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女神の箱庭I =カサナルセカイ=  作者: 山吹十波
第10章 冒険者の街とお祭り騒ぎ
104/307

カウントダウン:1 -10-14-

実質の100話目です。

これまでありがとうございました

これからもどうぞよろしくお願いします。

各国のトップを引き連れたハルトは学園を含む魔法研究機関の敷地に入っていった。

さすがに警護隊×3+フロールの騎士を合わせると目立つ。というよりかなり邪魔だ。


「右手が学園の校舎になる予定です。奥にあるのは学生寮。そして左手が研究棟。まず、研究棟から案内……」


ハルトがそこまで言ったとき研究棟の最上階の部屋が爆発した。


「……できそうにないのでまず学園から周るね。カナデさん、アレ何とかしてきてくれない?」


「了解でーす……」


カナデが研究棟の中へと消える。


「カナデ一人で何とかなるものなのか?」


「彼女は時間回帰使えるから」


さっきまで煙を上げていた壁に複雑な魔法陣が現れ壁が修復されていく。


「さあ、サクサクまわろうか」


「我々は今着いたところで疲れているんだが……」


「馬車なんかで来るからそうなるんですよ」


「アマートは船か……そちらの教皇様はどうやって来たのか」


「カナデに転移魔法陣張ってもらっただけが?」


ハルトの後ろで何やら話が聞こえるが基本無視する。


教室や魔法耐性のある訓練室をまわる。


「基本的に魔法の訓練は訓練室で行いますが、場所が必要なときは後で向かう闘技場で行います」


ハルトについて歩くステラの横に急にカナデが現れ驚くマーレ&フロールの一行。


「ハルトさん。全部元通りになりました。あと、キクロさんをゼオンさんと二人で説教しておきました」


「ありがとう。じゃあ研究棟に行こうか」


階段を上りながらハルトが話しを続ける。


「とりあえず今日は1、4、5、6番研究室を見てもらおうと思う。2、3は室長に断られたので」


「2、3番研究室の室長誰なんだ?」


ステラがカナデに問うと。カナデはため息をつきながら、メニューを操作し、魔研用の制服に着替える。


「私が3番研究室の室長、で」


「私が2番です」


「なぜ断った?」


「見せられるほど研究してないんだ私は」


とカナデが答える。一方のシオンは、


「明日からの試合で披露するのでわざわざ見せるほどでもないかと」


1番研究室のドアを開けると若干焦げたキクロが楽しげに完成させた魔導機具の説明を始めたが、長くなりそうなのでハルトが途中で切り上げ、次の部屋へ。


4番研究室からは絶対に有毒な紫の煙が出ていたためスルー。

5番研究室はゼオンさんがまともに説明をし、6番のヴィクターの所へ行ったときにまた爆発が起きカナデが出張。ヴィクターもキクロに説教するべく同行する。


「すみませんねバタバタして、次は闘技場に」


後ろで起こる爆発を無視して、できるだけ早足で闘技場へ向かう一行。


『何があったの?』


『キクロさんの爆発でクロエの研究室の魔法薬に引火しまして……とりあえず今消火活動中でっ…うわぁっあぶなっ』


ドオーンという音が後ろで響く。


『本当に大丈夫?コレ』


『もうすぐ片付きます』


一応カナデを信じて闘技場に向かう。


「これはすごい」


王子×2も納得の出来。

カナデも合流し、説明を始める。


「カナデさん大丈夫ですか?」


「うん。それより焦げ臭くない?私」


「問題ないです」


「カナデさん!よければもう一度手合わせしていただけませんか?前回のアレは油断していただけです」


「ラルフ?」


となりを歩いていたライマーが戸惑う。


『どうするべき?』


『君が出ずともオーバーキルになるんだけどなぁ』


一応、ラルフのステータスをチェックする。


――――――――――――――――――――

ラルフ・フロール

LV 34

《剣術》

《現代魔法:系統・光》(C)

《現代魔法:系統・火》(C)

――――――――――――――――――――


ステラよりも弱いが、系統2つ持ち……こちらの世界ではそれなりに強いのかもしれない。


「カナデさんが行くまでもないです。私が殺します」


「殺しちゃだめだからね?」


「シオンさんが行くまでもないです」


タツヤが一歩前に出て剣を抜く。


「ここはオレにやらせてください」


「いいだろうフロール一の剣術を見せてやる」


仕方ないので、2人を闘技場の結界の中に飛ばすカナデ。


「オレに勝てなったらカナデさんには触れることもできないね。うちの隊長はオレの数十倍は強い」


「前回は隙を突かれて気絶しただけだ、お前のような下っ端には負けん」


「えー……では試合開始?」


困惑したままハルトが号令をかける。


飛び出したのはラルフだった。


「行くぞっ!」


剣を抜き一気に距離を詰める。


「シオンさんの10分の1のスピードも出てないな。簡単に見切れるぜ」


体を捻って剣を避け、魔法陣を展開する。


「くらえゼロ距離サンダーショック!」


「ぐああああああぁっ!?」


全身から煙を上げながら倒れるラルフ。HPは残り3割ほどだ。


「予想の五倍は弱いな……カナデさんコレトドメさしていいですか?」


「うん」


「いや『うん』じゃないから」


結界から出るととりあえずイーリスがラルフの治療を始めた。


「どうだった?かっこよかった?」


「先手取られたし」


「剣も結構ギリギリで避けてた気がする」


「魔法の効きもイマイチだったし」


「咽喉切ったら一撃だったんじゃないの?」


「どうせイーリスが回復できるんだからもっと痛めつければよかったのに」


「うちの女性陣厳しい!」


その光景をライナルトとライマーは唖然として眺めていた。


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