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女神の箱庭I =カサナルセカイ=  作者: 山吹十波
第17章 冥府の王と光闇の女神
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白ノ怒リ、黒ノ翼 -17-03-

視界が切り替わる。


「無事に全員転移できたみたいね」


「あらら、聖龍も黒龍も無様ね」


突然、シズネの隣に現れた時雨がボロボロの二匹を見て嗤う。


「……水龍か」

「新しい主?それともリツが帰ってきたのかしら?」


「リツの娘よ。羨ましいでしょ?」


ふふ、と笑う。


黒龍と聖龍に魔法珠が投げ当てられる。

それから発せられる光は2頭を癒す。


「さあ、始めましょうか」

「そろそろ、いいよね?」


「さあ、試練を開始しなさい」


時雨に言われしぶしぶというように体を動かす。


「こんな小娘たちに負けるほど」

「私は弱くないぞ?」


発言が被った2頭はお互いにらみ合ってから、戦闘を開始した。


「ご希望通りすぐに終わらせてあげるわ」


極大のブレスをシオンに向かって放つ。


「ライトバリア。起動数30」


前方に光の障壁を多数配置する。

1つ1つに大きな力はないが、明らかにブレスの衝撃を裂いていく。


「防ぎ切ったのね……」


後5枚というところで攻撃は完全に打ち消された。


「まだまだ!生体破壊コンディション・クラッシュ!」


紫色の魔法陣がシオンの足元に広がり、弾ける。


「ふふふ、私を癒したのは間違いだったわね。あの状態なら勝ち目があったかもしれないの、に……?」


「毒、麻痺、混乱ですか……残念ながら私にその手の異常は効きません。勝ち誇ってるところ悪いですがこちらから行かせてもらいます」


シオンが右手に薙刀、左手で魔法陣を重ねながら黒龍へ走る。


「私は今超絶機嫌悪いんで、一切手加減はしません」


龍の身でもかなりの威力が通る蹴りを顎に受ける。


「合成魔法 雷光の一撃(ライトニング・スタブ)


光の一撃は黒い鱗を砕いた。


「ぐっ……あっ……」


よろめいたところに左側から攻撃が来る。


「大薙刀・琥珀」


横薙ぎの一撃は龍であるはずのその身の腕を完全にそぎ落とした。


「大薙刀・黄水晶」


背が大きく裂け、血が吹き上がる。


「大薙刀・鋼玉」


再生が間に合わない体へさらに、巨大な一撃が振り下ろされる。


「あ……ぐ……」


「そろそろ終わりですか?」


大量の血を失い、左腕の再生すら間に合わない状態。


「……まだ、よ」


「そうですか。向こうは終わったようなのでこちらも終わらせましょう」


薙刀を構える。


「大薙刀・玉髄」


虹色の一閃が黒龍を破壊しつくす。


もはや赤色の部分の方が多い黒龍に歩み寄る。


「私の勝ちですか?」


「……認めます」


「それでは朔夜。私に従いなさい」


「……はい」


完全に心を折られた黒龍はシオンに神格を授け、従う。


黒龍を連れて、シズネ、オトハの元へ向かう。


「お疲れ様ですオトハさん」


「うん、お疲れー……っていうほどの相手じゃなかったけどね」


「さて、帰ろうか」


「お前たち、名前はもらったのか?」


「朔夜です」


「私はまだ……」


「んー、名前かぁ考えてなかった……」


オトハが数秒考え込む。


「……光耀」


「ありがとうございます」


「えっと、帰って大丈夫?」


その様子を見終わったシズネが声をかける。既に手にはカギが握られている。


「はい」


「お願い」


来る時よりも沈んでいる2頭をつれて、元の場所へと戻っていくのだった。


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