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過ぎ去りし日々 13

 「自宅の新築 2」


思いもよらない後押しが得られたことで

自宅新築の話は進んでいく

一番喜んでいるのが子供だったし

会社の事務所のその近くが

自宅の敷地だと言うのが少し気になるけれど

そんなことを考えたらいつになるのかわからないから

何はともあれ新築の工事に手を付けるべく

知り合いの家を参考にして

毎日図面とにらめっこ


一階建てか、二階建て

悩む心をなだめつつ

子供たちの顔を眺めて考える

応接間、客間、仏間に台所

水回りには力が入る楽しさよ


お風呂には広い洗面所を作ろうか

裏口は二つくらいは欲しいかも

二階には全部子供の部屋を作り

長女の部屋にはピアノを置いて

ちゃんと個人のプライバシーの

確保が理想だね


考えれば考えるほど大きな家になる

どれくらいの家なのか

どれくらいの予算なのか

敷地の大きさはどれくらいなのか

庭はどんな形にするのかや

車庫の場所なども考えないと


毎日楽しく考えて

日々の暮らしの積み重ね

追いかけられる気持ちにも

何とか潤いを見つけられそうな気になる

書いては消した間取り図の

枚数だけが積み上がり

そろそろ飽きてきたころに

やっと決まった計画は

今までの考えの集大成

希望がすべて実現へ

大きく前進する図面


敷地の土地の工事さえ

希望に満ちた夢溢れ

そこに建つであろう家の影

幻のように建ちあがる

休む間も夢に見る

今までのことを思い出し

感慨にふける心のうちに

押し寄せる波のように打ち来る

苦労の日々の幻影は

やっとここまでやってきた

道程の長さを思いつつ

じんわりと滲む涙目に

ぐっとこらえる嬉しさを

夫の母のその眼には

出来るならば見せぬように

日々の業務に明け暮れる

そのうちには徐々に出来上がる

家の姿が輝いて

目に眩しくてうれしさが

溢れる気持ちの暖かさ


綺麗に仕上げられた材木の

ヒノキや杉の良い香り

見て回るのは職人の腕の良さに驚きを

隠し切れない微笑みが

溢れ出るのが恥ずかしい


最後まで迷った土壁の

断熱効果のすばらしさ

屋根の小屋裏高くして

夏の二階の蒸し暑さ

子供のためには良かれとて

工期の遅れも何のその

じっと我慢のこの気持ち

誰に話して聞かそうか


かくして家の新築も

無事に工事が終わりとて

新築祝いもそこそこに

不便な母屋の二階から

サッサと引越ししていくと

真新しい香の畳の間

ワックスの匂いもすがすがし

黒砂の壁の床の間も

部屋の仕切りの襖にも

香るセンス良さの粋

溢れる感謝のこの気持ち

明日からはトイレにもそのままに

使えるキッチンお風呂場も

何遠慮などをしなくても

使える気楽さ爽やかさ

拡がる夢と生活の楽しみ嬉しみ幸せも

これからの夢も遠慮なく

誰に遠慮もせずと良し

のびのび暮らし子育ても

のんびりやっていけるぞと

ホッと胸撫でおろして

心新たに決意する


あとは夫の事業さえ

うまく行くよう力添え

皆で頑張り進むぞと

想いも新た明日に向かいて歩き出す





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