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女神の箱庭I =カサナルセカイ=  作者: 山吹十波
第17章 冥府の王と光闇の女神
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黒の守備兵 -17-05-

「こりゃひでぇな……」


命のない人形たちの大群を見ながらエイダイはつぶやいた。


「そんなこと言ってねーで手伝えバカ!」


ヨウが叫ぶ。


「シルヴィア、私に続いて!ゼオンは魔法で結界が張られるまで戦線を極力維持して!」


「了解です」「わかった」


アンリが陣頭指揮を執り、攻め進む。


「これ、大技で一気に滅したらダメなのか?」


「ダメだよ」


エイダイの横にハルトが現れる。


「倒したら一瞬で倍の数補充されるみたいだからね」


「……倒さない方がいいんじゃねーの?」


ヨウがもっともなことを言うが、


「それが、倒さなくても1秒に数体ずつ増えるんだよね……」


「めんどくせぇ……」


「一気に増えられると手に負えなくなるからこんなふうにしてるんだよ……」


「さて、オレたちも手伝うか」


大剣を担ぎ、群れの中に飛び込み、薙ぎ払う。


「さて、僕もやりますか」


鎖鎌を投擲し、弧を描くように広範囲の敵を一気に薙ぎ払う。


「ふぅ……」


「ふぅ、じゃねーよ!お前さっき自分で言ったこと忘れたのか!」


「……あっ」


「バカか!って、避けろ!」


ハルトの背後から剣が振り下ろされる。


「!!」


しかし、その刃はハルトに届くことなく本体ごと砕けた。


「……まったく。また役立たずですか、ハルトさんは」


「スズネ……」


スズネの放つ強力な魔法弾は一撃でガーディアンを破壊していく。


「……なんか攻撃力やたら高くない?」


「武器のせいですかね」


両手に構えた銃剣を見る。


「ヨウジからもらった時とデザインが違う気がするんだけど……」


「ええ、私の好みに合わせて創り直してもらいました。カナデさんに」


「なるほど、そのせいだね」


「響啼シリーズと言いまして、超高スペックはもちろん“共鳴”というスキルがついています。なるほどこれはすごいですね」


「ちなみにそのスキルとは?」


「STRが1.1の(響啼の数)乗倍されるそうですよ?もっとも2人以上使用者がいる場合、ですけど」


現在モエ、アスカ、ナナミ、スズネの4人が持っているためSTRは1.1^4=1.4641倍になるらしい。


「何それ楽しそう……というか約1.5倍とか……」


「ハルトさん!」


カケルがこちらに走ってくる。


「初めの方の結界がもう持ちそうにないんですが……」


「結界珠があまり数が用意できてないから、可能な限り結界を守ってくれ。そろそろ彼女たちが来るだろうし」


女神が来れば無理に前線を支える必要はない。

スズネがまた、敵を砕く。しかし、先ほどよりも格段に威力が上がっているように思えた。


「えっと、威力が上がった?」


「そのようですね……ということはシオンさんたちが来たみたいですね」


上空から黒龍が舞い降りる。

その背からシオンが飛び降りる。


「そろそろ限界みたいだから」


「急ぎます」


シオンがまっすぐ神殿最奥部へ走る。

扉を乱暴に破り、祭壇に到達する。


「魔力を流せばいいの?」


「そのはずだけど……私も知らないうちに設置されてたから」


とりあえず朔夜は役に立たないと判断し、祭壇に魔力を流し込む。


神殿が一度大きく脈動したと思うと、外を騒がせていたガーディアンたちがすべて灰になった。


「これで、闇の神殿フーロル神殿は攻略完了かな……」


その光景を見ていたハルトがつぶやく。


「さて、あとはカナデさんが帰ってくるだけだね」


「私の方の神殿は?」


いつの間にか隣に現れたオトハが訪ねる。


「……とりあえずカナデさんが帰って来るまで保留で」


「どうやって冥府とつなぐつもりですか?」


スズネが問う。


「とりあえずこちらか側からは冥府の門(ハーデス・ゲート)を開きつづけるしかないかな」


「……この前タローが冥府の門(タルタロス)って言ってたけど、どっちが正しい?」


「名前なんか適当でいいんじゃない?」


「そんな雑な……」


オトハの呼びかけで、冥府の門が使える魔法使いを集め不眠不休で開きつづけるようだ。


「魔法陣刻んで魔力流す方が効率良いぞ?」


「そうなの?タローのくせにいいこと言った」


こうして地上では準備を整えていった。


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