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マジカル★エクスプローラー エロゲの友人キャラに転生したけど、ゲーム知識使って自由に生きる  作者: 入栖
■2章 マジエロ★シンフォニー -美少女遊戯(エロゲ)学園の劣等生-
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34 魔法学園④

 どうやらこの学園において、魔法技術とは戦闘に関する物であるようだ。

 初めはどこぞのラノベなんかにあるような、魔法を的にあてましょう! だなんて物を想像していたが、それは別の授業で行うらしい。


「どうした、伊織。辺りを見回して……」


 俺も辺りを見回す。第一魔法演習場では学生達が各々得意な武器を持ち、無駄話に興じていた。その生徒達の中で、伊織の視線がやけに引っかかる部分を見てみよう。その先にはサブヒロインである委員長いいんちょが居た。なるほど、伊織はしっかりエロゲの主人公らしく行動を起こそうとしているのだろう。


「ははん? わかったぜ、いいんちょが気になるんだろ?」

「なっ、そ、そんな事無いよっ!」

 伊織の声に反応して、何人かの人がこちらを見る。いいんちょもその一人だ。


「バカっ、声がでけえ。ちょっとこっち来い」

 俺は手招きすると彼は訝しげに俺の顔を見ながら、言われたとおり近づいてきた。

「いいんちょこと日暮楓ひぐらしかえでちゃんの事が気になるんだろ。いやぁ、お前はお目が高い。もしランクをつけるとすればB+は堅いな」


「いいんちょって……委員長じゃないの? それにランクって……何だよ?」

 いいんちょはいいんちょだろ? どうしてそう呼ばれるに至ったかは分からんが、エロゲプレイヤーはそう呼んでた。


 ランクについては実は俺もよく分からない。ゲームの瀧音幸助が勝手に言ってた奴だ。多分女性を総合的に見て評価したんだと思う。彼の独断と偏見が混じってそうだ。

「いいんちょって、すげーしっかり者だろ? なんでも家庭がちょっと大変だったらしくてな、家事とか妹の面倒を見ていたらしい」


 いいんちょは父子家庭だ。妹さんが物心つく頃に母を亡くし、忙しく働く父を見て、私がなんとかしなきゃと思ったらしい。

 それから家庭では家事全般を引き受けたり、妹の面倒を見ていたとか。妹の面倒を見ていたおかげか、面倒見が良く、クラスメイトの勉強を見てあげたりしたとか。欠点を上げるとすれば、天然というか、変なやらかし癖があることだ。ゲームではデートに色違いの靴下で来る奇跡を起こしたりする(伊織(ゲーム主人公)はファッションでわざとやってると思ってた)。


 まあ、詳しい話は仲良くなって自分で聞いてくれ。

「趣味は見た目通り読書。んで子供が好きで……いやこれ以降は食券だな」

「そ、そうなんだ」

 なんて言いながら、熱い視線を委員長に送っている。と、不意にあっと声を出すと、俺の方を向いた。


「あ、あれ、そういえば学園って始まってまだ1週間ぐらいだよね……どこでその情報を?」

 俺はとりあえずわらっておく。そして

「企業秘密だ。まあもっと知りたくなったら食券を用意するか、直接仲良くなれよ」


 どこで知ったかなんてマジエロに決まっている。まあ、これくらいの情報はエロゲ界のデータベースと呼ばれた俺には愚問だ。これが語学でも発揮できるならば、海外で金髪ねーちゃん口説いてたんだがな。いや見た目スペックを考えれば、相手にされてなかったかもしれんが。


 まあそれはどうでも良いか。いいんちょ紹介したし、他にも何人かかるく紹介しておくか。

「さて、ついでだし高ランクのクラスメートを何人か紹介しておくか」

 と視線をカトリナ達に向ける。すると伊織も視線を同じ方向に向ける。


「じゃあ次はカトリナだな」

 と目に見えて機嫌を悪くする伊織。


 個人的に伊織はカトリナとくっつくと思ってるんだが。マジエロではよっぽどのことが無い限りカトリナは攻略出来たし。むしろ特殊なルートを選ばない限り、攻略出来なかったことがない。チョロイン(ちょろいヒロイン)とかチョロメインモブなんて言われてたしな。そういえばチョロメインモブと呼ばれる原因となったのはアニメ版マジエロだったか。途中までカトリナ√だったのに、急転直下で生徒会長√のグッドエンディングへ行ったからなぁ、彼女が少しかわいそうだった。


「おいおい、そんな顔すんなよ? スポーツ万能、話しやすい、そしてなにより凄くカワイイからな。クラスでもクラス外でも狙ってるヤツが居るぜ? な、お前もそう思うだろ?」

 と俺は無理矢理話を振る。振られた彼らは少し驚きながら口を開いた。


「まぁ確かにカワイイと思うぜ?」

 オレンジ色の頭をかいて、彼はそう言った。彼はワイシャツを着ずに、オレンジ色のシャツを着て、首には魔石の付いたペンダントのような物をしていた。


「ええと、その……僕はアレかな、彼女もカワイイと思うけど……それより隣に居るエルフさんが気になるかな?」

 一緒に居たもう一人の男は眼鏡をあげながらそういう。彼は群青色の髪の毛が目を隠すくらいに前髪が長いが、前は見えるのだろうか。というか前髪が長すぎて前髪に眼鏡をかけているように見える。また彼は上着の下に青色のカーディガンを着ていた。


「そーか? 俺は隣の女の方が良いが? ま、もう少し年を取って子持ちなら言うことないんだがな」

「ええと、長い付き合いだけど君の性癖は未だに理解できないよ。僕はその……落ち着いた女性が良いよ? あのエルフのリュディヴィーヌさんみたいにね、聖君もそう思うでしょう?」

 と前髪は言うと伊織は頷いた。


「そうだね、リュディヴィーヌさんは本当にカワイイと思う」

「ははっ、お前らは高嶺の花狙いなんだな。トレーフル皇帝の次女様狙いか?」

 そういうとオレンジ頭と伊織が驚いたように俺を見る。


「……やっぱりそうだったんだね?」

 ただ前髪だけは察していたようだ。ていうかこの世界の人間なら普通は察すると思うんだが。そういやゲームでも皇族と知ると皆が驚いていたが……まああまり気にしなくて良いか。

「エルフ、トレーフル姓と来たら、そりゃもう確定だろ? リュディはマジモンのお嬢様だよ。才色兼備さいしょくけんび荘厳華麗そうごんかれいなアイツは、知力・魔力・魅力・財力・権力の全てを兼ね備えた、文句なしのS+クラス美女だ」


 と俺が言い切るとリュディが「クシュ」と小さくくしゃみをする。

「隣に居る加藤里菜カトリナは、そうだな、財力権力知力は負けるだろうが、美貌と魔力は学園でも有数だろう。またリュディとは違って取っつきやすくて話しやすいから人気があるみたいだな。リュディが近寄りがたい深窓の令嬢ならば、カトリナはクラスのアイドルみたいな感じか? 評価はA+といったところだな」


 悲しいことに胸もA+なんだよなぁ…………カトリナさん、なぜこちら睨んでいるのでしょう? アレ、俺達の話って聞こえてないよな? よな?

 と思ってるとカトリナ達がこちらに近づいてくる。横では伊織は身構えており、オレンジと前髪は困惑していた。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ちょいちょいパ○フェっぽいテイストを感じますが、個人的には超好きです
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