ダンジョン編 5 一階層
——勇者たちはダンジョンの1階層に到達していた!
勇者
「いよいよか……」
調合師
「ここが最下層?」
勇者
「んなワケあるか」
女騎士
「ん? おい勇者。あれを見ろ」
——行く手では道が二手に別れていた!
勇者
「……二つ道があるな。どっちに行けば良いんだ?」
闇魔道士
「分からない。ここはパーティーを二手に分けて進むのはどうだろう?」
勇者
「そうだな、まだ最初の階層だし、そんなに強いモンスターは出てこないだろうしな」
——ヴオオオオオオオ!!!
勇者
「……おい、今馬鹿でかいモンスターの鳴き声が聞こえなかったか?」
調合師
「聞こえた……」
——ヴオオオオオオオ!!!
勇者
「うわっ! やっぱりモンスタ—だ!」
狂戦士
「お前らなんで俺の屁の音にビビってんの?」
勇者
「屁かよ! デカ過ぎるわ!」
狂戦士
「もう一回してやろうか!」
勇者
「していらんわ!」
女騎士
「それで、どうやってパーティーを二手に分ける?」
勇者
「そうだな。じゃあ先ず希望を聞こう。みんな一人づつ誰が同じメンバーにいて欲しいか言ってくれ」
調合師
「闇魔道士」
女騎士
「闇魔道士」
勇者
「俺も闇魔道士」
闇魔道士
「ふん、やはり我が一番人気か。まあ世界最強の闇魔道士たる我と行動を共にしたいのは当然のことであろう」
勇者
「いや料理目当てなんだが」
狂戦士
「オイオイオイオイ! せっかく助っ人に来た俺様と一緒に来たい奴が居ないってのはどういうことだオラァ!」
勇者
「寂しいの?」
狂戦士
「うん」
勇者
「素直だな」
女騎士
「しかしこれからモンスターとの戦闘も避けられないとあらば、やはり戦力を均等に分けた方がよくないか?」
勇者
「それは確かに……」
狂戦士
「じゃあ最強の俺は一番弱い奴と組めばいいんだな!」
勇者
「おい勝手に決めんなよ」
闇魔道士
「このパーティーで一番弱いのは誰であろうか?」
女騎士
「一番は戦闘が出来ない調合師じゃないか? 目くそ鼻くそだが」
調合師
「わ、私……?」
狂戦士
「テメェかぁ!」
調合師
「ひっ! うぅ……」
——調合師は泣き始めた!
狂戦士
「え? なんで?」
調合師
「うう……、こんなのと二人きりなんて、絶対にヤダ……」
狂戦士
「……」
勇者
「だってさ」
狂戦士
「ごはぁ!」
——狂戦士はショックで吐血した!
勇者
「ナイーブか」
闇魔道士
「本当に大丈夫なのかこのパーティー」
勇者
「仕方ない。おい狂戦士、俺が一緒に行ってやるから元気出せよ。な?」
女騎士
「まるで二人組を作るときに余った生徒を励ます先生みたいだな」
狂戦士
「ママー!」
勇者
「誰がママやねん」
——こうしてメンバー分けがが決まった!
A班 勇者・狂戦士
B班 闇魔道士・女騎士・調合師
つづく!
お読みいただきありがとうございました!




