表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女神の箱庭I =カサナルセカイ=  作者: 山吹十波
第12章 暴龍と女神の選択
125/307

続・代表会議Ⅵ -12-07-

一気に情報が入ってきたため混乱したステラがアスカに連れられて退室した。


「それで、これからどうしようか?」


ハルトが問いかける。


「先に言ったばっかりだけど、私は7班連れて旅に出るね」


「え?まさか全員?」


「ダメなの?」


悲しそうな目でハルトを見つめてみるカナデ。小さいころからこれをすると父親は思い通りになったという実績がある。歴代の同級生にも有効。


「いや、そんな目で見られても……くっ」


「おい負けんなよハルト」


エイダイがじと目でにらむ。


「お姉ちゃんのおねだり破壊力高いからなぁ……」


「なんか一回耐性ない男子にやってぶっ倒れたんだったなぁ」


姉さんがよくわからないことを言っているが気にしない。


「さすがに全員は無理だね。防衛とか、メンシスの攻略とかもあるし……。できればカナデさんにもいてほしいんだけど……」


「とりあえず主犯格に会わないと神殿探してもなぁ……。じゃあとりあえずツバサに隊を預けて5人ぐらい連れて行こうかな」


「まあ5人ぐらいなら……」


「よっしゃ。シオン招集かけといて」


「了解しました。ツバサさんに任せるってことは私は行っていいんですよね?」


「もちろん」


「世界破壊級の戦力2人も行かせていいのか代表」


「エイダイが止めてくれるっていうなら任せるけど」


「……無理だな」


「じゃあとりあえず次女はヤマトで、長女は?」


「私はマーレを探るわ。ゼオン借りてもいい?」


「いや、ゼオンさん居なくなったらうちの隊の仕事誰がやるの?」


「いや、自分でやれよ……」


思わず突っ込みを入れたエンマ。


「まあいいか。で三女は?」


「私も旅に出るー。精霊の湖のあたりにエルフの里があるらしいからそれを探してくる」


「君たち自由すぎない?」


「諦めろ。どうせ逆らえない」


エイダイが腕組みをしたまま深く座る。


「……ハルト、いいですか?」


「どうしたの?キクロ。珍しく挙手なんかして」


「このまま神殿攻略がメインになったら学園とかどうするんだ?」


「………………………」


「おい閉口するな」


「そのことなんですが、一つ案が」


意見はクロエから上がった。


「魔法についてはどうにもならないとしても、武器とかに関してはそこそこのレベルのスキル持ってる人をひっとらえて、鍛えるというやり方があると思います」


「オレたちレベルの事をこの世界の連中にさせたら死ぬ気がするんだが……」


エンマの云う事にも一理ある、とハルトもそれにうなずく。


「ヘシオドス生きてたから大丈夫じゃない?」


シズネの言葉にカナデが確認を取る。


「それは、ヘシオドスが丈夫だったってだけじゃないの……?というかスキル持ちの判別はいったい誰が……?まさか私?」


「いやいや、ギルドでできるぞ?というかお前副代表だろ?」


「え?そうなの!?」


「はあ……もうちょっと自覚持とうぜ……」


エイダイがため息をつく。


「じゃあ、ギルドにそれらしい人が現れたら報告するように伝えといて」


「了解」


「それで、探索班と学園はこれでいいとして……」


「いやいやちょっと待とうぜ、オレたちも探索行きたいんだけど!?」


エイダイが叫ぶ。


「えー?でも女神選びみたいなもんでしょ?男は待機でよくない?」


「まあ一理あるな」


エンマは頷く。


「もしかしたら男神でもいいかもしれないだろ?」


「龍が選ぶんでしょ?ほら、龍って大体美女を欲しがるじゃん?」


「メスの龍とかさ……」


「見つかった時に行けばいいじゃない」


「くっ……」


「とりあえずギルド評価B-以上の人が街の外に出る時は僕の許可が必要ってことにしとくから」


ハルトは虚空で何かを操作している。そう思うと、メールが届いた。

さっき言われた内容と同じことが丁寧な文体で書いてあり、署名もある。


「ハルト・ウエスギって……なんで前と苗字違うんですか……」


「へ?そうだっけ?僕はずっと上杉だけど」


「よくもまあそんな見え透いた嘘を……」


「そろそろ代表の不信任案とかだすか?」


エイダイは割と乗り気である。


「というかギルド評価って何?」


カナデが首をかしげる。


「ギルドカードに大まかなステータスの表示として書かれてるだろ?」


「わ、ほんとだ」


「なんでB-なの?もっと高くて大丈夫でしょ?」


自分のカードを眺めながらオトハが質問する。


「いや、ほとんど全ステータスがA-以上のオトハはわからないだろうけど、基準不明のこの評価方法の中で平均Aとかとれる人はまずいないから」


「え?でも私平均Aだけど?シズネお姉ちゃんでどれぐらい?」


「私でBとかかな……INTだけならSあるんだけどCONとかDEXとかは低いから」


「まあそんなもんなんだよ。ちなみに僕でB+。エンマとエイダイはBだね」


「なんで知ってんだよ……」


エイダイとエンマが引く。


「……いや何もひかなくてもいいじゃないか」


「シオンは?」


「私はC-です。そういうカナデさんは?」


「ええっと……A+」


「……おねーちゃん、レベルは?」


「最近龍倒して59になった」


「なんで75超えてるオトハを60にギリ届いてないカナデが超えてるのよ……」


「さあ?なんかいろんな称号のせいで上がりまくってるからよくわかんないし」


「カナデさんのステータスってたしか欠点なかったような気がするんですが」


「うわー、この子ゲームでもそうなの」


姉さんが頭抱えているようにも見えるが、理由はわからない。


「でも女神系の称号が上昇値大きいからそのせいかも?」


「あるじゃん!女神になるメリット!」


「まあまあ、とりあえず今日は解散にしよう」


ハルトの言葉で会議は終了となった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