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Fate Mechanical  作者: 有裏 杉
プロローグ
1/3

蘇生

Fateシリーズ、及び、Type-Moon作品が好きすぎて二次創作として小説を書いてみました!

一ファンの空想の物語として楽しんでくれたらと思います。

尚、ガイドラインに従って収益化は無効としております。

降り注ぐ雨。

男は目の前にある息子であったモノを呆然と見つめていた。

雨が目に入ろうと、雨滴は滲み出る涙に反発された。

集まり始める人。

血を流しながら倒れている息子。

立ち尽くす私。

目の前で失った。

その感覚は耐え難いものであった。


「・・・。」


言葉が出ない。

感情が出ない。

ただ、時間の進みが遅く感じる。

・・・。

・・・。

・・・。

・・・どのくらい経つであろう。

男には時間の感覚がなくなっていたのかもしれない。

ひたすら、一つの目的に執着していた。

実験をする。

失敗の連続。

ただ、それは今日までの事であった。


「・・・落ち着け、落ち着くんだ、(とおる)。私なら出来る、出来るんだ。」


自分の名前を呼び鼓舞をする。

一言も喋らない時間が続いていたが、この瞬間は心が高ぶり声が出始めた。

冠位の魔術師にも協力を仰いだのだ、きっと上手くいく。


「戻ってこい、霧人(きりひと)。」


徹は、レバーをゆっくりと降ろす。

すると、眩い光を放つ電流が徹の目の前にある大きな装置に流れ込む。

装置には彼の息子が入っている。

激しい光を放ち始めた装置に徹の目が眩む。

暫くして、光に溢れた空間は落ち着きを取り戻した。


・・・ウィーン・・・


目的を果たした装置が重たい扉をゆっくりと開ける。


「・・う、うう。」

「・・!霧人!!」


徹は、装置に入っていた息子に駆け寄る。


「蘇った・・!成功したんだ・・!」


徹は、涙を流しながら息子を抱きしめる。

身体が体温を感じる。


「霧人、私はお前を失ってから絶望していた。お前がいなくなった世界を生きるのは耐え難かった。」


彼自身の苦しみを言葉にして吐き出す。

長い時間が掛かってしまった。

それが、やっと終わりを迎えた。

息子の顔を見て喋ろうと思い、抱きしめた状態を止める。


「だから、霧人。私は前代未聞の魔術、そして、科学を使用して、お前を復活させたんだ!結果は、この通り!成功したんだ!」


魔術と科学。

この世界には定義がある。

()()()()()を例に出そう。

かつて、空を飛ぶ事は限られた者にしか許されない「魔法」であった。

やがて術式が確立され、それは「魔術」となった。

そして今、飛行機という科学の結晶が現れたことで、空を飛ぶことは「当たり前の事象」となった。

科学が進歩するほどに、魔術はその神秘を失い、単なる「不便な代替手段」へと追い詰められていくのである。

時代の進歩とともに神秘が失われていく。

だが、この男。

佐久間徹(さくまとおる)は、その両方を極めた天才であった。

魔術師であり、科学者。

彼の知名度は、魔術師の総本山である()()()に及ばず世界中に知れ渡っていた。

魔術師は、選ばれた者しか扱う事が出来ない。

徹は、魔術師の家系で生まれた。

優秀な血筋を持ちながら、科学にも手を出した。

そして、今日。

死者の蘇生という現代ではどの魔術師も到達できていない「魔法」の領域に到達した・・と思っていた。

先程から、彼の力で蘇った息子は呆然と徹の姿を見つめていた。


「どうした、霧人?」


天才は言葉を濁らせる。

目の前にいる息子の様子がおかしかった。

蘇生は成功した。

成功したが、違和感が混じる。

目の前の息子が口を開く。


「・・・あなたは、いったい・・誰?」


モノは、徹が何を言っているのか分からなかった。

無理もなかった。

目覚めた直後に、突然知らない人が一方的に話しかけてきたのだから。

しばらくして、モノには疑問が生まれる。


「・・・僕は、誰?」


ふと出た言葉。

運命を受け入れられない。

その言葉は、父親の見えている世界を再び濁らせてしまうものであった。

お読みいただき、ありがとうございました!

今回は、本編の前日譚となります。

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