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女神の箱庭I =カサナルセカイ=  作者: 山吹十波
第12章 暴龍と女神の選択
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代表会議Ⅵ -12-06-


「で、何があったのか説明してもらえる?」


「えっと……その前に傍聴人多くないですか?」


部屋の隅にはシオン、ライナルト、ステラ、そしてその警護役としてアスカが座っている。


「一応、あの場にいましたので」


「わが領地についての事だ。聞いて当り前だろう」


「女神がかかわることとなっては教皇として聞いておかねばなるまい」


三者三様の意見。


「まあ言い分はわかりましたが、……ライナルト王」


「なんだ?」


「神殿はフロールの所有なんですか?」


「そうなっている」


「ふん。罰当たりめ」


「そうですか。なら、すぐに手放してください。さもなくばあの龍が王都を襲います」


「なぜそんなことがわかる!?それにあの龍は倒したのではなかったのか!?」


ライナルトが椅子から跳ね上がりながら叫ぶ。


「アイツ不死身だぞ。倒せるかよ」


エイダイが聞こえるようにつぶやく。

その時、扉が開き、アマートが顔を出す。それに続いてルイが部屋へと入る。


「一応スペーラには説明責任があると思うんだけど?」


渋い顔をしたハルトがアマートに座るように勧める。


「えー……もういいですか?わかったことを説明していきたいと思います。まず、残りの神殿の場所ですが……」


「わかったの?」


「いえ、全く分かりませんでした。ただ、一つ心当たりが」


「へー?それは?」


「たぶんですけどマーレに一つ神殿があります」


「そうなのか?確かに我々の国は女神信仰が厚いが」


「マーレ沖の海中にあると思われます」


「何!?」


「どうしてそう言い切れるの?」


シズネが質問する。


「まあ今はそれだけしか言えないかな。で、ヘシオドスの件だけど、彼女はたぶん死んだ」


「バカな。神が死ぬというのか」


ライナルトが食いつく。


「死ぬらしいよ?西側からの軍勢を止めるために最後の力つかったみたいだけど。詳しくは星辰に聞いて」


「それで、他には?」


「いや、特にないから。とりあえずアマート首相とライナルト王にはいったん下がってもらって……」


「どうして教皇を残すのだ?」


「発注してもらってた法衣とかの確認をしてもらわないといけないので」

『すみませんレイさん。とりあえず話し合わせてください』


「ああ、そうでしたね。それとも、御二方も御作りになられますか?」


「いや……」「では、失礼します」


2人の男が部屋を出ていく。それを追うようにしてルイも続く。


「さて、邪魔者もいなくなったし本題行こうかな」


「なぜステラさんを残したんですか?」


「ステラにも関係ある話だからね。とりあえず、何から話せばいい?」


「女神とはなんなのか……わかったんでしょう?」


シズネが微笑を浮かべながらこちらを見る。


「うん。女神はもともと私たちと同じ異世界出身らしい」


「え?」「マジか」「なるほど」


「ちょっと待て……異世界!?」


ステラが焦った様子でこちらを見る。


「ステラ、ちょっと待ってね後で詳しく話すから。それで、異世界から来た10人にヘシオドスを合わせて11人で魔王を封印。その後9人で西大陸を封印した。その封印のために神殿が残ってるらしい」


「それで女神たちは?」


「元の世界に帰ったみたいだけど……門にかかわってない2人については何も言ってなかったけど、ヘシオドスはこの世界の人間だから残ってたらしい」


「でも女神がいないんじゃどうやって門を開けるの?」


「神殿の最奥部にステージがあって、9つの神殿で9人が魔力を込めれば開くらしい。ただし、入れるのは龍に認められて《神格》を得た者だけ」


「あれ、カナデさんワルキューレの種族クエストで《神格》獲ってませんでしたっけ?」


「だから私が呼ばれたの」


「つまり龍倒して《神格》を得れば女神になれるの?」


オトハの質問にカナデが頷く。


「それはオレたちでもいけるんじゃないのか?」


こう言ったエイダイがもう抗議をあびる。


「まあ選ぶのは龍だからね。で、紆余曲折あって私が今無の女神になった」


沈黙。


全員を代表してハルトがカナデに質問する。


「とりあえず聞くけど、何やったらそうなるの?」


「軽く星辰屠ったら認められまして、ちなみあの白い龍は私の制御下にあります」


「女神ってどんな感じ?」


「いや、特に変わってないけど……」


「おねーちゃんが女神なら私たちも見込みあるかな?」


「どうだろうね……そういえばマーレの神殿が何とかって言ってたけど」


「姉さん。お母さんが行きたがってた場所どこか覚えてる?」


「ああー、アトランティスとか行ってみたかったなぁって言ってたような……でもなんで今聞くの?」


「ヘシオドスに言われたんだけど『リツによろしく』って」


「母さんどこにでも行く人だと思ってたけど、まさか異世界にまで来てるとはなぁ……」


「納得するのか……」


シズネのとなりでエンマが驚いている。


「もしかして、こっちの世界と私たちの世界は時の流れるスピードが違うんじゃ?」


「そうかもしれんな」


「じゃあ、メンシスと平行してマーレも探る?」


「学園の事もありますし、とりあえずメンシスの事が終わってからで。それにちょっと用事ができたし」


「用事?」


「私たちをこの世界に送り込んだ首謀者にあってきます。7番隊連れて行きますがいいですか?」


「……わかった」


「首謀者って誰なんですか?」


「ヘシオドスはアポロンって呼んでたけど、たぶん天照大御神の事じゃないかなーと」


「ちょっと大物すぎないか?」


「それで、ステラ。ヤマトまで船に乗せてほしいんだけど……」


「それはいいのだが……私はこれからカナデの事を何と呼べばいいの……だ?」


「一応、私が司ってるのは《無》《夢》《戦》《創造》らしいよ。女神としての名前はアルモだけど今まで通りカナデって呼んでね。あ、口調もそのままね?」


「う……わかった」


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