悩む魔王の台所事情
魔王「人間を殺しすぎた。やばい、あいつら絶滅しちゃう。」
側近「いいではないですか。あんな黄色い猿ども絶滅しちゃえば。」
魔王「いやいやいや、よくないよ。あいつら死んだら俺達やることなくなるじゃん。」
側近「それもそうですね。人間ゲートボールができないのは嫌ですね。」
魔王「だろー。それに俺人間好物だしさ。一日1人は食べたいし。」
側近「まあ、おいしいですしね、特に美女は。」
魔王「………エロジジイ。」
側近「魔王様だってそうじゃないですか!」
魔王「とにかく人間が絶滅すると困るな。……よし、人間を殺すのをしばらく止めよう。」
側近「え、ホントですか?」
魔王「マジマジ。じじい、みんなに伝えといて」
側近「うーん、どのぐらいの期間禁止にいたしましょうか。」
魔王「1週間ぐらいでいいんじゃねえの?」
側近「1週間ですか?短すぎませんか?」
魔王「いいって、あいつらバンバン増えるし。年中発情期なんだぜ?」
側近「魔王様、私たちの管轄している日本では今少子化が進んでいるのですよ。」
魔王「え?何それ?」
側近「産まれてくる子供が少なくなっているのですよ。1週間では全然増えませんよ。」
魔王「まじでか。うーん、困ったな。どうしよう?」
側近「3年ほど我慢されてはいかがでしょうか?」
魔王「いやいやいや、3年って、無理無理!3年も人間食えないとかないから!」
側近「しかしこのままでは、そう遠くない未来に日本人は絶滅してしまいますよ。」
魔王「……八方塞かよ。」
側近「八方塞ですね。」
魔王「…………………………………………………」
側近「そんな顔で見ないでくださいよ。………やむを得ないですね。アレで行きましょう。」
魔王「ん?アレ、とは?」
側近「同盟国にお願いしましょう。」
魔王「あー、ソレか……。嫌だなあ。……しかし仕方ないか。」
側近「仕方有りませんね。」
魔王「で、どこにしようか?」
側近「一番人口の多い国が、一番コストがかかりませんが…………。」
魔王「あー。うん。やっぱり?………あの国を管轄している魔王嫌いなんだよな。」
側近「背に腹は代えられませんよ。」
魔王「分かってるって。」
側近「はい、お電話です。」
魔王「ヘイヘイ。…………あ、もしもし、テンマ王っすか?……はい、俺っす。」
魔王「ええ、その……人間を輸出していただきたいのですが。……ええ、そっちの。」
魔王「あ、まじっすか。それは困りましたね。…………いえいえ仕方ないっすよ。」
魔王「………ハイ、ハイ、またお願いします、失礼します。」
側近「………………どうでした?」
魔王「んー。残念。ダメ。」
側近「え、どうしてですか?」
魔王「あっちの人間毒性だってさ。」