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女神の箱庭I =カサナルセカイ=  作者: 山吹十波
第3章 神なる龍と石の巨人
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厨二騒動→洞窟突破 -03-05-

謎の疲労感(もしかしたらMPの使いすぎかもしれない)でふらふらと街まで帰り着いた私たちはほかのプレイヤーから、どうしてこのパーティで疲れるようなことがあるのかという顔をしているが、全く気にせず門をくぐる。そんな私たちに忍び寄る4人の影。


「おい!エイダン!お前何をしている!」


エイダンの名前を呼んだのは「夜の王」とかいう痛々しいプレイヤーネームを張り付けた全身真っ黒の装備に身を包んだ罹患者だった。


「あー…マスター?またそんなアホみたいな格好してるんですか…」


エイダンですら少し引いている。後ろの姉はドン引き。音羽は爆笑。


「おい!スクルド!笑うな!」


「ごめんごめん。いやー、ギルドメンバーも大変でしょ?こいつがギルマスだと」


エイダンが苦笑いを浮かべ、他のメンバーはそっと目をそらした。


「うるさい!お前だって大差ないだろ!」


「だいたいアンタよりエイダンの方が強いし、頭も顔もいいし、何より人望があるしー」


因みにエイダンとスクルドの仲が微妙だった原因はコイツのせいらしい。


「そんなことより…何か用?今日は集会とかなかったはずだし?」


「お前がコールに応じないから探してたんだ!」


「そうですよどこにいたんですかエイダンさん。というかこの美少女×3はどういうことですか!?とりあえず紹介してくださいよ!」


「落ち着きなよ、鵲。紹介はしてやるから。たぶん無理だろうけど…」


「え?最後なんか言いました?」


「いやなんでもない。で、何の用で?」


「いや、とりあえずアイアンアントの対策をと思って…あと武器の新調を纏めて請け負ってもらえる手筈が整ったから」


「あー…。オレ武器いいや。コイツ手に入ったし」


ソムニウムからもらった大剣を見せながら答えるエイダン。ちなみにエイダンの武器・断罪剣は光系統強化の大剣でたぶん現状で最高の破壊力を持つ。


「AAAランクの武器なんてどこで!?」


「もらっ……た?」


うん。たしかに貰った。こっちを見てもフォローはしないのでよろしく。


「えーと…。とりあえずパーティー解散するから……じゃあ」


「お疲れー」「じゃあねー」


「おいおい待って。お願いだから。というかベルちゃん刀スキルの場所教えてあげるから!」


「仕方ないなー。で?」


「オレ鵲っていいます!フレンド登録お願いします!」


「まあ別にいいけど…「ダメよベル。安いナンパは断りなさい」って姉さんまだいたの!?」


「「「「姉さん?」」」」


「で!私はどうすればいいの!?」


「とりあえず説明めんどくさいから…逃げる!」


「させるか!エイダンを囲め!」


なぜか身内に囲まれるエイダン。


「美少女とパーティー組んでギルドを疎かにした罰だ!レッツ・デュエル!」


おいおい。内輪もめ?という声が聞こえる。ギャラリーが増えてきた。


「オレが勝ったら無罪ってことでOK?」


「いいだろう。ただしこちらは4人だ」


「はぁっ!?それは無っ…」


「いくぞお前たち!」「「「応!」」」



……結果。エイダンが勝ちました。

この大剣、光属性が付与されているので夜の王さんの闇魔法を弾く弾く。



「勝ってしまった…」


「で?刀スキルはどこで?」


「次の町・ビリードの片隅にある道場でシゲって言う爺さんから習える…はず」


「曖昧……」


「わかった。ビリードまではオレが責任を持って案内しよう」


「わあ、ありがとう。で、本音は?」


「美人を引き連れて歩くのは気持ちいいな」


「美人?まあいいか。すぐ行く?」


「うん。ベルちゃんなら洞窟ぐらいなら速攻で抜けれるでしょ」


いまだに門にいた私たちはそのままドゥーロス山の方へ引き返し、ロックワームを払いながらブレービス洞窟にたどり着く。


「パーティー組んでると戦わなくていいから楽かな」


「その分オレが動いてるんだけどね?…っと、大蜘蛛か…焼ける?」


「火力は?」


「弱火で」


ファイヤーボールで蜘蛛をこんがり焼く。まったくおいしそうではない。上質な糸とかいうアイテムを回収し、先へ進む。

この洞窟は天井部分がところどころ崩壊しているので日の光が差し込み、中は明るい。


「ここからボス部屋までショートカットできるけどどうする?」


「じゃあショートカットで」


文字通りボスの部屋まで直接たどり着いた……というか落ちた。落下の衝撃でふらふらする。

完全にこの抜け道マップ作製のミスだと思うけどいいんだろうか。


「というかせめてまともな道にしてよ……」


「ごめんごめん…ほら来たぞ。あのゴブリンリーダーを倒せば終わり。手伝う?」


「別に大丈夫。ヤバそうだったら助けて」


「了解」


ゴブリンとホブゴブリンに囲まれた奥の方にゴブリンリーダはいた。迷わず範囲魔法の準備を開始。誰かのおかげでMPは満タンなので問題はない。


「中級風魔法・トルネード!」


吹き飛ばされて消えていくゴブリン達。とりあえずゴブリン18体は一掃。そのまま間髪入れずにペインゲイザーを放つ。次々と倒れるホブゴブリン。ゴブリンリーダーはギリギリ耐えきったようだ。


「戦闘というより虐殺じゃね?」


「ちなみに私ゴブリン種1.5倍の称号持ってます」


「〈子鬼の天敵〉か……ソロでよくとれたな」


瀕死のゴブリンリーダーに止めを刺し洞窟を出ることにした。


「ちなみに今レベルは?」


「15だけど?」


「一応ここLV 20でやっとクリアできるぐらいだからね」


「へー」


「全然興味ないのな………じゃあ次の町へ行こうか」


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