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7/4Side:彦星
「織女が困っていると聞いたが、それは本当か?」
「耳が早いな。それは事実だ。どうやら天帝から無理を言われているらしい」
「よりにもよって、この時期に、か……」
「もしかしたらそれが天帝の狙いかもしれないな。長く続いたお前と姫の関係に、終止符を打とうとしているのかも」
「そうか、俺と織女の関係に、終止符を……」
「そうか……って、お前はそれでいいのか?」
「良いわけが、ないだろうが! たった一度、一年に一度の再会さえも奪おうというのか、あの天帝は!」
「だが、今やお前も織女も、その程度の価値しかないからな……」
「……どういうことだ?」
「だってそうだろう。お前の仕事も織女の仕事も、もはや他でも代わりが効く時代だろう」
「そ、そんなことはない! ……はずだ」
「お前も言っていたじゃないか。そろそろ終わりにしても良いかもと」
「それは……だが、黙って従えというのか!」
「それを決めるのは、俺じゃない。牽牛、お前自身が決めることだ!」