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女神の箱庭I =カサナルセカイ=  作者: 山吹十波
第24章 戦士たちの奏鳴曲
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龍ヲ統ベル者 -24-10-

飛び出したカナデの影に、砂天は反応できずにいた。

最早、龍であるこの身でも危機を覚える気迫。


「サテン、沈みなさい!」


「!――なるほど」


星影の言葉を受け、咄嗟に地面に潜る砂天。


「やっぱり、星影が一番厄介だね。アスカ、行くよ」


「イーリスさん、グランドクロスお願いします」


「わぁ……カナデ。どうやって空中歩いてるの?」


「シオンさん、地中なら地母神の裁きマグナ・ジャッジメントのほうが効きそうな気がします」


「ではそれでお願いします」


アスカはカナデが魔法で作る足場の上へと上がり、シオンは翼を出して空へ上がる。


「それでは、《夜叉》発動させていただきます」


「アレ使ったら5分後にイーリスは戦闘不能になるんですよね?」


「うん、たしか全ステータス0になって動けなくなると思う」


「イーリスさんの支援のあるうちに終わらせましょう」


「じゃあ使ってみよっか「「《鬼力解放》」」」


3人の全身を赤黒いオーラが纏い、瞳は赤く輝いている。

そして肌にはよくわからない刻印が現れる。


「なんだろうこの過剰演出」


「カナデさん、イーリスさんの魔法が発動します」


「え?」


イーリスの放った地母神の裁きの裁きは空間が軋むほどの威力で、

既にボロボロの大地が再び砕け、地割れの奥からは溶岩が流れだし、火柱が噴き出した。


「うわー……予想外の威力ですね」


「というか倒れてた龍たち消えたんだけど大丈夫かな?まさか落ちた?」


「死にはしないでしょう。アレらも加護持っていたはずですし……カナデさん、後ろです!」


「来たね!」


カナデが振り向きざまに剣を走らせ、交差する。

そして、背後から高速で駆け抜けていった黒い影は血で朱の線を描きながら再び天へと舞い上がる。


「シオン、合わせて。アスカ、機動力削げる?」


「わかりました」

「やってみます!」


アスカが迫りくる星影に向けて弓を連射する。

決してでたらめに撃っているわけではない。その一矢一矢が常人では視切れないほどの完璧な予測とコントロールで放たれている。


そして、それを躱す星影。

しかし、あまりの連射速度に対応しきれなくなり、矢を受けてふらつく。

その瞬間、待っていましたとカナデとシオンが空を駆け上がり、4つの刃でその巨大な体を裂いた。


「……どうやったら人の身でここまで強くなれるのか」


「運?」


「カナデさん、それで合ってますが、場合によってはその解答は相手の心を砕くので気を付けてください」


「とりあえず、私たちの勝でいいの?」


「……というか私たちがこれ以上戦えるように見えるの?」


「……無理そうだね」


「イーリスさん、能力切れる前に整地とダメ元で蘇生をお願いします」


「わかりました」


イーリスが魔法をいくつも展開していく間に、カナデは星影の治療をし、ステータスを確認した。


「思ったよりレベル上がってないね……」


「もう龍を5、6体潰した程度では上がりませんか……」


「まあ、カナデさんがレベル高すぎるせいもあると思いますけど……」


「あ、全員生き返りましたよ……それと、私はダウンしますね」


イーリスの全身の力が抜け、へにゃりと地面に倒れる。


「イーリス!?ああ、STRが0になると立つことすらできなくなるんだっけ?」


「ううう、服重い。脱いでいいですか?」


「部屋まで運ぶからしばらく耐えて」


地面に伸びたままのイーリスを説得していると、ダウンして一回消滅していた龍たちがこちらに歩いてくる。


「地属性に耐性があるはずなんですが、まさかあの魔法で倒されるとは。驚きました」


「星辰、貴方昔よりもだいぶん弱くなったわね」


「うぐ……」


「嵐、貴方はもっと戦い方を学んだ方がいいわ」


「えええ……」


白髪の男と緑髪の青年が正座で星影から説教を受けている。


「それじゃあ、終わりかな?」


「ちょっと待って、報酬をあげるわ」


「ああ、そういえばそんなのもあったね………………あの、星影?また私に厄介なスキル押し付けたね?」


「武器がなくても戦闘できるようになりたいかなと思って。それに、スキルポイント余ってるならちょうどいいじゃない」


「《仙術・初伝》って……」


「あの私のスキル二つ増えてるんですけど……」


困惑するアスカとイーリス。


「とりあえず800ぐらいポイントあればカンストするよね?」


「そうですね」


「……中伝・奥伝・皆伝を経て、《仙術・極》まで来たけど70ポイントぐらい余ったね」


「……そうですね。でもカナデさん、神格にスキルポイントを振り分けるアイコンが出てますけど」


「ほんとだ……入れてみる?」


カナデが操作すると神格のレベルは一気に下がり、そして再び955まで上がる。


「さっきまで999だったのに……」


「999!?そりゃ私たちに有効なダメージを与え続けられるわけね……というか神格二週目なんて聞いたことないんだけど?」


「まあ、カナデさんですから」


「というかカナデさんってレベル上がったらスキルポイントいくら入るんですか?」


「400ぐらい?」


「……無茶苦茶ですね。ゲームだったらもはや壊れてるとかそういう次元じゃないです」


「……ですね」


「まあ、私も薄々そう思ってたけど……」


「たぶんカナデさんなら魔王とか瞬殺できますよ、たぶん」


「そんなことないよ?というかそれを言うならシオンも大概だからね?」


「そんなことないです」


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