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女神の箱庭I =カサナルセカイ=  作者: 山吹十波
第12章 暴龍と女神の選択
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祭りから一夜 -12-08-

お陰様で地道に400万PV達成(*´∀`)

ありがとうございます

昨晩ハルトが会議を切り上げた時点で、日付はすでに変わっていた。

一日中動き詰めだったせいか、リビングのソファに倒れ込んだまま動かなくなっていたカナデは、翌朝いつも通りシオンの声で目を覚ますのだった。


「おはようございます」


「……おはよう。ごめんシャワー行ってくるね」


部屋にシオンを招き入れ、その足でふらふらと浴室へ向かう。

シャワーを浴び、リビングに戻ると何故かシズネゼオンの姿があった。


「何やってんの姉さんたち……」


「シオンは有能ね。我が家にも一人欲しいぐらい」


シオンの入れた紅茶を飲みながら笑うシズネ。


「そうだろう?」


その横ではゼオンさんが自慢げな顔で座っている。


「それで、何の用?」


「一応ね。リツ・ヒビキ(かあさん)について情報を整理しようかと思って。あ、安心して。ちゃんとオトハも呼んだから」


「まあ、話するのはいいんだけど。なんで私の部屋なの?」


「それはカナデの部屋が一番広いし……っていろんな魔力が検出されるんだけど!?……まさか男!?」


「いや違う違う。昨日までウチの隊の女の子たち泊めてたから。というかその機械何?」


シズネが手に持っている謎の機械を指して尋ねる。


「キクロが貸してくれた魔力探知機?みたいなの。詳細はよくわからないけど」


「危険物を人の部屋で試さないでほしいんだけど」


そんな話をしている間に、オトハも合流し、仕切り直すかのごとく咳払いを一つするとシズネは話し始めた。


「んじゃ、始めるね。まあ言っても母さんの情報なんて長女の私でもほとんど持ってないけど」


「何のために呼び出したの?!というかお姉ちゃんたちが知らないことを私が知ってるわけないじゃん」


「とりあえずカナデの言ってた海底神殿説はまずあってるね」


「アトランティスとかそういうの好きだもんねお母さん」


「まあまず魔法なんて使わせたら確実に再現してるね」


「というか私、小さいころにアトランティスに言った話を聞かされた記憶があるんだけど、冗談だと思ってたけどホントだったのか」


「……いやその話が一番びっくりなんだけど」


オトハと共に閉口する。


「とりあえず海中にあるのはいいとして、問題はどうやって行くかだけど……」


「ウンディーネなら水中でも自由に活動できるんじゃないの?」


オトハの質問にゼオンが答える。


「できると思うが、ある程度慣れる必要があるし、そもそも数が少なすぎて本気伝神殿を攻略しようと思ったらもっと人数がいるだろうし」


「まあ多分母さんなら簡単に入れるような仕組みにはしてないと思うけど」


「まあそれはなんとなくわかる」


「……いったいどんなお母様なんですか……」


シオンが若干引いてる気がする。


「と、とりあえずマーレで資料集めてみたら?」


やっとまともに発言できた。


「あるかどうかはわかんないけど、やってみる価値はあるか。よし、行こうかゼオン」


「了解」


シズネとゼオンが立ち上がり部屋を出ていく。


「……あの二人何しに来たんだろう……」


「私も何のために呼ばれたのかな……?」


そうつぶやきつつも、次の仕事に向かうべくオトハも部屋を出ていく。


「私たちもそろそろ行きましょうか」


「そうね」


もはや日課のようになっているが、シオンと一緒に部屋を出て街を歩く。

祭りのせいか、それとも各国政府の働きかけのせいか、王国などから流れてきた冒険者たちによって町は一層賑やかになりつつある。


この街の周囲のモンスターのレベルは低いので初心者の冒険者も集まるし、各国から出される討伐依頼(主にメンシス)の高い報酬目当てに腕に自信のある冒険者も集まる。

ただし、高い報酬の依頼は基本的にC-ランク以上の冒険者しか受けられないため、この世界の冒険者には厳しい仕様になっている。

なぜ、制限があるのか。基本的に冒険者というのは〈戦神の加護〉を受けてないらしく、場合によってはモンスターとの戦闘で死に至る可能性があるらしい。もちろん加護を受ける方法はあるのだが、神殿への莫大な寄付が必要など、一般庶民には厳しいのである。


そんな苦労も知らずカナデとシオンはギルド前の人だかりを眺めながら自警団本部へと入っていく。

戸を開くと真っ先にアスカに声をかけられる。


「あ、おはようございますカナデさん」


「うん、おはよう。とりあえず全員座って。これからの行動についてざっくり決めるから」


「また何かイベントでもあるんですか?」


ミサキが発言する。


「ちょっと神サマに殴り込みにでも行こうかなと思って。それでこの中から同行者を募ろうと思って」


「それならオレが!」


タツヤが起立&挙手する。


「ごめんタツヤ。男子チームは待機だって」


「なんでですか!?」


「なんかハルトさんがダメだって。で、女子の中から5人……まあシオンと私入れてあと3人なんだけど」


タツヤがハルト赦すまじとか黒いオーラを出しながらぶつぶつ言ってる。そんなに外に行きたいのだろうか。


「あ、そうだアスカは事情知ってるから強制ね。で、あと2人」


ほぼ全員があげた。だからタツヤはダメだって。


「っていうか事情ってなんですか?」


モエが質問する。


「今はまだちょっと話せない。ごめんね」


モエがさらに追い打ちをかける。


「今朝急に現れた〈女神の僕〉っていう称号と何か関係あるんですか?」


あ、私も増えてる。といった声が上がる。どうやら全ステータスが結構な量上昇するらしい。


「え……なにそれ……。ま、まあそれに関しても心当たりはあるけど、それも含めて帰ってきてから全部話すから。ちなみにシオンも増えてた?」


「はい」


ばれるのも時間の問題か……。


「残りのメンバーはじゃんけんでもなんでもいいから決めておいて」


じゃんけん大会の声を後ろに聞きながらアスカとシオンと話す。


「ヤマトまでどのくらいかかるんでしょうか」


「ステラがメンシスからなら魔法船で3日とか言ってたような」


「本当に居るんですかね」


「さあね。でもいなかったら観光という事にするし」


「あ、いいですね。着くころにはすっかり春になるそうなので櫻みたい花が見れると嬉しいです」


「結構長いこと居るような気がするけどまだ1か月か」


「もう一か月じゃなくてですか?」


「正式には今日で29日目ですね。明日で初春月はおわりで明後日から早緑月に入ります」


「まあ来月の事は来月考えるとして、そろそろ決まった?」


「今回は勝ち残りました!」


拳を掲げるモエ。


「よろしくお願いします」


それとナナミが同行することに決まった。


「私もカナデさんと旅行行きたかったなぁ……ナナぁ代わってー」


「お土産買ってきてあげるから」


マナミをたしなめるナナミ。


「じゃあこのメンバーで行くってハルトさんに伝えとくね。じゃあ本日は解散!」


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