表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/75

小学一年生-5

「「ただいま」」

「あら、お帰りなさい」


 家に帰った私達を、お祖母ちゃんが出迎えてくれた。

 岩瀧家は、お父さんがお婿さんで、私達は母方のお祖母ちゃんと一緒に暮らしている。

 両親が共働きなので、お祖母ちゃんはこの家の主婦だ。



 買ったばかりの盤と駒、そして三冊の本を並べ、これからの計画を立ててみる。

 将棋を鍛える方法は色々あるけれど、棋力によって有力な手段は変わってくる。

 私は初心者だから、まずは三冊の本を読んで、将棋を覚えるところから始めないといけない。


 他に必要な事は、将棋を指す機会の確保だろう。

 私一人での外出はまだ駄目と言われているから、将棋道場に通うことは出来ない。


 一応、お父さんは将棋が指せるらしく、時間があるときは相手をしてくれるみたい。

 そして、インターネットで将棋が出来るらしいので、PCが使えるようにお願いしてみよう。


 後は、もうすぐ誕生日だし、プレゼントは将棋ソフトをお願いしようと思う。

 将棋ソフトは、定跡も入っているし、一局の中の好手・悪手も教えてくれるらしい。

(お勧めのネット対戦アプリやソフトは、本屋さんで眼鏡男子に教えて貰った。)

 ……前世と比べ、技術の進歩は目覚ましいようだった。


 まとめると、まずは本で勉強、終盤力は詰将棋を毎日解く、練習対局はネットとソフトで、という具合に鍛えていこうと思う。

 他にも対人戦の機会も確保したいから、それは今後の課題かな。


 気を付ける事としては、夢中になり過ぎない事だろうか?

 相手をしないでいると亜季が拗ねるかもだし、お祖母ちゃんはこういうところは厳しい。


 特に、学校の宿題や家のお手伝いを疎かにしてしまうと、将棋を取り上げられる可能性が高い。

 なので、TVゲームみたいな扱いになるけど、将棋の時間を決めておくのも良いかもしれない。



「お姉ちゃん、入学式の準備は大丈夫?」

「んー、明後日だし、多分大丈夫だよー」


 振り返ると、亜季は今回のプレゼントを荷解きしつつ、もう小学校の入学式の準備を始めていた。


 どうやら亜季が買って貰ったのは、小学校にも持って行ける可愛い系の小物らしい。

 結構ボーイッシュなところもあるけど、こういう部分は私よりもずっと女子だと思う。


 一応、私もぬいぐるみは好きだけど、リアル寄りなので、女子らしさは微妙かも……と、レッサーパンダのぬいぐるみを抱きしめつつ、亜季を見習うべきかと観察してみる。


「どうしたの……って、お姉ちゃん、それ好きだよね」

「んー、亜季を見習った方が良いか考えていました」

「それなら、お姉ちゃんも入学式の準備をしよっか」


 しまった藪蛇、と気付いたけど妹には勝てず、私も一緒に小学校の準備をする事になった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