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女神の箱庭I =カサナルセカイ=  作者: 山吹十波
第17章 冥府の王と光闇の女神
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金ノ怒リ、音ノ羽 -17-04-

視界が切り替わる。


「無事に全員転移できたみたいね」


「あらら、聖龍も黒龍も無様ね」


突然、シズネの隣に現れた時雨がボロボロの二匹を見て嗤う。


「……水龍か」

「新しい主?それともリツが帰ってきたのかしら?」


「リツの娘よ。羨ましいでしょ?」


ふふ、と笑う。


黒龍と聖龍に魔法珠が投げ当てられる。

それから発せられる光は2頭を癒す。


「さあ、始めましょうか」

「そろそろ、いいよね?」


「さあ、試練を開始しなさい」


時雨に言われしぶしぶというように体を動かす。


「こんな小娘たちに負けるほど」

「私は弱くないぞ?」


発言が被った2頭はお互いにらみ合ってから、戦闘を開始した。


「怪我を治してもらっておいて何ですが、こちらも本気で行きますので」


「どうぞご勝手に」


双戟を構える。


「それじゃあ、最強の私が相手してあげるよ」


光を纏った戟をくるりと回す。


「光双装・曙」


しかし、攻撃が通った様子はない。


「光系統では私にはダメージを通すのは難しいでしょうね」


「私もそんなん気がしてたよ。でも、もうちょっとやってみよう」


右に持った戟が火を纏う。


「光火装・飛輪!」


強い橙の光を纏った衝撃を受ける。


「バカな……っ」


どうやらダメージは通ったようだ。


「……そろそろこちらから行ってもいいですよね?ホーリーブレス!」


聖龍の放った光の息吹が一帯を焼き尽くす。


しかし、その攻撃をオトハは涼しい顔で受けきった。


「思ったよりたいしたことないね」


「何故だ!?」


「それは秘密」


向こうではシオンが黒龍に派手に血飛沫を上げさせている。


「なんか向こう終りそうだし、こっちもさっさと本気出しますか」


両手に構えた戟に黒い魔力が纏わりつく。


「闇双装・終日」


聖龍の眼では、オトハを捉えることはできなかった。


ただ、いつのまにか額が砕け、背に深い断裂痕があった。

白金の鎧も自らの血で赤黒く染まっている。


「闇火装・黄昏」


避けることもできず、また強力な一撃をその身に受ける。


「もういいかな?」


「……はい」


「それじゃあ、私の勝ちね?」


「……はい」


「私が光の女神でいいね?」


「…………はい」


「なんか一瞬迷ったのが腹立つからトドメさしていい?」


「申し訳ありあませんでした」


これで、三姉妹みんな神格もちだね。とシズネに笑いかける。


「まさか瞬殺するとはねぇ……」


「お姉ちゃんも瞬殺したんじゃないの?」


「いや、さすがにあれはないわ」


シオンが来た時よりも憔悴している黒龍を連れてこちらへやってくる。


「お疲れ様ですオトハさん」


「うん、お疲れー……っていうほどの相手じゃなかったけどね」


「さて、帰ろうか」


「お前たち、名前はもらったのか?」


「朔夜です」


「私はまだ……」


「んー、名前かぁ考えてなかった……」


オトハが数秒考え込む。


「……光耀」


「ありがとうございます」


「えっと、帰って大丈夫?」


その様子を見終わったシズネが声をかける。既に手にはカギが握られている。


「はい」


「お願い」


来る時よりも沈んでいる2頭をつれて、元の場所へと戻っていくのだった。



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