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神秘との遭遇

ここから主人公と神秘やら何やらとの関係が……!

と言った感じでやっていくのです! やー!

「園実、武器は?」

「『汎用術式銃』が一丁と『術式弾』が一式。十分戦える」


カナデが弾丸を向けたまま、園実は鞄を漁ってリボルバーを取り出した。


「おい、どういう状況だ? それにそこの女はどうして銃なんて持っていやがるっ!?」

「あら、私たちよりもアンタたちの方が理解できるのではなくて?」

「何言ってやがる! 俺らだって何が何だかわかってねエんだぞ! いきなりみんな倒れちまって……」

「ならどうしてアンタたちは無事なのかしら?」

「知るかよ、そんなこと!」


売り言葉に買い言葉。


「嶺二、落ち着け。こんな時にいがみ合っても意味がない」

「カナデ、熱くなりすぎ。それに私の『眼』で見る限り本当に困惑してるみたい」


互いに感情をぶつけ合い、ヒートアップしていく中比較的落ち着いていた二人が口を開いた。


「園実それ、本当?」

「私の『眼』を信じてくれるならね。ただ、一色君の方はちょっとわからないけど……」

「わかったわ。とりあえずこのままの状態で話だけでもしてみるかしら」

「もし何かあればその時はその時、また動けばいいだろ?」

「……彩人に免じて、話くらいは聞いてやる」


妥協点を見つけた両者が取り合えずといったところで意見を交わす。


「まず、自己紹介をしてもらっていいかしら? 名前、実家の家業。そしてどこの所属なのか」

「……『神奈木 嶺二』。所属ってのはわからねえが、族には入ってねえ。実家は『神奈木道場』」

「あなた、『神奈木武術』の……なら納得が行くわ。一応、一色君もお願い」

「『一色 彩人』。所属ってのもわからないが、、実家は何をやってるのかは知らない」

「知らない?」

「縁が切れてるんだ。いろいろあってね」


その言葉の真偽を確かめるべく園実に視線を向けるが、小さく首を振る。


「嘘じゃなさそうね。もしかしたらこの前の件で耐性を得たのかも……」

「──カナデ、伏せろ!」


考え込むカナデに園実が叫び発砲する。

魔力の弾丸が、カナデの背後で立ち上がった生徒を吹き飛ばした。


「いったい何が……」

「ソイツ、今カナデに襲い掛かろうとしたぞ! 何らかの魔術干渉を受けている!」

「ちょっと待って。これは……【傀儡術式】? こんなもの、いったい誰が……」


それを皮切りに、教室で倒れていた生徒たちが揺らりと立ち上がる。


「これは、まさか全員──?」

「操られているな。どうする?」

「体制を立て直す、一旦逃げるわよ! そっちの『非神秘組』も早く!」

「それって俺たちのことか?」

「みたいだ。何が何だかわからないけど、とりあえず一緒に行こうか」


慌てて教室を駆けだし、周囲へ視線を巡らせる。


「行先は?」

「空き教室よ!殺傷禁止、優先順位は一般人の保護!」

「了解」


必要な情報だけを確認し合い、目的地へ向かう。


「! 前方、教室から敵性三体!」

「空き教室に向かうならこの道は避けられない、か」


リボルバーを取り出し、弾倉を回転させて戻す。

直後、連続して三回乾いた音と衝撃音が響く。


「今のうちに……『開け』!」


襲い掛かってきて生徒が倒れているうちに、空き教室を開いて飛び込む。


「『閉じよ』!」


その言葉に従って閉じた扉を見て、ほっと息を吐く。


「……いまの、殺したのか?」

「非殺傷弾よ。説明はカナデに聞いて」

「まあ、それが妥当よね。そうね、私たちの自己紹介から始めるべきかしら」


少し崩れていた身だしなみを整え、しっかりと目を見て告げる。


「『魔術組合:日本支部』所属、魔術師名【人理神話《System Mithology》】。『古登ことの カナデ』」

「『新屋敷 園実』。無所属で野良の『異能者』。能力は【視念】」


それは自らが『神秘』の世界の住人であることの吐露。


「いきなりこんなことを言われても困惑するかもしれないから、端的に端折って説明するわね」


そう言って説明を始める。


まず自分たちは『魔術師』と『異能者』という特殊な力を行使する人間であるということ。


