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小学一年生-9

 学校の将棋クラブへ参加できたことで、将棋を鍛える環境を整える事が出来た。


 普段はネット対局、週に一回のクラブ活動、時々お父さんとも指して、将棋ソフトで分析する。そして、毎日詰将棋を解き、手筋を一つ一つ覚えていく。

 その結果、一学期が終わる頃には、棋力向上が実感出来るようになってきた。


 クラスの方も、美春ちゃんのおかげで何とか馴染めている。

 お互い、「すみちゃん」「はるちゃん」と渾名で呼び合うくらい仲良くなれたし、上手く小学校を過ごせるようになったと思う。


 そして、今日は夏休み前、一学期最後のクラブ活動に参加していた。


「負けました」

「ありがとうございました」

「……澄花ちゃん、強くなったね。もう、私だと勝てないかも」


 夏希お姉さんとの対局の後、苦笑いしながらそんな風に言われる。

 クラブ見学の時は負けたけど、今はほぼ私が勝つようになっていた。


 将棋クラブへの参加について、最初こそ見学の名目だったけど、以降は普通に参加している。

 本当はダメなんだと思うけど、「岩瀧さんはお行儀が良いから大丈夫」と、八木先生に容認して貰っていた。


 対局後に夏希お姉さんとお喋りしていると、「終業式の後に、家に遊びに来ない?」と誘われた。

 もっとも、実際には遊ぶのが目的ではなく、夏休みの過ごし方や宿題の注意点を教えてくれるという事なので、妹も合わせて一緒に行きたいとお願いすることにした。




 そして終業式当日。

 全校集会の後、クラスで夏休みの宿題やプリントを渡されて終わりになったので、はるちゃんと一緒に亜季と合流してから、夏希お姉さんを待つことにした。


「ごめん、待った?」

「お姉、おそーい!」


 はるちゃんも夏希お姉さんの前だと妹になるのか、いつもよりちょっと幼い感じで新鮮だった。

 そして、夏希お姉さんに亜季を紹介して、千代田家にお邪魔することにした。



 千代田家はマンションの5階、501号室だった。

 よくよく考えると、友達の家に行くのは初めてだし、マンションに入るのも初めてな気がする。

 ちょっと緊張するけど、幸い亜季も一緒だし、手を繋いで行くことにした。


 はるちゃんと夏希お姉さんのご両親は共働きとの事で、千代田家にお邪魔してすぐに、夏希お姉さんによる、夏休みの過ごし方講座が始まった。

 基本的には、宿題は溜め込まない事・後回しにしない事を徹底する、出来れば早めに終わらせる、という事になるけど、私にとって凄く苦手な事な気がする。

 亜季が時々横目で見て来る辺り、妹にもそう思われているみたいだし……。


 その一方で、自由研究がちょっと気になるので、質問してみる事にした。


「夏希お姉さん、質問です」

「はい、澄花さん。何でしょう?」


 いつもと違って、ちょっと先生っぽい感じで夏希お姉さんが返してきた。


「自由研究は、何を調べても良いんでしょうか?」

「うーん、多分大丈夫かな」


 夏希お姉さん曰く、理科または社会に関する物事をまとめたものが多いものの、中には親の仕事について調べたものもあったらしい。


 そして、「一年生だと、朝顔観察が多いかも」とアドバイスを受けたものの、私なりに思いついた事があったので、自由研究を頑張ってみる事にした。

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