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マジカル★エクスプローラー エロゲの友人キャラに転生したけど、ゲーム知識使って自由に生きる  作者: 入栖
■2章 マジエロ★シンフォニー -美少女遊戯(エロゲ)学園の劣等生-
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70 暗影の遺跡(ショーツダンジョン)②


 俺は決して盗みたくて盗んだのではない。


 確かにショーツという物は、ありとあらゆる宝石にも劣らない至高の一品で、それが美少女エルフの物だったら、莫大な金を積んだとしても、入手したいと考えてしまうのは仕方がない事だろう。


 しかし俺ら紳士は犯罪者になりたいわけではない。むしろ犯罪に手を出す者を嫌悪している。

 エロゲと現実は別物である。だからこそ俺はYesロリータNoタッチであり、Yesエロゲロリ(18歳以上)Yes(自主規制)なのである。

 

 なぁんて言葉を口走ったら、さらにド変態扱いされることは見えていたので、もちろんそんな事は口に出さず、返すタイミングを見失ってしまっていた事で押し切った。


 ただ、ななみがどう感じたのかは不明である。


 その後、俺の強い要望ですぐに帰ることを了承させる。そして歩く度に感じる、股間の違和感に苛まれながらも、なんとか帰宅した。そしてすぐさまパンツをはくと、誰をダンジョンへ呼ぶかで頭をひねった。


 個人的に呼びたいのはリュディ、クラリスさん、水守先輩である。普段から手合わせしている彼女らは、個々の動きも理解しているし、連携も取りやすいだろう。

 しかしこのダンジョンの一番の問題点は、頭の中がエロ畑になっている、バカの考えた設定であることだ。


 ショーツをどうするのか。今まで生きてきた中で、一番悩んでいるかもしれない。


 さて、ショーツを捧げてくれる知り合いはいるだろうか。その点を考えれば、連れて行くのが確定するのは、ななみである。また、ななみは技能的な関係で必ず連れて行きたいと思っていたから、もちろん来て貰う。しかし問題はそれ以外のメンバーである。


 リュディや先輩はショーツを捧げてくれるだろうか。ショーツの点だけで考えれば、命令すれば出してくれそうな、借金ルイージャ先生に頼むという選択肢もある。

 ただ俺がルイージャ先生に「使用済みのショーツください」なんて言ったら、それは借金取りが、金の代わりに求めているようで、それなんてエロゲ状態である。


 ゲームならもちろん試してみるだろうが、現実ではそんな可哀想なことはしたくない。どうしようも無くなってしまったら、頭を下げてお願いする可能性も、なきにしもあらずだが。


 そういえばエロ雑誌にショーツが付いてくるときあるけれど、あれじゃダメだろうか? とあるエロゲ雑誌では、香り付きのショーツが付録にあった。


 いや、普通に燃え尽きそうだな。


「なあ、ななみ。どうすべきだと思う? 土下座かな?」

「……まず皆様のご予定を確認し、行ける方に土下座して慈悲を乞うのがもっともかと」

「やっぱりそうすべきか……」

 土下座は確定のようだ。


 すぐさまツクヨミトラベラーを取り出して、俺は幾人かにメッセージを送った。


----


 集まったのは、水守先輩、リュディ、ななみ、そして姉さんである。クラリスさん、毬乃さん、ルイージャ先生は忙しいらしく来られなかった。ていうか毬乃さんとルイージャ先生が仕事で来られないと言っているのに、姉さんがいるのが不思議なのだが…………大丈夫なんだよな?


 来てくれたメンバーとあの戦乙女像のある祭壇まで行くと、俺はすぐさま地べたにオデコをこすりつけ、ショーツのお願いを始めた。


 本当はメールの時に言おうとも思っていたけれど、ダメだった。どうしても言い出せなかった。

 言う覚悟が決まったのはここに来てからだ。また、『ここまで来てしまったことだし、信じられないけど捧げてあげる』なんてことが起きないかな、と希望的観測もしている。

 

 俺のお願いは懺悔のようでありながら、言い訳のようでもあった。そして話は佳境に入り、俺の全てを差し出すから穿いているショーツをください、とまで言いそうになった時だった。肩にぽんと手を置かれたのは。


