表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
残念な山田  作者: きらと
32/36

24.3の続き

 昨夜、遅くに降り始めた雨は止んで水溜まりが辺りに出来ていた。泥に浸かる事も厭わず地面にうつ伏せになって身を潜める太郎達の体は、偽装材料に被われており遠目には茂みと一体化している。バーラップロール代わりに古着屋で買った布切れを装備に巻いていた。官品より私物や即席の物が使われる事は、軍隊でもよくある事だった。

 濡れた体から体温が奪われ、かじかんだ手先をほぐそうと指を屈伸させた。寒さと言うのは便意を我慢するよりはましだと言うのが持論だった。

(腹が痛いのだけはどうにもならない。戦争でも赤痢や下痢が流行れば戦えない。やっぱり腹痛こそ最大の敵か)

 警戒をしていても予期せぬ事が起きるのが戦場で、太郎はティームリーダー、すなわち指揮官としての決断を迫られる事も多い。

 太郎は第二次世界大戦と現用装備に限れば軍事智識も豊富だと自負している。靖国神社にも参拝したし、国会図書館で大日本帝国陸軍の作戦要務令を眺めた事もあった。

 その事を他のオタクと話した事もあったが「昭和13年に制定された旧日本軍の太平洋戦争止まりな智識が役に立つか」「それを使った日本軍は負けたんだろ」と馬鹿にされ理解される事は無かった。

 確かに現代の米軍や自衛隊が使う教範とは違うが、その内容は日清・日露戦役等の戦訓が蓄積・反映された物だ。

(古いからと言って全てを否定できない。今の状況、ハイテク兵器のカタログデータだけ知っているよりも過去の戦訓が役立つ)

 過去を知る事は正しい。ただし片寄った知識に意味はない。太郎の自信と知識は根拠がなく実用性の無い物で、思春期に影響を受けて形成された人格は社会人としての一般常識に欠けていた。もっとも自分が馬鹿だと自覚して行動する者は少ない。自分がまともだと考えるのは主観的観測からだ。

 アジシオ川河口のサロベツにたどり着いた太郎は、中途半端ながらも知識を生かす機会に遭遇した。機会さえあれば自分さえ出来る。それが太郎の自信だった。

 アニマルコマンドーは外征を目的とはしない守りの組織だが、外征の能力が低いエルステッドでは十分活動出来た。攻撃的なベーグルならそれ以上の活躍が期待される。

 ベーグルの隊員は大隊長熊田2佐の目となって活動した。第3普通科連隊で2課長だった熊田2佐は情報と言う物の価値を知っていた。ベーグルに重要な役割を与えたのはアニマルコマンドーの隊員より実戦経験を積んでるからだった。

(何だかんだ言っても結局、やる事は変わらないし。便利屋か)

 ゴブリン、コボルト、ミノタウロスと群れを成す亜人は、まるで百鬼夜行だと太郎はその軍勢を見て思った。妖気なんて物を感じ取る事は出来ないが禍々しさはわかる。串刺しにされた首級を晒し血に酔っていた。

(やっぱりホラー映画とか見慣れてると、実際の死体って思ったほどグロくないな)

 冷ややかな視線を向ける太郎の前には、敵の側面があらわになっている。警戒が薄い行軍隊形を見ていると、ミヒャエル・ビットマンではないが勝ち戦に慢心した敵を前に決め台詞が言いたくなる。

 太郎はちらりと同じく個人偽装を施したパーティーメンバーに目を移す。クレアは刀身が光らない様に固形の靴墨を塗った剣を握っている。魔導師にとって杖は命の次に大事な物だろうが、ぺピは素直にバーラップロールを巻いて大人しくしている。リーゼはこの中で一番、場慣れしているのだろう。自然な姿勢で草木と一体化している。

(だけど、さすがに戦力不足か……)

