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女神の箱庭I =カサナルセカイ=  作者: 山吹十波
第3章 神なる龍と石の巨人
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討伐成功? -03-04-

「水牢捕縛!…って大きすぎて捕縛できないってそんなのアリ!?」


姉の嘆きを無視してスクルドが大技を放つ。


「雷系統超級魔法・地獄の轟雷!!」


漆黒の雷が地面から龍の体を貫く。一撃でなんと3%ものダメージを与えた。残り93%。


「ちょっと。誰か替わって。というかスクルド早く替わって。マジ死ぬ」


「しょーがないなぁ」


エイダンがいったん下がりポーションでHPを回復していく。


「スクルド!前出たとこ悪いけど下がって!ペインゲイザー!!」


出血や部位欠損などがあるとダメージが増大するらしいが、この巨龍はこれだけ攻撃しても全く無傷だ。

しかし、ダメージは与えられているので龍の体力を3%削る。


「お姉ちゃんすごい!………って超そっち向かってるから!逃げて!」


大ダメージ?のせいで矛先がこちらに向き、ひたすら躱す、躱す、躱す…ってそろそろ辛くなってきた。そう思った時、エイダンの大剣が龍の頭へ割断の一撃を放った。


「HP回復したし、とりあえず俺が引き受けるから、ベルちゃんはさっきの奴もう一回!」


「はい!」


すぐにもう一撃ペインゲイザーを放つ……が今度は全く効かなかった。


「なんで!?」


「たぶん一回あてたからそこで蓄積値がリセットされたんじゃ?」


「えー…ウル、スクルドがんばって…私はとりあえずMP補給するから」


「お姉ちゃんに任せないさい。ブリザード!!」


極寒の吹雪が龍を覆い尽くす。しかし、龍は動く様子はなく、耐えている。


「…おい!なんかくるぞ!」


エイダンの叫びの直後。地響きがするような咆哮を放った。スクルドとウルはスタン状態になったようで魔法陣も解除されていた。…地味にヤバい。


「エイダン!どれぐらい持ちそう!?」


「そんなに長くは無理だな…1分で二人とも何とかしてくれ!」


そういえば状態異常解除の効果があった気がするので、迷わずその場で《舞》を使用。

無事解けたみたいでよかったけど、記憶違いだったらどうしようかと思った。


「あんまり溜めてる時間もないみたいだし《二重起動》!!トルネード!サンダーボルト!!」


スクルドの放った竜巻と雷はソムニウムのHPを2%削る。残り84%。

どうせどの系統もあまり大差ないならと、無系統魔法・イノセンスバレットを打ち込む…え?あれ?効いてる?


「ベル!それ何の系統!?効いてるみたいだけど、とりあえずそれ撃ちまくって」


「わ、わかった!」


MPポーションを飲みながらイノセンスバレットを集中的に打ち込む。5発で1%強ぐらい削れた。30発近くヒットさせたところで、もう一度ペインゲイザーを撃ちこむ。

これで68%まで減らせた。攻略法が見つかれば…え?


「ねえ…アイツ」


「ああ…回復しやがった」


「うそでしょ…」


『そう絶望するでない』


「は?」


「しゃべった!?」


『しゃべって悪いか。小さき者たちよ。なかなかの戦いぶりだったぞ』


「会話が成り立った!?」


『我の名は神龍 ソムニウム。夢の女神 ヘシオドスに仕える龍なり』


「で?もう一回戦うの?あなた全快で私たち満身創痍なんだけど」


『今日はもう満足した。よもや無系統の魔法を使うものがいるとは…そうだな、我をここまで追い詰めたことだし、何か褒美をやろう。』


おお、っと歓声を上げる一同。


『それは我に挑んで散って行った勇者?達の残したものだ。使ってやってくれ』


どっかの誰かの遺品をくれた。それ言わなくてよくない?

そして私が受け取ったのは…刀!?


それぞれ自分の装備してる武器をもらってるのになんで私だけ刀?嫌がらせ!?


「なんかずいぶんとチート武器をくれたみたい…」


「え?お姉ちゃんなんで凹んでるの?」


「…なんで私は刀?」


「あー刀か…。後でスキルとれるところ教えてあげるけど…まあ、ドンマイ」


「エイダン…フォローになってない」


『我は一度天に戻る。次に会ったときは本気で遣り合おう』


「あれで本気じゃないのかぁ……他の龍もあんなスペックだったらどうしよ」


飛び立つソムニウムを見送って、私たちは下山することにした。


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