「顔を上げてくれ、瀧音」

 そう優しい声で言ってくれたのは、先輩だった。リュディはなにやら難しい顔をしていて、姉さんはいつもの表情で俺を見ていたが、ふらふらと戦乙女像の方へ歩いて行った。ななみは何を考えているかよく分からないけど、俺の隣に立ってる。


 先輩は、俺の手を取ると立たせてくれる。

 そして少しだけ顔を赤らめながらも、朗らかな笑顔を見せてくれた。


「私は瀧音との付き合いが短いのかもしれない。しかし瀧音はそんな事で嘘を言う人間じゃないことを知っているさ……だから」

 先輩はやっぱり恥ずかしいのだろう、いつもだったらその綺麗な瞳でこちらの目をしっかりと見て話してくれるのに、今日は目が合わないどころか右往左往している。

「せ、先輩……」


 先輩は何かを言おうとして小さく口を開くも、結局何も言わず、耳まで真っ赤にして俯く。そして崩れていない髪を手ぐしで整えた。それから意を決して話し始めるも、それはいつもの先輩からは想像出来ないような、か細い声でだった。


「だから、その……少し恥ずかしいが、それに見苦しい私の物で良ければ……っ、使ってくれ」

 そして先輩は「こっちを見るな」、と言って赤くなった顔を隠すように背を向ける。しかし耳が真っ赤だから、あまり隠せていない。


 さて、来たるべき時が来たと言って良いだろう。今ここでYYY発足を宣言する。YYYは雪音ヤバイ雪音にするか。先輩は神みたいな者だから、雪音やばい神という意味になるし、良い感じの響きだと思う。イエスイエス雪音でもいいな。それだと海外展開した時に使いやすいか。


「幸助っ」

 どうやって世界に売り込むかを考えていると、これまた意を決したようなリュディが俺を見ている。


「私も幸助がこういうときに、変な冗談を言うと思っていないわ。だから私も恥ずかしいけど……」


 リュディはそれにね、と続ける。

「私、いつも幸助に助けられてばっかりだった。私も貴方の力になりたい、貴方の助けになりたい。これから先、もし何かがあったら私に相談して欲しいの。今回のように」


 そう言ってリュディは俺から視線を外す。

「うん、でもやっぱりコレはちょっと恥ずかしいわ……でも幸助のためだったら、私のショーツなんて……いくらでも出してあげるんだから」


 リュディは全てを言い切ると、言ってしまったとばかりに顔を伏せる。そしてリュディもこちらに背を向けてしまった。

 すごく、嬉しかった。正直に言えば、リュディからは罵倒されるのだと思っていた。だってそれなりに仲が良いとは言え、穿いたショーツを渡せと言われたら、絶縁状を叩きつけられても文句は言えない。


「……ありがとう、リュディ」

 うん、と背を向けたまま小さく返事をするリュディ。


「こうすけ」

 今度は姉さんだった。はい、と俺は何かを渡され、何だろうとその布を広げてみる。

 それはピンク色の下地に黒いレースで彩られた、大切な部分を守るための布だった。また尻の部分は自分の手が見えてしまう程薄く、もし穿いてもスッケスケで見えてしまうことだろう。


 そんなピンクと黒のエッチなショーツだった。


 ……ゑ?


 自分が動揺しているのがわかる。おちつけ。深呼吸だ。

 コレは着替えるために持ってきた奴だよね、確認の為に渡しただけだよね。ほら、有識者に、これで大丈夫だよね、って確認することは重要だしな。

 ん、ちょっとまてよ。確認の為だからといって、わざわざ渡さなくても良いよね? ていうか見せる必要ある? 俺を有識者と勘違いした? あれ?


 もしかして着替えたの? いや、そんな暇なかったよね? でもこのショーツから、そこはかとないぬくもりを感じられるような、そうでもないと思いたいような。ええと。


「ね、姉さん。こ、これはアレだよね、着替えようとして持ってきたショーツだよね……」

「なんだかすごくスースーする。新鮮」

「獲れたてだった! すぐに替えのショーツをはいて!」


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とーれとれぴーちぴっち生ぱんつー(錯乱)
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