 太郎の手駒が少なすぎた。

 再び亜人の軍勢に視線を向けた。指揮官の位置を示す旗指物が集まった箇所の中心で、亜人に交ざって人が笑みを浮かべている。情報で人が亜人に協力している事は知っていた。

(仲良くお喋りか。呑気な物だ)

 苦笑する太郎の隣で、クレアは明白な裏切りを前にして怒りから体が細かく震えていた。傭兵にとっては主人を変える事は珍しくない。だが越えては行けない線がある。亜人に味方する事は全ての国家・民族を敵に回す事になる。

 端的に言えば裏切り者を「ぶち殺したい」と言う感情に揺れていた。

 想像してみる。ひしめく敵に斬り込みなぎ倒す自分の姿――――血の海だ。

 自分の力量ならやれる。向かって来る兵士を切り伏せ、冑を叩き割り、首を刈り取り、なぎ払う。

 ふとリーゼが視界に入った。弓を持った敵は厄介だ。亜人は毒矢を使う。四方八方から降り注ぐ毒矢の雨は効果的だ。全部を避ける事は出来ない。

 さらさらだった血液も時間が経てば粘着質のある物に変わる。血に足を取られれば、矢がかするかもしれない。そうなれば毒が回りたちまち無力化される。

「ん――やっぱり危ないかな」

 自己完結まで数秒。組織という力の前に個人の武勇はちっぽけな物でしかないとクレアは知っていた。

『敵を知り己を知る』と言う事は簡単だが自覚する事は難しい。

 観察をしていると、「マンセー」と喚声を上げてエルステッド軍の一隊が攻撃を仕掛けた。

「何だ、あいつら」

 太郎の呟きに、クレアは目を凝らして言った。

「青龍大隊に猛猫大隊、白骨大隊も居るね」

 いずれも王国の譜代から仕える諸侯軍だが、旗指物はばらばら。撤退中、原隊からはぐれた落伍者が集まった部隊でタイミングは最悪だった。

 一矢報いようと言う襲撃だが、敗残兵と勝ちに乗じている敵とでは士気が違った。数で囲まれ討ち取られている。

(破れかぶれか、無駄死にじゃねえか)

 襲撃で警戒を高めた様で、目敏いゴブリンが太郎達の潜む監視点を指差して怒鳴り声を上げた。

「糞っ、見つかった」

 ばっと立ち上がり駆け出す太郎達の背後から投げ槍や石が飛んでくる。おおよそでも正確な位置を探し当てる野生の本能に恐れ入った。

「ああ、糞っ!」

 亜人が血の香りを纏って追かけて来た。亜人は獣の様に鼻が利く。生まれながらの狩人だ。にゃあ、にゃあとゴブリンの鳴き声が迫って来る。

 退路には太郎達を運んで来たアニマルコマンドーのピックアップトラックが待機している。

(引き揚げ時だ!)

 帰る気満々で走っていると、背後から64式小銃の馴染み深い銃声が聞こえ振り返る。

「近いな」

 アニマルコマンドーかベーグル調査員だ。死霊山脈で火薬式の砲台が存在したが、いまだにこの世界で銃を持つ存在は日本人だけだった。今回の場合は、単純に他の斥候班だと分かる。

「助けに行く?」

 クレアの問いを太郎は吟味する。後者であれば放って置いても問題はない。

 自分達も戦闘能力は低くない。十分な支援があればそれなりの成果をあげる自信が在った。後者の場合、来たばかりの隊員では戦闘力も低く、躍起になって向かってくる敵を振り切る事は難しい。

(こっちまで巻き添えに成るな)

 ベーグルはアニマルコマンドーにいた頃よりも行動の自由がある。優先するのは任務と部隊の生存。自分達を危険に晒すだけの価値があるかだ。

「様子を見よう」

 斥候に選ばれる者はそれなりの力量を持つ。太郎の言葉にクレアは頷き待機した。

 ベーグルはアニマルコマンドーより給与面で待遇が良い。三ヶ月も働けば、基本給だけでも軽く百万円を稼いでいる。金を稼いだ上でベーグルに残る一般隊員は、二種類に分けられ

