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女神の箱庭I =カサナルセカイ=  作者: 山吹十波
第11章 力と知恵と魔法と
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風の長と無(武)の権現 -11-11-


期間開けてしまって申し訳ないです


『あれ?あなたは予選落ちのヨウさん』


『それを言うな。やあやあみなさんごきげんよう』


帰れとヤジが飛ぶ。観客全体から。


『それじゃあハルトさんについてだけ吐いてさっさと消え去ってください』


『冷たくね?』


『そうですか?ヨウさんに対してはこんなもんでしょう。それよりはやく情報を吐きなさい』


『ハルトという男はギルドマスターなんてやっていたけれど、そこまで強いわけではない。と、思っていたのだが、あいつの鎌の扱いや風の魔法との組み合わせは一級品だ。ところでメアド教えてくれない?』


『なるほどよくわかりました。ではこのアドレスを上げるのでさっさと消えてください』


『………@nbio832dfvsd.comってこんな狂ったドメインあるの?』


『さあ?メールしたら100億くれるそうですよ?』


『スパムじゃねーか!』


『誰が自分のメアド教えるって言いましたか?』


『……まあいいや。さあサイコロを振らせてくれ』


『え?もう振りましたよ?』


『なんで!?』


『いえいえ気にしないでください。6-3“工場”です』


『……前々から聞こうと思ってたんだけど、俺ってどれぐらい嫌われてんの?主に女子に』


『え?それ聞きます?……自殺者とか出したくないんですけど』


『え?そんなに?』


中世風の闘技場の真ん中に21世紀(げんだい)風の工場が建っている。

違和感しかない光景だ。……というかもう少しマシなステージはなかったのか。


「うんうん確かに。この時代に化学工場はないよね」


「え!?これ化学系なんですか?引火したらどうなるんですか!?」


「ええっと……消火?」


「当たり前じゃないですか!」


『では試合開始です!』


「え!?もう!?」


「とりあえず軽く《風神の鎧》」


『いきなり聞いたことないのが出ましたが』


『全ステ2倍とかいう意味わからん魔法だった気がする』


「ハルトさんは二重起動使えたんですか……」


「あれ?言ってなかったっけ?」


「ええ、まあ、もういいです」


その瞬間視界からハルトさんが消える。


「……っ!?」


『おっと、ハルト。カナデさんの背後に回り込んでこうげきだーっ!』


『そーですね男の風上にも置けませんね』


「なんなの?敵しかいないの?不敬罪でも作ろうかなぁ」


『まあそんなことにしたら一揆だな』


『一揆ですね』


「うわー敵しかいねぇ」


「ああ、あるほどね。風神の息吹、風神の息吹で風神の鎧か」


全身を風が纏う。


「僕の強化あんま意味なくなったし」


「一撃で行こう」


「え?何そのバカみたいにデカい魔法陣」


「あれ?一回使いましたよ?エイダイが」


『「アレか……」』


『ああ、地獄三昧(フルコース)ですか』


フィールドが炎と雷と氷に包まれる。


『……あれって二人がかりじゃないと無理なんじゃなかったのか?』


『データによるとカナデさんは三重起動ぐらいなら軽くできるそうです』


『というかハルト死んだだろ』


「いえ、殺り損ねました」


コンクリートの瓦礫の下からハルトが顔を出す。


『ちっ……』


『ああそういえば倍率ですがカナデさん1.12倍、ハルトさん9.09倍です』


「マジで嫌われてんの?オレ」


『えーっと……イケメンは死ね、美少女は生きろ、だそうです』


「男連中マジで後で覚えとけよ」


「神の恵み!……よし、回復」


「あれ?回復ってアリだっけ?」


『アリです』


「もういいや、本気の魔法で行こうか」


胸の前で二つの魔法陣を交差させる。


「させません。ヴァニティーブレイド!」


『……えっと。またよくわからない魔法が炸裂しました。ついでにハルトさんの魔法陣も砕け散りました』


「……何それ?」


膝に手をつきながら立ち上がり、ハルトが言う。


「詠唱停止の効果があるそうです」


「いや、あのタイミングであてられたら大概の詠唱は失敗する気もするけど……」


「相剋の法」


考え込むハルトに容赦なくカナデの魔法が撃ち込まれる。


『おっと!ぼーっとしてるハルトに攻撃!ざまぁみろ!』


『またもや見たことない攻撃ですね……という事で解説チェンジです』


『え?ってうぉおぉおおおおお……………』


椅子ごとヨウが消え失せる。代わりにに入ってきたのはシオンだった。


『ホントはキクロさん呼ぼうかと思ったんですけど。いろいろめんどくさそうなのでシオンさんです』


『よろしくお願いします』


『それではあの魔法はなんでしょうか』


『ええ、簡単に言いますと、5分間すべての系統が弱点になります』


『それはかなりえぐいですね』


『今現状普通に戦ってますがカナデさんは次の手を考えてますね』


『えっと……速すぎて何やってるのか全く分かんないんですが、っていうか音速越えてませんか?!』


「これは魔法掠ったら死ぬよね……」


いつの間にか取り出した両手の鎌をくるくる回しながらカナデに話しかけるハルト。


「そろそろトドメとかどうですか?」


「……まだ早いんじゃない?」


「遅いぐらいじゃないですか?」


そう言った直後、距離を取ったカナデの背後に無数の魔法陣が出現する。


「大丈夫です。全部10系統の初級魔法なので」


「えっと……参考までに聞くけど……何発?」


「今すぐ撃てるのが400、回復に従って1秒で+2発ぐらいですかね?」


「現実的な数字だけど一切よけきれる気がしないし!」


連続で発射される魔法弾を必死で躱すが、当たれば5%はHPを持って行かれる。残りのHPは50%もない。


『カナデさんが鬼に見える』


『あのぐらいウチの隊の訓練なら普通ですよ?ここに私の狙い撃ちが入ると思ってください』


『君たちは神でも狩るつもりなの?』


386発目の魔法弾が命中し、ハルトがダウンした。


『あ、勝者カナデ!』


『一国の主が負けて良いんですか?』


『でも、誰も代表になんてなりたがらないでしょ?じゃあいいんじゃない?』


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