龍怒ル -15-05-
「はぁ、とりあえずルイさんはさっきの指示通りに」
「了解です。すぐに終わらせます」
「……なんかサメ増えてません?」
「増えてるね……12ある気がする」
ため息をつきながら、1、3番隊の面々が剣を抜く。
「さて、あの大きなのをどうやって倒そうか」
「とりあえず私とツバサ、モエで前に行きますので、御2人は後ろから」
「了解です」
「え?スズネ戦うの!?」
「何か不満ですか?」
「……いや、不満はないんだけど、心配というか……」
「聞いてくださいシオンさん、ハルトさんが私を心配してくれました」
「よかったですね」
「来ますよ!」
モエが突撃してくるアビサスにカウンターを合わせて腹を裂く。それでも1%も減った形跡はない。
「体力何ポイントあるんだろうね……」
「さあ……」
「短刀術・凍霧!」
「魔法剣Ⅲ:Destroy」
「大薙ぎ・神鳴!」
モエ、ツバサ、シオンが順に大技を放つ。体力は大きく減ることはなかったが、着実に5%ほどの体力を削った。
「……7番隊強くない?」
「……なんか経験の差を感じますね」
アビサスが吼える。
その衝撃波で吹き飛ばされる3人。
「おっと、フォローにまわらないと」
ハルトは鎖鎌を投擲する。
「それでは私も」
両手に銃剣を構え、魔力を込める。
「とりあえずBullet:Windを30発ほど行きましょうか」
大きく開いたその口に魔法弾を撃ちこむ。
「ハルトさん!そのまま抑えててください!」
「りょーかい」
「Bullet:Voltで50行きます」
「魔法陣用意するので、その間お願いします」
「まかせて」
「承知した」
背後から雷の魔法弾が飛ぶ中、ツバサとモエが特攻する。
「ツバサさん、私有効系統持ってないので状態異常狙います」
「わかった。弱点は腹の辺りだ」
「ありがとっ」
状態異常は弱点に打ち込むことで効果が増加する。
ツバサは弱点を見分けるスキルを持っているらしい。
「短刀術・鳥兜!」
「ソード・ジャベリン!」
「二人とも離れて!雷光の聖剣!」
シオンの魔法がアビサスの体力を大きくえぐる。
「僕たち要る?」
「良いから働きなさい。モエちゃんのおかげで毒状態だから、Bullet:Poisonで悪化させるわ」
「!!!……離れて!ブレス来ます!」
「え!?わかった!」
モエの声に一斉に距離を取る。
「……倒せるかなコレ」
ハルトはため息をつく。
「ルイさん!今です!」
「わかりました」
ルイの剣が9体目のブルーシャークを討ち取る。
「あと3ですか」
「早く向こうを手伝いに行きましょう」
「そうですね。それでは魔法剣V:Haze」
ルイの一閃が、水を完全に割った。
「すげぇ……」
「あれぐらいできないと副隊長には成れないよな」
「そういえば隊長は?」
「オトハ?」
「あ、いるよ?これで、最後かな」
最後の一匹に止めを差し、すぐにアビサスの方へ走る。
「お姉ちゃんたちが帰って来るまでの時間稼ぎぐらい妹の私がしないとね」
両手に構えた戟は雷を纏い、火花を散らしている。
その一撃は、海竜の鱗をそぎ、鰭を落とし、牙を砕く。
「知ってる?私が最強なんだよ?」
ぐったりしたアビサスの背の上で不敵にほほ笑む。
「じゃあ、こっちもトドメかな」
「オトハ、強っ……」
「ハルトさん、全く役に立ってませんよ?」
「うぐっ……実はまだ鎖鎌のスキル全く上がってなくて」
「先に言いましょうよそういうことは……」
「あとは、待つだけでだね……!……帰ってきた!」
「さて、龍が勝ったか、水妖が勝ったか……」




