7/7再会の日に
「一年ぶりだな、織女」
「牽牛様……お会いしとうございました。会えるとは思っておりませんでした……」
「大変だったみたいだな。俺もお前に会えて、うれしいぞ」
「天帝様に無理を言われて……ですが、なぜか川が干上がり、無理が無理ではなくなったのです」
「何者かが、一日だけ川をせき止めたのかもしれんな」
「まさか、牽牛様、あなたが……?」
「そんなことよりも、お前に伝えたいことがある」
「伝えたいこと……なんでしょうか」
「また、一年間だけ待ってほしい」
「私はいつまでも待ちますよ。一年後も、百年後でさえも」
「そうじゃない。待つのはあと一年だけで大丈夫だ」
「そんな、どうしてそのようなことを言うのですか!?」
「一年後には、俺が天帝になる。そしてこのくだらないしきたりを、消し去ってみせるから!」
「だからあと一年だけ、俺を待っていていほしい。どうか、頼めるだろうか」
「お待ちします。いつまでも」
一年後、女性初の天帝となった織女によって、七夕のしきたりは廃止となった。
これにて完結になります。
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