る。暇潰しの腕試しをしたい者、単純にもっと金を稼ぎたい者。

 太郎は前者に分類される。稼げるだけ稼ぐのは当然だが、それよりも冒険と戦いの機会を失いたくなかった。

 しばらくして迫る敵兵の群れが見えた。先頭をアニマルコマンドーの隊員が追われている。

「あーあれは駄目だ。行こう」

 双眼鏡で確認した太郎は、助ける労力だけの価値はないと判断して移動を命じる。

「良いのかな」とぺピの呟きが聴こえたが聞き流す。

 人件費は太郎達、ベーグルの調査員の方が高い。それだけの役割と責任を背負わされている。

 太郎は助けに向かうよりも引き揚げを選んだ。パーティーの面々も現状を認識しており、特に異論は出無かった。

「早く行けよ!」

 怒鳴る太郎に対してアニマルコマンドーのドライバーはまだ全員乗っていないと言い返してきた。

(仲間意識より置かれた現状を考えろ)

 溜め息を吐くと太郎は小銃を構えるとドライバーに突きつけた。脅されたドライバーは、太郎の瞳を見てこいつならやりかねないと脅えながらも抗議の声をあげた。

「中隊に報告するからな!」

 はっきり言って敵が迫っているのに仲間だからと待っている余裕は無い。早く引き揚げなければ取り囲まれてしまう。いかに自動車と言っても囲まれたら脆い。敵の包囲を避けるには先に後退する以外の選択が無かった。

「ご自由にどうぞ。それより車を出せ、敵が迫ってるぞ」

 太郎の後ろからリーゼに弓で狙われ、クレアに剣先を突きつけられたドライバーは軽トラックを出発させる。

「24αからロミオメール。CASを要請する。位置は……」

 車載無線機で司令部を呼び出した太郎は爆撃を要請した。日本人の死体が戦場に残される場合、処理しなければならない。これは装備をこの世界に残さない為の鉄則である。

 航空支援統制所(ASOC)に居るALOを通して航空自衛隊に要請が出された。FACを乗せたヘリコプターが誘導の為に飛来して来る。飛行の制限をしていても、やらなければならない事は優先順位も高い。


     †


 サカイ県北部、ビクトリア湖に近いフリックの街は亜人の襲来で孤立していた。町の人口は千にも満たない。内戦で男手は駆り出され帰らなかった者も多い。

「戦が終わりこれからって時に、何でだよ……」

 嘆きながらも住民達は、在郷軍人を中心に自警団を組織した。だが亜人との兵力差から考えても長くは持たない。

「採掘場には日本人の傭兵部隊が警備でいたな」

 ビクトリア湖で地下資源の採掘を行う日本はアニマルコマンドーを警備に付けていた。邦人の警護は本来任務であり、アニマルコマンドーの存在理由だ。

「連中なら亜人を追っ払えるだろう」

 内戦中の活躍は伝説と化している。アニマルコマンドーなら亜人を鎧袖一触と追い払えると思えた。

「でも俺達に雇える程の金が払えるかな?」

 日本人傭兵の質は高い。その分、料金はべらぼうに高いと危惧された。年嵩の男は腕を組んで考えた。

「とにかく話は会ってからだ」

 結論は出た。いざとなれば命の方が大事なので、住民全員が支払いに協力する。

 代表の男達が湖畔をモアに乗って駆けていると船団が現れた。騒ぐモアの鼻を愛撫して落ち着かせた。

「あれは王軍か?」

 次々と小舟を繰り出して兵隊を吐き出して行く。

 フィダカァ山脈からビクトリア湖に注ぐアジシオ川には撤退支援の為に水軍が迎えの船を集結させていたが、急遽その任務は反攻作戦に変更された。実際の作戦の立案は、内戦中にコーンウォリス将軍の幕僚を勤めたヘクター・モスドナルド将軍の押しに寄って日本人(エルステッド派遣隊:OeA)が立案した。軍人を名乗る者は、受け身より攻撃を好む。例え外国人あろうとその点は変わりなかった。

