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105 今後の計画

説明回です。短いです……。

 

 『友人キャラ』瀧音幸助が、『主人公』聖伊織に勝る点は何だろうか?

 

 能力的な面で見てみれば魔力量であろう。伊織どころか、リュディ、聖女、モニカ会長など魔力量が高いキャラよりも圧倒的に多い。

 

 しかしながら、消費する量も非常に多かった。


 行動せずとも徐々に減っていく魔力を見て、彼を忌避するプレイヤーは多かっただろう。常時消費されていくというのは、一部のゲームプレイヤーにとって不快極まりないことである。

 とはいえ、ある意味能力が特化しているから、使い方次第では利用できるキャラクターだった。エロゲの特性上、女性キャラの下になるように強いられていたであろうが。

 

 あとは顔。ヒロインたちから言わせれば、口を開かなければ、それなりに良いらしい。普通、もしくはかわいい系と言われる伊織よりも、顔は褒められていた。顔は。

 

 さて、ゲームで瀧音が主人公に勝っている点は以上である。

 もしかしたら他にもあるかもしれないが、誤差の範囲とか、どうでもいいことだろう。

 

 しかし、ゲームではなく現在の俺である瀧音幸助が、主人公である聖伊織に圧倒的に勝っている点がある。

 それはいったい何か?

 

 金と権力である。

 

 家には学園内や魔法学会で権力の化身である『花邑毬乃』がいる。権力はあるだけ良いものだ。物事を円滑に進めるために非常に役立つ。様々な根回しは毬乃さんがいなければ成しえなかったであろう。

 

 そして俺は三会の一つ、式部会という権力を得た。この式部会の力で学園内で行動できる範囲が広がるし、どうしても行きたかったダンジョンへも行けるようになる。

 

 では、金はどうだろうか。

 

 金はあればあるだけ良いものだ。ゲームでは消費アイテムの買いだめができれば、低レベルかつ装備が貧弱でも序盤モンスターに苦戦することはほとんどなかった。そして明らかに格上だったツクヨミダンジョンソロ攻略も、金がなかったら考えもしなかったであろう。

 

 もし金を持たなかったならば、最低限行っておきたいダンジョンを攻略したのち、必ず金稼ぎを挟んでいたに違いない。

 一応ゲームでは色々な稼ぎができたから、時間さえかければ稼ぐこと自体に問題はなかっただろう。時間さえあれば。

 

 一応、RTAなどで利用されるすさまじい金稼ぎもいくつかあるが、あれは倫理を無視して行わなければならない。いろんな意味で印象的だったのはあの『店』を持つイベントだろう。


 マジエロはイベントによって自分の『店』を持つことができる。

 その店では自身が使用した装備などを、学生や冒険者へそれなりの値段で売ることができた。

 

 俺は店の維持とか準備を考えると、時間とリスクが利点(金)を上回るように見えないため、するつもりはないが、伊織はするのだろうか。


 伊織は魔族討伐によってすこし懐に余裕ができたらしいが、それはスズメの涙程度であろう。出費は多いはずだ。武器に防具、消費アイテムに、イベントを進めるためのお金。

 少し考えるだけで、こんなに挙げられる。

 

 もし、伊織が店を持つなら必ず行くし、何かしらを購入してあげたいし、お店を手伝うのもやぶさかではない。

 

 その点、俺は有利だ。武器はなぜか花邑家にある程度は置いてあるし、信じがたい金額のお小遣いがある。

 また、ツクヨミダンジョン40層最速ソロ攻略でのご褒美は非常に大きいものだった。

 直接付与されたポイントと、ダンジョン内でひっそり集めた魔石やら要らない物品を売り払うことで、すさまじい量のツクヨミポイントを得た。

 学園外でお金として使うためには換金が必要となるが、換金手数料や換金レートを考えても十分大金である。

 

 そもそも現実では高級マンション等の利益が勝手に入ってくるから、正直これだけでも遊んで暮らせるレベルではあるが。

 

「それを踏まえて……今後、どうするかだよな」

 お金と権力がある前提で、いくつかの計画は立てている。しかし確実に狂いが生じるであろう。


 3会イベントはどの会に入会するかによって、発生するイベントが大きく変わってくる。そして進め方次第で三会に入会する人物も変わる。非常に難しいフラグ管理をしなければならないが、なんでお前がこの会に入会するんだよ、なんてこともできた。

 

 また式部会に入会したとしても、他会イベントも一応こなすこともできる。しかし、入会している会によってイベントの内容は変化するし、風紀会生徒会の専用イベントのいくつかはこなすことはできないが。


 さて、この三会に関するイベントで、一番の不確定要素は俺である。

 

 自己主張が激しい不確定要素の塊である俺が登場することによって、いくつかのイベントは発生しなくなる懸念がある。

 だとすれば、俺が主体となって無理やりにでもイベントを発生させるべきかもしれない。でなければ内容的に後々面倒になる可能性もあるし、一応式部会のメンバーとなったのだから、それくらいはしっかり活動したほうがいい。

 

 ただ、これはほぼ確実に発生するだろうなというイベントもある。式部会にならないと絶対発生しないイベントで、強制イベントでもある。

 彼女なら突っかかってくるだろう。間違いなく突っかかってくる。

 以前まではまだ大人しかった。しかし成績が公開され、俺が学年トップに立った今ならば、大人しくしていられないのではないだろうか。

 

 あの年中和服の紫苑さんと対をなす、制服何それキャラ。年中ドレス姿でクロワッサンだとかドリルにたとえられる髪型の、コッテコテの高飛車お嬢様。そして高笑いが異様に似合うあのキャラが。


 ゲーム内の伊織も言っていたが、彼女こそ…………。

 

 と、考えているところで、コンコンと部屋がノックされる。その主はリュディだった。


「幸助、行きましょ?」


 そうだなと頷く。今日はリュディとラーメンを食べに行く日だ。


生徒会、風紀会、式部会それぞれのイベントを考え中。

式部会は濃いキャラクターが多くなりそう。

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[一言] "あとは顔。ヒロインたちから言わせれば、口を開かなければ、それなりに良いらしい。普通、もしくはかわいい系と言われる伊織よりも、顔は褒められていた。顔は。" つまり下品な事を言わない現行、そ…
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