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女神の箱庭I =カサナルセカイ=  作者: 山吹十波
第16章 龍と女神と学びの園
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強さの証明 -16-06-


双子メインの視点は基本的にルイズ視点の……はずです

入学式のあとすぐに、最初の授業が開始された。生徒の約半数が、スペーラの外にあるサイフラ平原に集められた。


「よし、全員揃ったか?オレはショウゴという。普段は自警団1番隊所属だが、お前たちの武術の授業を持つことになっている「待ってください!」……どうした、アスカ」


街の方からアスカが駆けてくる。その後ろには黒髪の少女を伴って。


「全員揃ってないですよ!点呼ぐらいしてください」


「ああ、悪い。……隊長たちには内緒で」


「ダメです。カナデさんに報告します」


「カナデさんに報告したらシズネ副団長に言ったも同然だろうが!」


「身から出た錆ですかね……すみません、私はアスカといいます。7番隊所属で、弓術の授業を持ちます」


アスカが礼をして、ショウゴの後ろに下がる。ショウゴのテンションはさっきから下がりっぱなしだ。


「……では、今からお前らに軽く戦闘をしてもらう。魔法でもなんでも使うといい。一人一体魔物を倒せ……ちなみに、こちらの指定する魔物を倒せれば“武術基礎”の単位を認める」


おお、と歓声が上がる。


「教官!それで、指定のモンスターとは?」


「ん?ああ、アスカ」


「了解です」


アスカが魔法珠を撒くとそこから魔法陣が展開し、結界のドームが完成。


「全員中へ入ってー、じゃあ行くよー」


残りの魔法珠が起動し、転移の魔法陣が描かれる。

底からは鋼色をした巨大な蟻がうぞうぞと湧きだし始めた。


「ビリードの森から産地直送。アイアンアント。防御力は高いし、魔法は基本的に無効、っと」


アスカさんが解説する。


「さて、倒すのは1匹でいいが、この魔物の習性は群れることなので、まあ数は気にするな……無理だというものは結界の中でおとなしくしてろ」


すると、数名の男子生徒(無駄に高そうな剣を腰につけているのでたぶん王国貴族)がとびだし、剣でアイアンアントを打ちつける。


攻撃が通った様子は全くなく、刃は弾かれる。


「なんだコイツら!?」

「うそだろ!?王国一の鍛冶屋のミスリル製だぞ!?」

「魔法も効かねーぞ!?」


「まったく、話を聞かない奴は早死にするぞ。まあ、補足説明するとだな、そいつらはギルドランクで言うとE+以上が対象になって来るな」


「何がギルドランクだ!侯爵家に不可能はないぞ!」


謎の宝石がたくさんついた剣を思いっきり叩きつける。

アイアンアントの鋼の鎧に小さなひびが入る。


「ほら見ろ!」


そして剣は砕け散った。


「なっ!?」


唖然とする男子生徒をアントが襲う、


「うわぁあああああっ……!?」


事はなかった。アスカさんの放った矢がアントの眉間?を貫き、アントは絶命した。

アスカさんは結界の外でアントたちが広がらないように牽制を続けている。


「はい、君失格ね」


アスカさんによって無理やり結界の押し込まれる男子生徒。


「ななな、何を!助けなど不要だったぞ!」


「はいはい、おもしろい冗談をありがとう、だが、お前みたいなのをいつまでも構ってられるほどオレたちは暇ではない。死にたいなら勝手に死ねばいいが」


ショウゴがそういうと、無理だと判断した生徒たちが結界内へ戻る。


「ふふ、王国も大したことはないようですね。私が行きます」


すると、先ほど遅れてやってきた腰に刀を下げた少女が結界の外に出た。


「ルイズと同じタイプの剣だよね?」


「見た感じヤマトの出身みたいですね……」


所々に金があしらわれた鞘から、美しい刀身が覗く。


「かなり良い物ですね。鋼といくつか特殊金属使ってますね」


「一応は神器のレプリカですので、私仕様にいじってありますが。それよりも教官。わからないことは質問していいんですね?」


「ええ、どうぞ」


「魔法は無効と言いましたが、刀に魔法を纏わせるのは有効ですか?」


「ええ、有効です。ほかにも属性付与型の武器や高出力の魔法剣が有効です。まあ最悪は攻撃力のみで押し切るという方法も可能ですが、オススメはしません」


「そうですか、では、《重ね・影縫》」


刃が黒い闇を纏う。

向かってくるアイアンアントに一閃。

さっきまで誰が何をしても通らなかった攻撃が嘘のように、綺麗に両断される。


「御見事」


「この程度当然ですよ」


刀についた血をはらい鞘に納める。


「わぁ、すごいねあの人」


「私たちには無理そうですね……私の弓ではあれを貫ける気がしません」


「アスカさんが特殊なだけの気もするけどね、私はやってみようかな。ルイズは……ってなんで先に行くの!?私も行くよ!」


先に駆けだしたルイズを追うルイザ。


「お手本は見せていただいたので、余裕ですね。《重ね・水月》」


ルイズの抜き放った黒い刀身に水色の魔力が重なる。


「行きます!」


刃を振り下ろそうとするが、アイアンアントが攻撃に出る。


「くっ、でも、これぐらいなら!」


頭を踏みつけ後方に宙返りをしながらアントの体を縦に切裂いた。


「……ルイズはカナデさんみたいな戦い方するね。まあ、ルイズも合格」


追いついたルイザが短刀を抜き、身軽に攻撃をかわしながら的確に急所へ攻撃をする。

若干の火魔法を纏ったそれは、虫モンスターであるアントには有効だった。


「ルイザも合格かな……さて、もう無理そうだし終了でいいですかね?」


ショウゴに確認を取るアスカ。


「ああ、そうだな。というか、この魔法陣いつ閉じるんだ?」


已然として、魔法陣からはアイアンアントが溢れだしている。


「すぐ止めますよ。『イーリス、もう終わったから戻って、後片付け手伝ってほしいし』


魔法陣から最後に少女が転移してくる。


「お疲れ様でした。怪我した方は後で申し出てください。で、私何したらいいんですか?魔法効かないのに」


「間接的な奴なら効くよ?」


「では、地母神の裁きマグナ・ジャッジメント!」


魔法陣の範囲に地割れが起こり溶岩が噴き出す。


「やり過ぎやり過ぎ!」


アスカに連れられて急いで結界内に戻る三人。


「すみません!戻しますね」


魔法珠を放ると、崩れた地形が一瞬で元に戻る。

一体何の魔法だろう……。


「時間回帰の魔法珠なんてつくってたのかー」


「はい、カナデさんにもらいました」


「あー、それでは解散だ。怪我をしたものはそこのイーリスに診てもらえ」


「7番隊イーリスと申します。地魔法、樹魔法の授業担当してます。よろしくお願いしますね」


「それと、3人は少し話があるから来てくれ」


双子と姫巫女は顔を見合わせる。まあ、悪いことではないだろうと判断した3人だった。


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