表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
163/172

163 図書館ダンジョン⑨

とても短いです。ただ今日中にまた更新するので許してください。


 桜モドキと戦う先輩を見て思ったことは、自分はまだ努力が足りないなという反省、そして羨望と欲望である。

 

 もし俺がこの世界で一番誰にあこがれているかと問われれば、間違いなく先輩であろう。確かにモニカ会長も捨てがたいカリスマの塊ではある。しかし俺は先輩の性格と心の持ちようが好きだった。

 

 自分は先輩のようになりたい、そう思っていた。しかし現実なれるかなれないかでいえば、どう考えたって無理だ。

 最近ではギャビーも同じような悩みを抱えていた。お兄様と自分で。

 

 俺も同じようなものだ。先輩ほど体力も力も技術も適性もない。同じような技ができるかって言ったら、ほとんどできない。

 ピーキーな能力である自分は、できることと長所を伸ばすしかなかった。

 

 どう成長すべきかと色々悩んでいた俺に、先輩は居合を進めてくれた。それは先輩もできて俺もできる物だった。

 俺は先輩の太刀筋を目に焼き付け、毎日毎日繰り返しなかなかいい太刀筋になっていた、ある程度うまくなったと思っていた。でも。


「こんなの見せられたら、まだ全然足りないなって思っちまうよな」

 

 先輩が振る薙刀をみて、思わず言葉が漏れる。 

 - 九頭龍 - それは『三強』『技』の水守雪音と言わしめる技の一つ。

 それは桜モドキに直撃した。

 

「……マジですかあれ?」

 呆然と結花がつぶやく。

 訓練していなければ目でとらえることすら難しい、超高速の連続技。しかも一撃一撃の線が非常に美しく、それがただの芸術のようにも見えた。

 

 その技を見て俺の中である思いが生まれた。それはすぐに大きくなって全身を駆け巡って、今にも叫びたくなるような衝動に変わる。

 俺は先輩ではない。先輩ほど早く連続で切ることはできない。

 だけどあの剣閃を再現したかった。それほどまでにあの剣閃は美しかった。


 先輩が薙刀をおろすと、桜モドキは魔素へと変わっていく。


 彼女が消えるのと同時に現れたのは1冊の本と1つの転移魔法陣だった。

 ななみにその本を確認してもらい、確証を得たところでその本に向かって刀を抜いた。これで第二段階への変化を防ぐことができるであろう。


 準備は整った。後は、 

「行こう。桜さんとラジエルの書のもとへ」


 桜さんを助け、ラジエルの書を封印するだけだ。

 

----

 

 転移魔法陣に乗ってそこからすぐに目的の場所にたどり着いた。

 そこを例えていうなら大聖堂だろうか。


 ヨーロッパのどこかにあるような大きなステンドグラスがあって、そこから美しい光が差し込んでいた。

 そして辺りにはいくつもの天使を模した像が立ち並び、壁には宗教を感じさせる十字の装飾や太陽のような装飾がある。


 そのフロアの中心で伊織たちは天使の姿をした桜と戦っていた。

 その戦いは壮絶であったのだろう。皆の体は傷だらけだ。すぐさま走って彼らのもとへ向かうも、まだ少し距離がある。

 

「……お兄ちゃんの様子がちょっと変かも」

 走りながら戦いを見ていた結花がそう呟く。

「多分伊織が気が付いたんだろう、ほら」

 伊織は戦闘中だというのに剣を下げ、腕をだらんとたらす。なんでそんなことをするかって言ったら、桜の真意に気が付いたからに違いない。

 

 そんな伊織に向かって桜の魔法が放たれる。

「……急ごう」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コミック版も応援よろしくお願いします


― 新着の感想 ―
[気になる点] あれ?162と163の間なんか話抜けてないよね? 飛んだような…
[一言] 6巻の合流前までちょうど終わりましたね さてはてこの後どうなるのかなぁ
[気になる点] あれ?巨人倒した反応は何も無し?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