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一度も、自分から女の子に告白して付き合った事がない僕!

作者: 七瀬






“一度も、自分から女の子に告白して付き合った事がない僕!”



いつも女の子の方から告白されて、僕は付き合っていた。

それと僕は一度も、女の子にフラれた事もないんだ!

こんな僕だから、女の子に何不自由しない生活をずっと送っている。




・・・ただ、自分から好きになる事もなく!

僕に告白してきた女の子が僕のタイプになっていた。



『ねえねえ、大ちゃん? 次の休み! みんなで海でも行かない?』

『海? いいねぇ~行こうよ!』

『もう皆に声かけてるから、凄く楽しみだね!』

『ミミも水着きるの?』

『着るよ、なんで?』

『いや、別に、水着姿のミミも楽しみにしておくよ!』

『もぉ~ヤラシイ目で見ないでよ~』

『彼氏なんだし、別にいいじゃん!』

『まあ、大ちゃんならいくら見てもいいよ。』

『たのしみだね!』





 *





そしてみんなで海に行く事になり、その中に僕の知らない女の子も

居て、僕は初めて自分から好きだと思える女の子と出会ったんだ。



『凪ちゃんって? どこの高校?』

『○○高校だけど? なんで?』

『えぇ!? だって初めて見たから、こんな可愛い子が居るんだね!』

『もぉ~大ちゃん! 可愛い女の子に目がないんだから~』

『・・・あぁ、ごめん、』

『ミミちゃんもこんなに心配してんだろうが、大!』

『ごめんごめん。』

『でも? 凪ちゃん! 彼氏はいるの?』

『いないよ、つい最近、別れたばっかりなの!』

『マジか! チャンスじゃん!』

『お前ら~なあ!』

『・・・・・・』





その日、一人だけ知らない女の子が居て、

その子がめちゃめちゃ可愛いくてさ、男どもは皆彼女目当てだったな。

僕もこの時ばかりは、“凪ちゃんに釘付け!” こんな事、初めてだよ。

彼女そっちのけで、僕は凪ちゃんの水着姿に鼻血が出そうになるぐらい

興奮してしたんだ。




『大ちゃん? 大ちゃん! ミミの水着姿どう? ちゃんと見てる?』

『・・・か、可愛いよ!』

『ずっと先から、凪ちゃんばっかり見てるじゃない!』

『えぇ!? そ、そんな事ないよ、』

『全然! こっち見ないし!』

『凄く可愛いよ、ミミ!』

『嬉しい!』





・・・この日の僕は完全にどうかしていたらしい!

彼女のミミの話が上の空、他の奴の話も上の空。

でも? 凪ちゃんの話だけは真剣に僕は聞いていた!

もうこんなチャンスはないと思い、僕は思い切って彼女が居るのに、

凪ちゃんに初めて告白をしたんだ!



『“凪ちゃん、僕と付き合ってください!”』

『えぇ!? ミミちゃんはどうするの?』

『“別れる!”』

『それって、酷くない?』

『ちゃんと分かってもらえるまで話し合って別れる!』

『・・・でも、なんで、ワタシなの?』

『“僕が初めて女の子を好きになったのが凪ちゃんだったから!”』

『えぇ!?』

『自分から好きになった女の子は今まで居ないんだよ!』

『なんか嬉しい! じゃあ、少しだけ待ってあげる!』

『えぇ!? ほ、本当!?』

『うん。』

『じゃあ、ちゃんとミミとは別れるから!』

『うん、待ってるね!』

『うん!』





・・・僕は完全に凪ちゃんの虜になった!

もう他の女の子は見えていない。

彼女のミミですら、僕はもう気持ちが冷めていた!

ミミには申し訳ないけど? 彼女と別れ話をする事にしたんだ。




『“僕と別れて。”』

『えぇ!? な、なんで? 急に、そうなるのよ!』

『“好きな子が出来た! 初めて自分から好きになった子だよ。”』

『凪ちゃんでしょ!』

『えぇ!? ううん、』

『やっぱり、凪ちゃん可愛いもんね! でも、やめた方がいいよ、』

『・・・な、なんで?』

『あの子もモテる子だから、直ぐに大ちゃんもフラれるわよ。』

『そ、そんなことはないよ、それより今日で別れて! ごめん。』

『別れたいんでしょ! 分かった、別れてあげる!』

『ありがとう!』

『・・・・・・』




彼女はしぶしぶ僕と別れてくれた。

これで僕は思う存分! 凪ちゃんにアタックできる!

僕はその足で直ぐに凪ちゃんに会いに行き、彼女のミミと別れた事を

報告したんだ。




『今、ミミと別れてきた。』

『嬉しい!』

『“これで僕と付き合ってくれるよね?”』

『ごめん、ワタシもう彼氏出来ちゃったから、大ちゃんとは付き合えない!』

『・・・えぇ!? う、ウソだろう?』

『マジ! 元々、そんな簡単に彼女と別れる男なんて信用できないし!』

『でも? 凪ちゃんだって僕がミミと別れたら付き合ってくれるって、』

『“冗談かと思ってた! 本気でそう思ってたの?”』

『・・・そ、そんな、』

『さようなら、じゃあまたね!』

『・・・・・・』





こうして、僕は初めて自分から好きになり、その女の子から初めてフラれた。

勿論! ミミとはもうヨリを戻せず、久しぶりに彼女の居ない時間を僕は過ご

す事になった。

でも? 自分から好きになるより好きになってもらう方が、安定してるし

フラれる事もないと結論づく!

もう自分から好きになる女の子とは絶対に付き合いたいと思わないように

するから、また彼女が欲しいな。


最後まで読んでいただいてありがとうございます。

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