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女神の箱庭I =カサナルセカイ=  作者: 山吹十波
第13章 旅立つ姉妹と和の国
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海賊の悲劇 -13-09-

それは突然の事だった。

大きな爆音と強い衝撃が船襲った。

もちろんスペーラ製の船がその程度で壊れるわけはない。というかぶっちゃけ無傷である。


「何事?まさかもう着いたとかじゃないよね?」


「っ……海賊の様です。船は破壊されないでしょうが、乗り込まれてしまうと……」


「そっか。じゃあみんな5分で片付けるよ」


「「「「了解です」」」」


「お待ちください!すぐにヤマト側から応援が……」


「そんなの待ってたら逃げられちゃうよ?」


「カナデさん制服にしますか?」


「いや、せっかくだからレイさん作の和服着てみる?動きにくそうなのに一番強いっていう……」


「そういえばバカみたいに強かったですね」


7番隊女子用着物(戦闘特化)飛英、それとシオン専用の飛華、私専用の華筏。

レイさんとゼオンさんの手によって作られた魔法陣を刺繍された着物。

魔法陣と言っても見えない糸でされているらしいのだが、来ているだけでCONが60以上も上がるというびっくり防具だ。


「なんか春興祭のときから私に着物着せるの嵌ったらしくて、本気で開発したんだって」


実際に装備してみる。


「……着物?」


アスカとモエを見ておもわずナナミがつぶやく。


「露出多いですね、これ」


「私たちの戦法(スタイル)的に長い袖が邪魔になるからなくなった?」


「というか悠長に着替えてる場合でしたっけ?」


シオンの声に正気に戻る。


「あ、そうだった!じゃあ速攻で討伐しようか。殺しはなしで。部位欠損ぐらいなら私が直せるからOK」


「了解です」


廊下へと飛び出す。既に船内に入られてるようだ。


「シオン、アスカ、ナナミは外をお願い。モエは私と来て」


「わかった!」


大鎌と弓では狭い廊下では辛いだろうし、高位力の魔法を使うと部屋ごと吹き飛ぶか可能性がある。


「カナデさん刀抜けるんですか?」


「これぐらいならギリギリ。というか最悪素手でも戦えるし」


突然現れた頭にバンダナをまいたありきたりな海賊(確実に下っ端)を一瞬で斬り捨て先に進む。


「とりあえずカード伯爵が無事か確認しようか」


シオンたちと別れ船内を進むと誰かが戦闘している音がする。


「あっちで戦ってるのルイザとルイズだよ!」


獣人の探索スキル(嗅覚・聴覚がメイン)を使うモエ。

双子に群がる下っ端どもを瞬殺するモエ。あれ、姉さんが使ってた技だ。


「二人とも無事?あと伯爵と夫人は?」


「お父さんとお母さんはおそらく甲板に……」


『シオン伯爵が甲板に出てるみたいなんだけど』


『救助しました。ナナミさんが結界張ってるのでもう大丈夫です』


「お父さんもお母さんも無事よ?とりあえず私についてきて。モエは後ろお願い」


了解です!、と敬礼するモエを確認すると甲板を目指す。途中現れた下っ端を順番に戦闘不能にしていく。

状況を理解していないのか、海賊船から声が響く。


『ごきげんよう貴族の諸君。命が惜しけりゃ、金目の物と娘を差し出せ!』


イラついたので割と本気の《龍爪》の斬撃を海賊船にぶち込んだ。


真っ二つになって沈んでいく海賊船。やり過ぎたか。


「カナデさん。殺さないんじゃなかったですか?」


「……たぶん大丈夫でしょ」


「というか船真っ二つってなんなんですかその威力。剣圧飛ばせるとか少年漫画の主人公みたいになってますよ?」


ナナミにじと目で突っ込まれた


「……まあいいじゃん。さて、海賊さんたち、降参するかそこの彼みたいに素敵な氷像になるか選んでいいよ?」


笑顔で告げる。ひきつった顔で大半は投降する。

叫びながら海に逃げようとする輩を全員いい感じの氷像にして、海賊を片付けた。


「アスカ、ナナミ。今のうちに手錠賭けちゃって」


自警団御用達の手錠(ニコル作)を懐から取り出すナナミとアスカ。


「了解です」

「海賊っていうから強いのかと思ったら全然でしたねー」


「まあ、いつも私たちが訓練で戦ってるカナデ&シオンペアと比較したら大体の敵はスライム級まで格落ちしますよ」


モエとナナミがよくわからないことを言っているが、今回は聴かなかったことにして、カード伯爵の所へ向かう。


「お怪我等ありませんか?」


「いえ、しかしあの威力は……剣聖ロクグを超える」


あれ、あの人思ったより有名人だったみたいだ。

まあ学園の宣伝に使えるからいいか。


「とにかく海賊騒ぎも去ったので予定通りの時間につきそうですね」


「……ええ、それで、この海賊たちは?」


「まあ向こうで警備にでも渡せばいいでしょう」


とりあえず無事は確認できたので、怪我人を見て回る。すでにシオンが大部分を治療し終わっていたので特にやることはなかった。


「まあとりあえずこのことはステラに報告しておいてね」


後ろに控える騎士たちに告げる。


「わかりました」「お疲れ様でした」


「「カナデさん!」」


双子が駆け寄ってくる。


「あの船を切った技!すごいです!」


「カナデさんなら龍でも倒せるんじゃないですか?」


「ははは、龍はちょっと」


倒したことありますけどね。


「細剣と短剣については詳しくないから何とも言えないけど……あ、でもモエが短剣使いだから聞いてみたら?」


ルイザがモエの方へ駆けていく。


「本気出せばもう少し威力でますよね?」


「……バレてた?確かにもう少し威力あげれるけど」


「その剣見せてもらってもいいですか?」


「いいよ」


腰にさげている悠遠をルイズに渡す。


「重っ……」


そんなに重かったっけ?ヨウジさんとかも軽々持ってたけど。STRの問題でもないのかもしれない。


鞘からゆっくりと刃を抜く。

真っ黒の刃に一筋の白いラインが入っているその刃に見とれるルイズ。


「刃には触らない方がいいよ。指落ちちゃうと思うし」


なんか夢中になってるみたいなのでしばらくこのままでいいか。


その後船は特に問題もなくヤマトの港へと入って行く。


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