戻ったカナデ達を待ち受けていたのは、マクロファー以下領内の魔人たちと、どうやって駆けつけたのかはわからないが、ハルト達もそこにいた。


「お疲れ、カナデさん」


「ハルトさん、どれぐらい人連れてきてますか?」


「4番がいるけど……どうかした?」


「一応、今樹神殿に星影おいてきたんですけど、たぶんイラム領の方から偵察みたいなのが来ると思うんで、一応何人か神殿の西側に置いてもらえませんか?」


「わかった。ヨウ」


「はいはい、行ってくるよ」


ヨウが数人の隊員を連れて街を出ていく。

タツヤがマップデータを渡していたのでおそらく迷うようなことはないだろう。


「それで、カナデさん。神殿の方は?」


「無事起動しました。結構劣化してるので修繕した方がいいかもしれませんが……機能とかは特に問題ないようです」


「わかった。修繕の事はタクミたちに相談しとくよ。それじゃあ、隣にいるのが……」


「はい、樹の女神です」


「えっと、初めましてシルバです」


「とりあえず、彼女がいる限り東側は安泰かな……瘴気も随分弱まったし」


「マクロファー様、シルバ様が戻られて良かったですね」


「ゼメーラ、お前は以前通りシルバの警護を頼む……いや、無理か?」


「どうでしょう……いっそシルバ様を連れてスペーラの街に行きましょうか?」


「魔王を討伐したとしても、しばらくはごたつくだろうからな」


マクロファーとゼメーラの会話にハルトが割り込む。


「えっと、ごめんなさい。どういう事情?」


「ああ、すまないハルト殿。そうだな、簡単に説明すると、シルバは私と先代の女神の間に生まれた子でな」


「……え、マジですか」


「ああ、嘘は言ってない」


「マクロファー様は愛娘を封じられて、魔王をすぐにでも殺してやろうと思ってたんだけど、封印の解き方がわからないから下手に逆らえなかったんだよね」


「なるほど。事情は分かりました。とりあえず、この街の転移門を蘇生しますね。神国から譲ってもらった食料も運び込みたいですから」


「何?そこまでして頂けるのか?」


「まあ、それぐらいなら何とか。とりあえずキクロ」


「はい、まあすでに2つも直してるで慣れました。10分ぐらいで直ると思いますよ」


「それで、マクロファーさん。一旦、うちの街に来ていただきたいんですけど」


ハルトの発言に後ろの魔将たちがざわつく。


「それは構わないが。何のために?」


「会って戴きたい人がいるので」


「マクロファー様!油断してはダメです!」


「フォラス煩い」


「ゼメーラ、お前、裏切るのか!?」


「裏切るも何も、初めから魔王サマなんかに仕えてるつもりはないんだよ。私が仕えてるのはマクロファー様でありシルバ様なんだから」


ゼメーラとフォラスが言い争いを始めたが、特に気にすることなくハルトはレヴァインに先に戻るように告げる。


「スズネ、そっちは?」


『先ほどレヴァインさんが戻ったと連絡がありました……あ、はい到着されました。どうやら待ち構えていたみたいですね』


「わかった。キクロ!」


「オーケーです。既に直りましたよ」


『こちらヨウ。3人ほど魔人潰したけど』


「了解、じゃあ戻って街の周辺の巡回を頼む」


『まったく人使いが荒い奴だ』


「カナデさん、それじゃあ……あれ?いつの間に帰ってきたの、その猫」


「今さっきです」


「樹龍もうこっちに向かってるわ。たぶんもうすぐ着くと思うけど」


「そうか、なら安心だ。じゃあ、カナデさんたちは先に戻ってスズネの所に。次はイラムとアルガンディーを落す」


「了解です」


カナデ達が先に転移門へと消えていく。


「さてと、僕たちも行きましょう」


「私はスペーラの街とやらには行ったことがないが……」


「ゼメーラさん、よろしく」


「あ、はい」


ゼメーラがポケットに入れていた魔法珠を発動させると転移の魔法陣が現れる。


「それじゃあ、僕らは転移門で帰りますから」


ハルト達が転移門の方へと駆けて行くのを見送る。


「ゼメーラ、これは?」


「転移魔法、ですね。とりあえず、私が街の入り口まで送らせていただきます」


「わかった」


「待て!ゼメーラ。そんなところにマクロファー様を連れていくなんて!」


「じゃあ、何人かついておいでよ。たぶん歓迎してくれると思うよ。あ、シルバ様も行きますか?」


「え!?お父様、どうしましょう」


「神殿の龍が戻ったとはいえ、まだ一人で残しておくのは不安だな」


「じゃあ、みんなで行きましょうか」


「まて、オレはいかないぞ!」


「じゃあ、フォラスは留守番。街の事はヨロシク頼むね、タローちゃん」


「いいからさっさと行って来い」


ヨウ不在のため指揮を執っているタローに声をかけるとゼメーラは魔法を発動させた。

消える一同を見送った後、ため息を1つつくと、タロウはフォラスに声をかけた。


「あんたはいかなくてよかったのか?」


「お前らみたいな怪しい奴らがいるのに全員で出てられるか!」


「ああ、うん。すごく納得した。まあ、たぶん二時間ぐらいで戻ってくると思うよ」



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