そして今回の異変も自分たちと同じような存在によって引き起こされたであろうということ。


「なんだ、じゃあ俺たちはそのよくわからん力をもった奴らのせいでこうなってるのか?」

「そうよ。というかあなたは知っておきなさいよ。『神奈木武術』は私たち側の武術なんだから!」

「いや、武術とかかたっ苦しいのが嫌で、最近まで同情の方には近寄らなかったんだよ」


どこか辟易とした様子で語る嶺二にため息を吐きながら、彩人へ視線を向ける。


「……あなたは混乱してないの?」

「いや、しているにはしているけど、そう言うのがあってもおかしくないと思ったからかな?」

「……そうね。もしかしたら無意識で受け入れている場合もあるわ」


あえてこの前の事件には触れず、話を進める。

記憶処理をされた内容をほじくり返しても、意味はないのだ。



「それで、どうする?」

「一色君、どうするって……?」

「もちろん、こんなにめちゃくちゃなことにしてくれた奴に『お礼』しに行くだろ?」


拳を打ち合わせる嶺二が答える。


「さすがに一般人を巻き込むわけには……」

「あ? 確かに俺はその、神秘? とやらに傾倒しているわけじゃないが、それでも──」


振り向きざまに拳を振るう。

直撃したロッカーはへこみながら地面に叩きつけられ、ひらいた扉から生徒が飛び出した。


「これくらいならできる」


ここまで出会ってきた生徒と、比べ物にならない速度で飛び出したそれに掌底をたたき込む。


「どうだ、連れて行く気にはなったか?」

「最悪、ピンチになったら肉壁にくらいはなれる」

「……仕方ない、か。どの道、ここはバレてるみたいだしね」


諦めたように、ため息混じりにそう告げる。


「……いいの?」

「多分、今潜んでたのは【傀儡】じゃなくて【憑依】。つまり、向こうの本体が生徒に乗り移って操作してたのよ。ここまで逃げてくるのを見据えた上で仕込んでいたのね」

「どうする?」

「もちろん、嶺二の言ったみたいに術者をぶっ飛ばす」


過剰な意見にも聞こえるが、魔術師にとって売られた喧嘩は買うがモットーである。

さらに言えば、自分の見出した神秘性と相手の見出した神秘性とのぶつかり合いは、信念同士のぶつかりでもある。


否定されるなんてもってのほか。


「いいじゃねエか。やってやろうぜェ!」

「やるのなら徹底的に、全力を尽くすよ」

「いい心意気ね。魔術師向きよ。行くわよ!」


ドアを開け放ち、駆けだす。

外には教室から出てきたであろう生徒たちが徘徊していた。


「【術式破壊】は憑依体だけ! それ以外は適当に蹴散らして!」

「あいよ!」

「了解!」

「なら衝撃弾を使う!」


二人が距離を詰め、園実は弾を放りリボルバーを薙いで装填する。


「何それカッコイイな!」

「なんだ、何がだ彩人!? 俺は見てなかったぞ!?」

「ちょ、そんなのいいから前見て走んなさいよ馬鹿! そして釣られるな馬鹿!」


何故か後ろを見ながら走っていた彩人に頬を染めながら怒る園実。

嶺二までそれに釣られそうになるのだからどうしようもない。


「これはそういう『当て身』の技術なんだよ!」

「え、そうなの?」


嶺二のぶつかった相手は数メートル吹き飛び、周囲を巻き込んで行く。


一方、彩人はと言えば、そのまま相手にぶつかり、もつれあって転がった挙句、嶺二とほぼ同数を巻き込んでいた。


「二人とも伏せろ!」


そこに魔力の弾丸が撃ち込まれ、衝撃波が道を開く。


「抜けるよ!」

「それにしても、どこへ向かうんだ?」

「この規模の術式だから、多分学校の中心にいる。この前、中庭でまあまあの規模の『地脈』があったからそこね」


しかし、そこに至るまでに立ちはだかるは、操られた生徒たち。


「全員ぶっ飛ばして、先に進むしかなさそうだね」

「だよなぁ。まあ、喧嘩なら俺は得意だ」

「非殺傷って苦手なのよね」

「まあ、そこはアタシたちでやるしかないでしょ」


校内を進む彼らは傍から見れば、ダンジョンを冒険するパーティーのようにも見えた。

はぁ、はぁ……APEXしたい……

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