表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『AGISS -対神機関-』  作者: 羽吹南瓜
異形ゲーム編
PR
39/59

第38話『PROJECT:KING』

『終焉の声』


――黒い光。


――赤熱した刀身。


そして。


王と俺は真正面から激突した。


轟音。


光。


衝撃。


何も見えない。


何も聞こえない。


ただ。


頭の奥が焼けるように熱かった。


「がぁっ――!!」


視界が歪む。


右目が暴れる。


終焉装甲が悲鳴を上げる。


OVER DRIVE LEVEL2。


限界。


だけど。


その瞬間だった。


『……なぜだ』


知らない声。


王じゃない。


誰だ。


『なぜお前が』


『それを持つ』


視界が反転した。


真っ白な部屋。


俺は立っていた。


いや。


立たされていた。


周囲には子供。


十人。


二十人。


もっといる。


皆同じ服。


皆怯えている。


皆痩せている。


「……なんだここ」


誰も答えない。


代わりに。


一人の少年がいた。


黒髪。


痩せた身体。


虚ろな目。


被験者000


その文字だけが見えた。


「お前……」


少年は俺を見た。


そして。


ゆっくり笑った。


『失敗作』


場面が変わる。


白衣。


研究員。


拘束具。


薬剤。


悲鳴。


叫び。


泣き声。


映像が飛ぶ。


次。


また飛ぶ。


少年。


また少年。


また。


また。


何年も。


何十回も。


何百回も。


実験。


実験。


実験。


『適合率上昇』


『失敗』


『再試行』


『記憶消去』


『再試行』


俺は思わず拳を握った。


「ふざけんな……」


そして。


最後の映像。


少年が一人で座っている。


周囲には誰もいない。


かつていた子供たちは。


もういない。


『成功』


研究員が笑う。


『被験者000』


『KING認定』


その瞬間。


少年がこちらを向いた。


『だから』


目が赤く染まる。


『人間は嫌いなんだ』


視界が砕けた。


現実。


「ッ!!」


俺は息を吸った。


地下駐車場。


崩壊寸前。


王。


黒い光。


全部そのまま。


だが。


違う。


王の感情が分かる。


怒り。


憎しみ。


孤独。


絶望。


全部。


流れ込んできた。


『見たか』


王が言う。


『我々を』


俺は黙る。


返す言葉がなかった。


『だから我々は進化する』


黒い光が膨れ上がる。


『人間を捨てて』


『次の種になる』


その瞬間。


羽吹が叫んだ。


「透真!!」


振り返る。


羽吹だった。


珍しく。


本気で焦っている。


「そいつの言葉に飲まれるな!!」


「……」


「同情と正しさは別だ!!」


その言葉で。


俺は我に返った。


そうだ。


確かに。


コイツは被害者だ。


それは間違いない。


でも。


だからって。


街の人間を怪異にしていい理由にはならない。


王が笑う。


『理解したはずだ』


『ならなぜ止める』


俺は刀を構えた。


「簡単だ」


終焉装甲が唸る。


「お前が被害者だったことと」


刀を向ける。


「今やってることが間違ってることは」


一歩前へ出る。


「別問題だからだ」


王が沈黙した。


数秒。


そして。


初めてだった。


王が。


怒った。


『ならば』


翼が広がる。


『証明してみろ』


黒い光が完成する。


『終焉の器』


その瞬間。


俺の右目が眩しく輝いた。


《OVER DRIVE LEVEL2》


《出力限界到達》


《追加出力経路探索》


《認証信号受信》


「……は?」


知らない表示。


羽吹の顔色が変わる。


「待て」


「それマズい」


レオンも固まる。


「何が起きている?」


だが。


俺自身にも分からない。


ただ一つ。


確かなことがある。


どこか遠く。


遥か彼方から。


何かが俺を見ている。


巨大な何か。


終焉そのもののような存在。


そして。


その声が響いた。


『HX-01C』


『VALGRAVE』


『接続開始』


地下駐車場全体が揺れた。


王が初めて。


本当に初めて。


恐怖の表情を浮かべた。


『……なぜだ』


『なぜ本体が』

次回予告


王が恐れたもの。


それは怪異でもAGISSでもない。


遥か彼方に存在する、


HX-01Cヴァルグレイブそのものだった。


「透真!!意識を保て!!」


暴走する終焉装甲。


上昇し続ける出力。


そして始まる、


ヴァルグレイブとの初接触。


次回――


『終焉機動』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