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女神の箱庭I =カサナルセカイ=  作者: 山吹十波
第11章 力と知恵と魔法と
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炎の化身と水の精霊 -11-07-

『さあさあそれでは本日最終試合です』


『エンマ対シズネか……まあ見てみたく話あるけど』


『ちなみに倍率ですがエンマさんが2.000倍、シズネさんが1.996倍です』


『若干シズネの方が高いのはやっぱり相性の問題かなぁ』


『でしょうね。それではサイコロどうぞ』


『4-6』


『“無”ですね』


『無?』


『見ればわかります』


例の如く魔法陣から出現したフィールドは真っ白で何もない場所。


『……確かに無だね。これは手抜きじゃなくて?』


『手抜きではありません、たぶん。それでは試合開始です!』


「まさか初戦からエンマとは」


「まあいつかは当たっただろうし気にするな」


「まあやるからには勝つけどね」


「そうか」


複雑な魔法陣に魔力を注ぎながら答える。


『なんかいきなり最上級の魔法使おうとしてませんか?あの二人』


エンマの魔法陣から吹き出す青い焔とシズネの魔法陣から吹き出す氷が中央で衝突する。

凄まじい爆音を上げた後、焔と氷の散らばるフィールドが完成した。


『今のどんな最終戦争ですか?』


『フィールドも炎と氷で埋め尽くされちゃったね』


「味気ないフィールドにちょっとは華が出たかな?」


「オレはシズネが居ればそれでいいが」


『あんなセリフ言えるもんなんですね。ハルトさんちょっと私に言ってみましょう』


『え?イヤだよ?』


エンマの構えた大剣が燃え上がる。


「もう大剣は見飽きたかもしれんな」


「私短剣であなたに勝てるのかしら」


右手で持った短剣をくるくる回しながら笑うシズネ。


「行くぞシズネ!」「来なさい!」


走り出す両名。

先ほどの魔法によって氷と炎の散らばる中を走りながら刃を合わせていく。


「やはりスピードでは無理だな」


「そうみたいね。後ろ貰った!」


エンマの肩を飛び越え背後から斬撃を加える。


「くっ……」


さらに距離を取り、魔法陣を張る。


「水龍瀑布!」


水でできた龍がまっすぐにエンマの方へと突進する。


「甘い!」


真っ直ぐに突進してくる龍の方へと走りだし、魔法を斬る(・・)エンマ


「うそっ!?」


エンマが眼前まで迫るが対応が遅れダメージをもろに食らうシズネ。

フィールド反対側にある氷柱に激突するまで吹き飛ばされる。


『……魔法って切れるんですね』


『……僕も初めて見た』


『この二人喧嘩とかさせたらこうなるんですよね』


『全力で止めないと大陸ごと消し飛ぶね』


「なんで精霊種族なのにそこまでSTR高いのよ……!」


「そんなことオレに言われてもな」


「……それじゃあちょっと本気出すね」


両手に蒼の魔法陣を展開し胸の前で合わせる。


氷龍の嘆き(ドラゴン・ラメント)!!」


「また龍の魔法陣か!」


魔法陣から吹き出す強力な氷のブレスを燃える大剣を盾に防御するエンマ。


「くそっ……威力が強すぎる!」


パキパキと音を立てて大剣を握っていた右手が凍り始める。

とっさに手を放し自分の周りを火の檻(フレイムケージ)で包む。

これで一息つけるかと思いきや、その炎すら凍り始めた。


「どう?とっておきの魔法の威力は」


エンマのいた場所には炎の形をした氷塊が立つ。


『これって決着ついてませんか?』


『まだエンマのHP残ってるから。1割もないけどね』


シズネが止めの攻撃の準備を始めた時、氷塊が爆散した。


「……っ!!?」


激怒の火焔(ラース・フレイム)だ」


炎の渦を体にまとったエンマはゆっくりと剣の方へと歩き、剣を引き抜く。


「……直前のダメージを火力に返還するんだっけ?」


「覚えてたか。ちなみにオレが喰らったダメージは800程度だ」


「それ受けたら私即死だから」


炎を纏ったエンマがまっすぐに突進する。


「水牢×2!」


巨大な水の球体がエンマを包むが一瞬で蒸発する。


「無駄だ」


「そうかしらね?」


逃げ回りながら何度も水牢をかけ続けるシズネ。

気づくと結界内は前が見えないほどの水蒸気に包まれていた。


「!!……これが目的か!」


「いやいや、あなたの周りは炎で温度高いから見えるでしょ?でも、この水蒸気全部氷らしたらなかなかすごいことになると思わない?」


「くそっ……熾天使の(セラフィム)っ」


氷狼の咆哮(フェンリル・ハウル)!」


真っ白だったフィールドが紆余曲折を得て最終的には真っ白に凍った。


『勝者シズネ!』


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