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マジカル★エクスプローラー エロゲの友人キャラに転生したけど、ゲーム知識使って自由に生きる  作者: 入栖
■2章 マジエロ★シンフォニー -美少女遊戯(エロゲ)学園の劣等生-
40/172

40 アロマセラピー先生


 予想できていた事ではあるが、午後授業は俺にとってほぼ無意味である。講義計画シラバスを読んだ限りでは、ほとんどの講義が遠距離魔法を主とした、応用魔法に関してばかりだ。一部には研究を目的とした講義もあったが、ダンジョンでの戦闘に役立ちそうに見えないし、行く気も起きない。そもそも魔法に関しての基礎知識は学園で一番低いと思われる。

 研究以前にまず基礎知識が欲しい。


 ただ、奇跡的に遠距離魔法が使えることになる可能性があるかもしれない。もしくは俺にとって有用な魔法の使い方が見つかるかもしれない! ということにして、試しに俺の嫁(このゲームだけでも嫁が複数人居る)の講義に出席したものの、成果などほぼなかった。


 しかし裏の目的である、揺れ動く大きな肉塊と甘ったるい声は、しっかり目と耳の保養になってくれた。非常に満足である。遠距離魔法と妖艶美女だったらどっちが大切かは、問われるまでもない。

 俺の予想だと男子の半数は書かれた文字ではなく、双丘に目が奪われていただろう。


「はぁい、じゃあぁ実際に打ち込んでみましょう! 慣れてきたら私を呼んでくださいね、テストしちゃいます」

 チョコレートにはちみつを垂らしたようなあまったるい声を聞いていると、お菓子の家に迷い込んだ気分になる。幸福感超えて、もはや多幸感すら感じる。


 俺の側で一時間くらい愛を囁いてくれないだろうか。いや、愛じゃなくても良い。絵本の読み聞かせでも良い。あまりに美麗な声で、眠気に襲われるどころか発じょ……。

「ええと……瀧音くーん?」

「は、はい。彼女はいません! 募集中です!」

「わ、私はそんな事問いかけてません!」


 いつの間に移動したのだろう。先生の顔がすぐ近くに。ふと周りを見ると、生徒達は散り散りになっていて、正面にある的に向って魔法を放っているではないか。

「瀧音君も魔法を打ちましょうか」

 ああ、と俺は言葉を濁す。


「いやぁ実は……俺遠距離魔法が使えない体質で……」

 と言うと泣きぼくろが可愛い顔を傾け、頭にはてなマークを浮かべていた。

「ええっとぉ……」


 そう言って先生はスマホのような端末を取り出すと、何かを確認する。覗こうとしたら、小さい子供を怒るように「メッ」と言われた。KAWAII。あまりのかわいさに世界共通言語を使ってしまった。もう一度聞きたいから、のぞき込んでも良いだろうか?


「……なぁるほど、そうだったのですね」

 察するに、彼女が見ていたのは俺の個人情報だろう。

「まあ、そういうことです。もしかしたら何か切っ掛けみたいなのが掴めて、使えるようになるかなと思ったんですが……」


 と建前を言う。本心は、先生に会いたかったという理由であり、要因の約九割を占めている。が、口には出さない。

 なんてことでしょう! なんて大げさに反応する先生を見て思わず癒やされる。水守雪音先輩が『今日一日頑張ろう!』なんて気分にさせてくれるなら、先生は『辛いことがあったけどなんか元気出た、頑張ろう!』とさせてくれるよな。


「オヨヨ、そうなんですね……! 分かりました! 先生が力になります。詳しく教えてください」

 俺は言葉で説明をしながら、実際に魔法を撃ってみる。ふとあたりを見ると、同じ講座を選択した生徒達が、こちらを見ていた。それもぼそぼそと何かを話している。


 先生を独占していることに嫉妬しているだろうか。いや、俺ではないからそんな事は無いか。ならば、『なんで遠距離魔法が使えないのに、この応用魔法講座を受講したのか?』なんてことかもしれない。まあ、どうであれ別段気にする程でもないだろう。次回からは参加しないつもりだし。

「これは……前途多難ですねぇ……」


 先生は気がついていないのだろうか、腕を組み豊満な胸を強調……ゲフン。何か考え込んでいる。

「前例がないか調べてみたんですけど、似たような症状の初代聖女様も解決しなかったらしいです」

 初代聖女様は回復魔法と強化魔法や結界魔法といった回復・補助・防御魔法しか唱えられない。ただ代わりに回復魔法は凄まじいの一言で、瀕死の状態でも全回復する魔法を何度も唱えることが出来た。また能力が非常にぶっ飛んでいるため(いろんな意味で)、紳士達エロゲプレイヤーにより珍妙な二つ名が大量につけられていた。


「初代聖女様におはなしを聞きたいところですが……もう亡くなられてますしねぇ」

 初代聖女様は1000年前の英雄の一人。普通に考えれば亡くなっていると思うだろう。でも生きてるんだよなぁ……。ゲームでは条件を満たせば仲間になる。つか仲間になれば瀧音なんかお払い箱なんだよな、初代聖女って三強の一人だし。まあ瀧音はもっともっと前から補欠扱いらないこだったが。


「よぉぉぉっし! 先生ちょっと対策をかんがえます。一緒に頑張りましょお!」

 おー! と先生は握り拳を作って空へ突き出す。一人で。

「……」

 先生は頬を少し膨らませながら、俺を見つめてくる。え、俺もヤルの?

「ごほん! いきますよぉ。がんばろぉー!」


「お、おぉー!」


 この講師は設定上20代後半のアラサーです。でも若く見えます。年の話は厳禁です、オールドミスなんて言ってみろ地獄(ry。口説く際には注意してください。

またツクヨミ学園講師と言うことで、お給料もいっぱい貰ってます。料理と裁縫が得意な家庭的な女性で有り、女子力が高すぎて数値化するのが困難な女性です。夜景と例えられる料理を出す、どこかの姉さんに爪の垢を煎じて飲んで貰いたい。

また面倒見が良い性格で、学生時代は後輩にとても慕われていましたし、今現在も慕われています。また見た目ですが、美人orかわいいかならば、かわいい寄りのたぬき顔で、左の垂れ目には泣きぼくろがあります。身長は155センチとそれほど高くありません。髪の色はストロベリーブロンド……、


 と設定を考えててふと思ったんですが、なんでこの人結婚してないんだろ。


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