 フリックの住民が目撃したのは、まさに「わんわん」作戦第一段階の第10軍団による上陸作戦の始まった瞬間だった。

 エルステッドで水軍の存在価値は極めて低かった。これまでは商人を襲う湖賊を取り締まる程度だった。今回、寄せ集めではあったが商人達の協力によって兵員輸送に必要な船が集められた。

「やっと地面か。船って奴はどうにも落ち着かない」

 いかにも船に慣れない感じで、マカダミア将軍は副官の手を借りながら上陸舟艇から降り立った。将軍は内戦中、東部国境地帯で東部軍と自称する山岳ゲリラ相手に掃討作戦を行っていた。だが今回は勝手が違う。正規軍に匹敵する戦術と兵力で攻め寄せる敵を相手にするのは初めてだ。50歳を過ぎても緊張はする物で、野戦で1個軍団を指揮するという事実に将軍は緊張と興奮をしていた。

(速やかに前進し友軍への圧迫を取り除かねばならん)

 第10軍団はハウ将軍隷下、JTFに加わる。上陸作戦開始前、打ち合わせでフィダカァ山脈のJTF司令部にヘリコプターで駆けつけたマカダミア将軍に対して、ハウ将軍は挨拶もそこそこに「第10軍団は草刈り鎌と考えれば良い。敵の横っ面を刈り取ってやれ」と簡単明瞭な指示を与えた。

(上陸は今日中に終わるだろう)

 軍団と言っても装備は知れている。上陸に何週間もかかる訳ではなかった。空に成った船の帰りは新しい乗客が待っている。

 川岸の集結地に集められたJTFの兵士達は浮浪者と見間違うぼろぼろの姿をしていた。フィダカァ山脈に向かう途中ではぐれ孤立した生き残りだ。

「ひどい有り様だな」

 水軍を指揮するモーモー提督は上陸全般の責任を負っている。集められた兵士達の姿を目に入れると、厳しい表情で言葉を吐いた。先任参謀マグマン大佐も顔をしかめて頷くる。

「はい。厳しい撤退だと聞いております」

 車輛はエルステッド軍の負傷兵を後送する為に使われた。人的資源は有効に活用される。収容された兵士達は後方で休養と再編成を終えたら再度、戦場に投入される計画だ。

「毛布と食事を与えてやれ。彼らには休養が必要だ」

 エルステッド軍史上最大の水陸両用作戦で、第10軍団の先陣を切って上陸したのは第1旅団。旅団改編と言う組織再編成を始めたばかりで、旅団長マレイン・トリミプラミン大佐は日本人による高級士官の集合教育に参加していた所を呼び戻された。

「サカイ県は呪われているとしか思えんな」

 軍人は現実主義者で目の前で見えない呪いや遭遇した事の無い幽霊は信じない。だがこれまでにサカイ県で流された血の量は多く、トリミプラミン大佐がそう考えてしまうのも無理が無かった。

 内戦以前から亜人の襲来はあった。だが今回あったJTFの苦戦、サカイ県の失陥で国土が戦場になる悪夢が再来した。王都まで敵が迫った内戦の二の舞は避けたい。

「旅団長、フリックの民が保護を求めております」

「フリックは軍団の司令部が前進予定だったな。俺達が一番乗りをしてやれ」

 戦は勢いが大切だと日本人LOもトリミプラミンの決定を支持した。

 近代戦術に関する体系立ったあんちょこ本がエルステッドに無い為、旅団に付けられたLOは貴重な助言者だった。

 夕方までに橋頭堡は拡大され、周辺の亜人を掃討開始した。周辺の地元民の案内でフリックに指揮所を置いた第10軍団は、陣容を整えれば南下して亜人の後背を叩きフィダカァ山脈に追い込む計画になっている。

