潮の街
君はもう潮に溶けた
ろくでもない君の風が舌を舐める
君はもう潮に溶けた
青い夕暮れが君をずざあとすくう
君はもう潮に溶けた
あの電灯が点かなくなってもう五年だ
君はもう潮に溶けた
この街が残せるものなんて何もなかった
君はもう潮に溶けた
桃色の君が汚い運河に溶けるのをただ黙って見ていた
君はもう潮に溶けた
砕けたコンクリートに横たわる君は綺麗だった
君はもう潮に溶けた
夜になったら君なんて見えないのにね
君はもう潮に溶けた
この街はもう終わりだ、君もどこかへ行ってしまうのさ
君はもう潮に溶けた
溶けた




