59/61
雪月10日
今日はとても変な日でした。
使者さんの次に来たのは、なんと王子様の国の国王様でした。
これには私を含めたお城の一同ビックリです。
王様は王子様の姿を見ると、「元気そうでけっこうけっこう!」と豪快に笑っていました。
王子様と血がつながってるとは思えません。
きっと母親似なんだろうなあ。
王子様はこれまでのいきさつを王様に話しました。
何だか都合よく美化されてたような気がするけど、ま、いっか。
それで、どういう話の流れになったのか、いつの間にか私を今度の王子様帰還パーティーに招待したいって話になっていました。
国王様直々のお願いには、さすがのお父さんも断りづらい、ということで――――その申し出を受けることに。
つまり私は、ついに外に出る権利を獲得したということです!