 亜人から解放されたフリックの街では、住民へ王軍から食料の配給が行われた。

 配食場の様子を眺めていると、爆音が聞こえ頭上を見上げるトリミプラミン。上空にはヘリコプターの姿があった。地を這う蟻の様な立場からすれば、空を飛べる物を羨ましく感じた。

「サロベツの日本人か」

 アジシオ川河口のサロベツに駐屯するアニマルコマンドー第2大隊はシュテンダールに転進しており、地上員は少数の警備しか残っていなかったが航空隊は動けた。空からの支援効果は大きい。運び込まれる弾薬、燃料などのお陰で宿営地は亜人の攻撃から守りきる事が出来た。

 UH-1は王軍の上陸成功を確認すると機首を宿営地に向けて飛び去って行った。


     †


 夕日が沈む中、宿営地の着陸地域にUH-1が近付く。ローターが巻き起こす砂埃が収まると降り立ったのは警備部の後藤田。いつもの背広姿と違い迷彩服に鉄帽、弾帯、半長靴と言う現場向きの姿をして居る。

「お疲れ様です」

 出迎えの幹部に頷く。敬礼は省略されている。

 サロベツの宿営地を訪れた後藤田は、大隊幕僚から状況報告を受けた。今回の戦闘で、亜人の側に立つ人類の裏切り者の存在がはっきりと確認された。

 兵士は与えられた物で戦う。だが近代兵器と言っても機関銃と小銃、手榴弾しか与えられていない為、少なからぬ損害を出した。

「陸曹8名、一般隊員21名死亡。車輛3両全損、4両大破。無傷とは行かないか」

 アニマルコマンドーは少なからぬ損害を受けていた。一般隊員の替えは効くが、陸曹の損失が特に痛い。ベーグルの損害は計算に入っていない。

 両方合わせた損害を考えて、不快気に眉を寄せる後藤田。一般隊員は消耗品だが、陸曹は替えが効かない。

「しかし亜人の主力はチクタンで進撃を停止しました。空爆が最後に物を言いましたね」

「上陸を見て来たが早速、後方連絡線遮断の効果が現れて来たかな」

 上陸した第10軍団は亜人の後背を叩きじわじわと締め上げていた。

「これまでにJTFが受けた損害は1個旅団がほぼ壊滅だそうです」

 JTFは日本人との共同作戦を前提に編成された部隊だが、今回の損害で再編成に追われる事になる。

「エルステッド軍の連中から散々嫌味を言われましたよ。血を流すのは我々だと」

 連絡幹部として出向いていた中田3佐は苦笑を浮かべている。

「だが王軍は敵を包囲し目的を達成しつつある」

 異邦人である日本人の力ばかり借りていては面子も傷つく。後藤田は感慨を込めて言った。

「少なくとも連携は上手く行った訳だ」

 部下の死は無駄ではなかった。祖国日本のためになった。そう信じねばこの仕事をやってはいられなかった。

「後は火力の増強で、84RRと迫撃砲の追加か」

 虫に現有装備で対処するには火力不足は明らかだ。部隊火力点数は中隊で30もない。日本人による戦力比の算定でも、ゲリラに対してそれほど有利ではなかった。

 現場に立つ者としては、身を守る武器の威力があっても困る事はない。少々、古くても良いのでLAWやMATが欲しかった。

「虫や竜、亜人の相手で機関銃だけと言うのはやはりきつい物があります。空自がいつでも来てくれる訳でもありませんし。確か81mmと107mm迫撃砲が保管武器で有りますので、あれなら費用効果は大きいかと」

 出来るならATMも欲しかった。現有のあらゆる装甲板を貫徹可能だから、虫どころか竜も十分な効果が期待できた。

 エルステッド側も王軍の戦力を補完してくれる日本人傭兵部隊の拡大を歓迎した。

 高射特科中隊が到着すれば、宿営地と採掘場には空からの襲撃に備えてL-90が配備される。さすがに81式短距離地対空誘導弾は無理だったが、各中隊に配分された携帯式SAMも増やされる事になっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