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女神の箱庭I =カサナルセカイ=  作者: 山吹十波
第11章 力と知恵と魔法と
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副官と前衛ヒーラー -11-03-

『さて、軽く事件が起きましたが次の試合行きたいと思います』


『流していいことなの?一回審議した方が良くない?』


『気にしません。次の試合は3番隊副隊長ルイと8番隊副隊長クララです。倍率はルイ1.63倍、クララ2.56倍です』


『クララってヒーラーだよね?』


『そうですね。でも次の試合でハルトさんが戦うリリさんもヒーラーですよ?』


『あ、そうだ。リリさん棄権したからオトハとゼオンは早めに準備しといてね』


『そんな大事なことをさらっと言わないでくださーい』


『それじゃあ、サイコロふるね?』


『ちょっ……勝手に進めないでください!』


『2-2だね』


『それでは“交差点”フィールドです。ちなみにこのフィールドはアクティブフィールドです』


『何それ?』


『そうですね。この場合……車が走ってます』


『……それは普通に危ないね』


『それでは試合開始!』


「ちょっと……ホントに車走ってるし」


「……信号まである」


青信号の横断歩道を渡りながらルイはクララを探す。

自動車はかなり早めの速度で横を通り過ぎてゆく。


「これ轢かれたら死ぬよね?」


「おーい!ルイ」


赤信号の向こうでクララが手を振っている。


「その調子で大丈夫なの?」


「先手あげようか?」


「とりあえず信号変わってからね」


「そんなの待たなくてもいいじゃん」


地面に地の魔法陣が描かれる。


「ロックウォール!!」


車道を遮る石の壁に車が衝突し大事故に発展していく。


「うわぁ……」


「ぼーっとしてたら私勝っちゃうかもよ?」


杖というよりも棍に近いそれを軽々と回す。


「最近スキル進化してね……棒術っての覚えた」


「へぇ……」


剣の刃で棍を受け止めながら、魔法陣を起動するルイ。しかし、クララからの不意のウィンドカッターに気を取られ、失敗に終わる。


「魔法剣されたら受けきれないから全力で阻止するよ?」


「じゃあ他の手を考えないとね」


ルイの左手が銀色の光を発する。その手で刃をなぞっていくルイ。


「……何それ?」


「武器に直接掛けるエンチャントスキル《鍛錬》。レアでしょ?」


「前そんなの持ってなかったじゃん!」


焦るクララにまっすぐに斬り込む。クララの背後には先ほど事故った車が燃えているので後ろに避けることはできない。

思わず棍でうけたるが驚くべきことが起こる。


「うそ!?斬れた!?」


『あの棍はデータによるとミスリル製で、作はヨウジさんですね』


『斬れるもんなんだねぇ』


「何を呑気な!」


「ほらクララ!ぼーっとしてたら勝っちゃうよ?」


「うぐ……」


魔法陣を使わず風弾を撃ちながら撤退するクララ。


『あんなことできるんですか』


『まあ自分の技能(スキル)にある奴ならできるらしいよ?試したことないけど』


クララを追い、車道に飛び込むルイ。


「おっと、ルイ。信号は守った方がいいんじゃない?」


右手をさしながらクララがそう言った。

その先にはトラックが高速で迫る。


『まさかここで交通事故が拝めるとは』


『拝むようなもんじゃないですよ?』


「これは私の勝……ち……?」


ルイの華奢な体を跳ね飛ばすと思われたトラックは綺麗に両断された(・・・・・)


「誰の勝ちって?」


「もう人間業じゃないよ、ルイ……」


「そろそろ決着つけようか……炎龍の爪」


ルイの両手に龍を思わせる紅い魔法陣が広がる。


「それじゃあこっちも大技で」


「魔法剣Ⅳ……mode:Dragon」「雷神の槌(トール・ハンマー)!!」


激しい焔を纏った剣と雷の槌が激突する。

土煙の晴れた後のクレーターに立っていたのはルイだった。


『勝者はルイさんです!しかし魔法剣Ⅳなんてあるんですか』


『僕も実際に見たの初めてかも。しかしmode:Dragonって』


『炎が強すぎてミスリルの剣が変形してますよ』


『というか結界がいかれたっぽいから昼休憩かねてこれから修理です』


『それでは皆様第5試合で逢いましょう!』


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